小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月3日

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千様「あらー? お役者組は今日から?」あらまあ

家康「三が日は皆暇だからね
稼ぎ時なんだろねー」へらっ


蒼月「ジジイは今年は良いの?」

魄哉「よくよく考えたら上の者が仕事しちゃうと 必然的に他の皆さんもお正月ゆっくり出来ませんのでね

三が日は 天海坊きっちりお休みします」コタツでごろーん。

小太郎「それで良いんだろけど
極端から極端に走るなあ」わおんっ




魄哉「しかし 寛いで良いとなると何をして良いのか解りませんねえ
ひたすらお酒飲んでりゃ良いんですかね?」うーん。

家康「いやー それはちょっと (酒乱だし。)」苦笑

蒼月「ワーカーホリックって悲しいね」



千様「あ。じゃ 調度良いじゃない
芝居小屋行きましょうよー」

魄哉「今から当日入れますかね?」

千様「アンタ、オーナーなのに把握して無いの?
今日は普通の演目は無いのよ
お正月だから 皆で路上パフォーマンスするらしいのよー」わくわくっ

魄哉「Σおお それはっ」きらーん。

蒼月「あ。俺も行きたい!
厚着したら行けるかな」羽織ごそごそっ


千様「皆で行きましょー
じゃ着替えて来るわね」いそいそっ





小太郎「千様 また新しい着物買ったのか?」

挿音「うっせえ ゴネ倒されたんだよ」けっ


一同(なんで毎度一番怖い人にねだるんだろう)





ーーーーーーーーーーー





【大通り 芝居小屋前】



蒼月「お!やってるやってる」おおっ


テオドール「おや。皆さんお揃いで」

家康「うわ。凄い格好してるね」わおー

テオドール「日光に当たらない様に被り物して駄菓子配れと言われまして」1人チンドン屋

小太郎「ほとんど不審者だな」わおんっ



テオドール「お正月に御座いますからね
ほらあちら 今年は特別に御座いますよ」ほらほらっ

挿音「あ? 獅子舞か?」

家康「いや あの柄は」おおっ




テオドール「今年は寅年!
という事で獅子舞ならぬ 虎舞に御座います!!」じゃーん。


蒼月「獅子舞いの模様上から塗りつぶしただけに見えるの俺だけ?」

魄哉「蒼月君。しーっです」しーっ




テオドール「せっかくの機会ですので 今日は見習いの皆さんも混ざって一緒に虎を舞わせておられますよ
これでお客様に顔覚えて頂けたら一石二鳥に御座いますしね
あ、あの後ろ足 粋さんです」ほらほらっ


シロ「顔 覚える前に見えなくないか?」

小太郎「Σ確かに!!」ぎゃいんっ


蒼月「あれ?来ないって言ってたのに。」

シロ「一二三が暇しとったのでな。
石燕は二日酔い、彬羽は何だかんだで部屋で書き物しとるし
鏡子は年末で話のネタ尽きとるしな」ため息。

一二三「連れてきて貰っただ!」わーい

千様「あー。子供には年末年始キッツイかもねー」うんうん



コマ『あの虎 ご兄弟で組んでやられてるのですか?』筆談っ

テオドール「Σ解りますか!」おおっ

魄哉「あー。粋君の虎の前足やってるの白君ですか」ほう


コマ『後ろ足置いてく勢いで暴れ狂っておられますので』筆談カタカタっ

挿音「あー そう言われりゃそうだな」うんうん。



皐月「せや!そうやって中身誰かを当てるのも楽しみの1つやでっ」どやっ

挿音「ここぞとばかりに出てきたけどよ
見習いの顔見えねえの話の時 計算ミスったーって顔してのれんの向こうで舌打ちしてたよな?」

皐月「うわ忍 姑並にめんどいな」ちっ


魄哉「成る程 企画皐月ちゃんですか」凄い納得。


皐月「けど、昨日思い付いたにしては上出来やろ?」

シロ「Σ急ごしらえにもほどが有る!」えええっ


蒼月「あっちの虎とか顔歪んでるもんね」ああうん。

皐月「朝に自分の担当の虎の顔は自分で描けや 気張らな不細工やでーって丸投げしたからな」

家康「ホント行動力の固まりだねえ」わお


挿音「に しちゃ馬鹿兄弟の虎 そこそこ見れるツラしてねえ?」ん?



