小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月19日

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晴明「すまん。バケモノに呪符の包み盗られたわ」

シロ「Σしれっと真顔で何と言う事ををを!!」ひいいっ



千様「解説お願い。」

座敷童子「私もその場に居たのでは無いので何ともだが

どうも老舗菓子屋の年末限定品を買いにふらふら歩いておったところ
何かでかいのに後ろから撥ね飛ばされ その拍子に持っていかれたらしい」うーん。


シロ「仮にも陰陽師が情けないと思わんのか!!」

晴明「仕方なかろう。私はケンカは全く出来ん」きっぱり

粋「いっそ清々しいなあ」うわー。


白「あれ?ケンカ出来なくても いつもなら気配で解ってぱぱっと結界張って撥ね飛ばすよな?」

晴明「いや 年末限定品と聞くとな

こう、わくわくしてそっちに気を取られると言うか」


シロ「完っ全に平和ボケしとるな」うーん。

テオドール「人生楽しそうで何よりで御座いますねえ」苦笑。



晴明「しかし災難だ
そのせいで目当ての物も買いそびれるし おのれモノノケ 見つけたら容赦せぬぞ!」ぷんすかっ

千様「あら 珍しくやる気満々」あらまあ。


白「ん? 1日何個とか決まってて 年末限定の奴?」あれ?

テオドール「ひょっとしてこちらのお菓子では」箱ぱかっ

晴明「Σおおお!これはっ」

粋「マジでか なかなか買えないからテオに並んでて貰ったんだよな」

白「1個居るか?」

晴明「Σ良いのか!?」おおおおっ



家康「なんか 瞬時に鎮火しちゃったね」

シロ「せっかくのやる気が」うーん。

座敷童子「いや 燻らせとくと面倒い。
キゲン直って良かったわ」ふっ

千様「苦労してるのねえ」あらまあ。





家康「さて、晴明さんも鎮まった所で
その御札は悪用されちゃいそうなの?」

晴明「んー。なんせパパッと使えるのと言う注文だったのでな
いつもなら知識が無いと使えんが 今回は誰にでも使える物の分 危険か?」もぐもぐ

シロ「んな物誰が何の為に注文してくるのだ?」


晴明「私の元相棒だが。」

家康「Σまさかのうちの軍師でした!!」ひいっ

千様「え?あいつ御札くらい作れるでしょ?」

晴明「作ってる時間が惜しいらしい
政務に携わる者は大変だの」



粋「えー。作る時間惜しいって そもそも何に使うんだよそんなフダ。」

晴明「効果はだな。 フダで囲んだり、使用者の一定の範囲内に入った者は 爪に五寸釘を打たれるがごとき激痛が襲うと言った感じだ。

ゆえに防犯 もしくは拷問か?」うーん。

座敷童子「どちらにしてもえげつない事この上無いな」


一同(年末のクソ忙しい時に変な事する奴多いから!!)察し。

座敷童子(コイツら見る限り後者か。)うむ。




白「とりあえず 泥棒良くないしバカラスにフダ泥棒の件知らせといたから
粋「お。噂をすれば伝書カラス来た」

伝書カラス「かー!」ばささっ

テオドール「さすがバイト中でも調査がお早いですね」おおっ



白「忙しい時にってめちゃめちゃ怒ってるけどな」手紙開きっ

粋「めちゃ文句書いてんのに 兄貴向けに平仮名にしてくれてる所さすがだな」うわー。

千様「また達筆なのがシュールね」あらまあ。


晴明「まあ頑張って回収してくれ
肉体に傷は着かんが精神やられるわあんな物。
一般人に使われたら大事だからのう」わははっ

シロ「こら他人事か 騒ぎの元凶」

晴明「失礼な 私は窃盗の被害者だぞ?」



座敷童子「すまんな。スッ転がされた時に足捻って動きたくないらしい」

粋「Σ歩けないんならそう言えよ!!」

晴明「Σそこまでひ弱ではないぞ失礼な! その気になれば Σあだ」よろっ

家康「はいはいはい 怪我はしゃーない。大人しくしてようねー」

千様「殿が頑固なおじいちゃんの介護慣れてて良かったわねー。」あらあら




白「じゃ 俺らも仕事前にフダの回収行くか
なんか面倒な事になってるぽいし」手紙しまいっ

テオドール「? 何と書いてあったので御座いますか?」

粋「あ、そっか お前日本語読めないんだっけ」



玄関がららっ

茨木童子「こんちゃー あの、ちょっとややこしい事に
白「知ってる。今行く」すたすた。



テオドール「茨木童子さんと言う事は
京 で御座いますかね?」はて。

シロ「バケモノに好かれる都と言えばそうであろうな」うむ。





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【京の都付近 某山】





粋「ええー」うわ。

シロ「これはっ」




酒呑童子「どうもヤマアラシって生き物らしいな。」動物図鑑ぺらり

白「バカラス動物好きなのに 来れなくて残念だな」へー。

粋「Σそこ!?」

テオドール「Σ日本にこんなの生息してるので御座いますか!?」えええっ



茨木童子「この国に元から居たかは置いといて

普通のヤマアラシじゃなく ヤマアラシが長く生きてバケモノになって知能を持ったって奴か。
そんなら他所から移動して来てもおかしくないかな」うーん。

酒呑童子「あー道理でデカいと思った」へー。



粋「これに跳ねられたって
よく刺さらなかったよな晴明の奴。」

テオドール「座敷童子さんの幸運効果に御座いましょうね
刺さってたら命に関わりま
え?町中にこんなのが?」あれ?