テオドール「粋さんが地味にお上手だったんで御座います」

魄哉「あの子 ちょいちょい凄っごいですねえ」





間。





粋「っだー!疲れたっ」ぐたっ


家康「最後の方引きずられてたねえ お疲れさん」

粋「ん?あれ 皆居たの?」あれっ

千様「やっぱ中からも見えないのね」あらあらっ



白「さて、次の準備しないと」すたすたっ

蒼月「なんでこっちは息も切れて無いの?」

挿音「基礎体力の差じゃね?」


粋「すっげ コレが一流っ
やべえ体鍛える所から気張らねえと!」おおおっ

テオドール「早くも新年の目的を見つけられた様に御座います」



シロ「お前筋トレとかしとるのか?」

白「普通に毎度衣装重い」きっぱり。

一二三「毎日重しつけてりゃそら鍛えられるべなあ」うんうん。


魄哉「で、次というのは。
お正月からそんながっつりやるんですか?」

皐月「いんや。今日は挨拶みたいなもんやからな
この後ので終わりや
あ、チビちゃん あんま前行くとお客さん等に蹴っ飛ばされるで」

一二三「ヘ?この後って何すんだべ?」



皐月「二階から餅まきや。 目当ての役者の投げたの巡って争奪戦起きるから危ないで」


家康「あ。二階の襖空いた うわ派手ー」あははっ

蒼月「Σ着替えんの早いなあの人等!!」

皐月「高速着替えは芝居の基本やろ」

シロ「普通は下に着込むなり仕込みが有ると思うのだが?」

コマ『虎舞いの下なんぞ着込めへんがな。』カタタッ





地獄太夫「おんや皆さん あけましておめでとうござんす」

千様「あら地獄ちゃんあけおめー」

地獄太夫「おや もう始まってしまいんしたか
今年初の主さんの晴れ姿 遅れてしまいんしたなあ」あらま。

シロ「前に行くと危険だぞ」

地獄太夫「んな命知らずな真似致しんせんよ」きっぱり

一二三「オバケから見ても危ねえんだな」

地獄太夫「さいざんすなあ、これ以上死にやしんせんが アレに突っ込むにはちと勇気が入りんすな」うーん。


魄哉「あのオーナーとしてなんですが
ケガ人が出る様な催しはいかがな物かと
皐月「何言うてんねん。
祭はケガしてナンボやろ」けっ

家康「どこの暴れ御輿かな?」




地獄太夫「いやーそれにしても 役者の皆さん気合い入ってござんすなあ
人気商売は大変に Σん?」

千様「地獄ちゃん? どしたの」





地獄太夫「あの 主さんのあのお着物
友禅じゃござんせん?」ひいいっ

魄哉「あ、やっぱそうですか?」わお。


皐月「ちなみに今日の衣装は皆自腹やで

いやー。正月は皆見栄はるからなあ 反物屋と契約で店的にも美味し
家康「Σやめて 正月から商いの裏側見せないで!!」ひいいっ



シロ「大丈夫なのかあやつ。
稼いどるとは言え 計算なんぞ出来るとは思えんがっ」冷や汗っ

テオドール「あ、その点は お財布粋さんが管理しておられるので問題有りません」

地獄太夫「マメな弟さんでようござんしたなあ」ほっ



一二三「Σうわっ お餅飛んで来ただっ!」わーい。

小太郎「良かったな。
白よくここまで飛ばしてきたな」わおんっ





千様「ねえ。せっかく新調したアタシの晴れ着
だあれも見てくんないんだけど」むすーっ

挿音「んな派手しか居ねえ所に来てくっからだろ
知らねーわ」けっ







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