白「化け物呼び込みやすい町らしいからな」うん。

粋「いや納得出来ねえよ」






茨木童子「で、どうしよう?

大枝山で木の根っこや何や掘り返して齧るわ 貯蓄してる食い物荒らすわで 追いかけ回したら謎結界張られたんだけど」困惑っ

シロ「鬼の食い物横取りとはいい度胸しとるな」うーん。



酒呑童子「近寄ったら何かグッサグサ刺さるみたいな痛み半端ねえしで どうしたもんか。」うーん。

粋「Σ行ったの!?」えええっ

酒呑童子「そりゃこんな所でほっといたらまた荒らしに来んだろ?」

テオドール「五寸釘グッサグサされて よく平気で御座いますね」えええっ

酒呑童子「いや平気じゃねえよ
つか え?五寸釘?」えええっ




白「植物伸ばしてもダメなのか?」

茨木童子「んー。動かしてる間は俺もダメージ受けるからなあ
近寄ったら何か刺さる感覚有るなら 普通に行くのと変わらないかな。」木の蔦うねうねっ


シロ「ふむ。つまり 痛みに耐えてあやつに近寄り あのフダを剥がすなり破くなりせねばどうにもならんと」

テオドール「五寸釘刺されながら進める方は居ないと思うので御座いますが」



白「言っとくけど 俺は嫌だ」ずばりっ

粋「うん。出来ない事はハッキリ言えるの大事だよ」ああうん


酒呑童子(バケモノの総大将としてのプライドとかはねえんだな。)


シロ「ふっ そうか。
お前でも無理か」

白「ん?」

テオドール「Σはっ シロさんまさかっ」




シロ「ふはははは!!いつもいつも負け続けの俺と思うなっ
これだ!これなら勝てる 見よ我が気力!!
精神力で己を越えてやるわっ!!」くわっ

粋「Σおいやめろ! マジで洒落にねんねえから!」ひいいっ






ぐさり。
シロ「Σぐ。」


粋「あ、何も見えないけど 絶対今すっげえの来た」うっわ。

テオドール「Σ脂汗ド偉い事になっておられますよ!?」あわあわっ



シロ「ふっ な、何のこれしき
心頭滅却何事もならざら
Σぐはあああ!!」

粋「もうやめろ!聞いてるだけで痛い!! 」ひいいっ

テオドール「Σ精神ぶっ壊れます! 一旦引いて対策を考えま
酒呑童子「Σバカお前までなんで入って


テオドール「Σうっぎゃああああ!!!!」
シロ「Σだあああすまーん!!」ひいいっ



茨木童子「色々どうしよう」うわ

白「大惨事だな。」うーん。




さらさらっ。


粋「Σぎゃー!テオが灰に!! やべえ回収出来ねえ!!」ひいいっ

酒呑童子「あそこでうっかり蘇生したら まーた地獄だな」うげ。


白「とりあえずお前戻ってこい
もう無理ってなっても帰り道もグサグサなんだぞ」

シロ「Σ確かに! くっ おのれ面倒な Σおぐううっ!!」


茨木童子「あーもう 見てるだけであちこち痛いっ」体さすりっ




粋「兄貴これマジでどうしよ Σテオこら!まだ起きるな蠢くな!!そのまま灰のまま!!」

白「んー。

なあヤマアラシ 今ならそんな怒らないからこれやめてくれないかな?」

ヤマアラシ「・・・。」ぷいっ

茨木童子「Σあ。命知らずな」




白「いっそまとめて焼いちゃうか」けっ。


酒呑童子「Σ沸点低っ!!」

茨木童子「Σここ燃やされると大江山も巻き添え食うんで火は無しでお願いします!!」ひいいっ



白「冗談だ

えーと。 お前のこれ
操作してない時は別に痛くも何とも無いんだよな?」木の蔓ぐいぐいっ

茨木童子「へ? ああまあ。
ん?ちょい待って 何で引っ張ってる?」

白「長さと強度見てる」ぐいぐい。

茨木童子「へ?」


粋「Σあ、茨木
今すぐ操作無しに! 痛覚遮断遮断っ!」はっ

茨木童子「へ?」






白「ちゃんとやめろって言ったからな。」

ひゅおっ

一同「Σ!!」



ばっちーーん!!!

ヤマアラシ「Σプギイイイッッ!!」悶絶っ





白「よし。フダびっりびりだ」


一同(Σいったあああ!!)見ててゾワッ!




シロ「ビリビリと言うか 散り散りと言うか」うわ


ヤマアラシ「ぷぎーっ! ピギーー!!」じたばたっ

粋「あーうん。今のは痛かったよな」哀れみの目




テオドール「失礼ながら『女王様』というワードが脳裏をよぎりました」ざらざら復活。

シロ「む? 復活遅かったな ダメージが大きかったか
巻き込んですまなんだな」

テオドール「いえ。蔦でばちーんにビビって再度灰になっておりました」

シロ「Σどんだけだ!」

テオドール「Σ頭上でやられるとホンット怖いんで御座いますよあれ!!」





白「よし。じゃきっちり鬼達に謝って来い
やらないならもう1発行くぞ」蔓びんっ

ヤマアラシ「Σ!!」びくううっ




酒呑童子「猛獣使いか?」ええー

茨木童子「猛獣使いだな」うん。




シロ「ああ、成る程
やたら手際が良いと思ったら ヤバい動物を扱うのは慣れておるのだな」ちらっ

粋「へ?」

テオドール(お身内が記憶飛びがちな猛獣だと 手際もよくなられるので御座いますねえ) 成る程。





白「これ使えるな」にやり。

粋「あの、兄上?なんでこっち見ながら言うの?」





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