小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月2日

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【割烹 春一】



お客A「ねー怖いね 3人目だって」ひそひそっ

お客B「あれでしょ?女の子ばっかりって言う」うわー。






シロ「なんだ。あの席の客共 えらく物騒な話をしておるな」芋洗いじゃぶじゃぶっ

ひな「娘さんかどわかし流行ってるみたいですからねえ」

庵「犯人って人間?なのかな」うーん。

朱禅「大抵の場合はな。
化け物に拐われたーっとかって言っても 実際は人攫いとか山賊とかがほとんどなんだよなあ
化け物も理由無く人間なんざ拐わねーっての。」


ひな「ちなみに人買いに安く買い叩かれて更に売り飛ばされそうになってる所を助けられて此処に居るのが私です。」真顔。

シロ「・・成る程。人間とは恐ろしい」うわあ

ひな「そしてそこのモノノケは拐ってくれそうに無いので口説き倒しました」きりっ

庵「その行動力が凄いわ」わおー。


朱禅「Σ人前でやめてくれるかな!?」




庵「じゃあやっぱ人間なのかな
年末だし 年越し前に一稼ぎ的な?」うーん。

シロ「何ともおぞましい話だな」





客A「でね。運良く逃げた子の話だと 相手は毛むくじゃらで猿みたいなので 凄い獣臭かったらしいよー」

客B「Σえ! 怖っ!!」ひいっ





ひな「・・物凄く毛深いおじさん?」えーと。

シロ「何が何でも人間の仕業にしたいのか」


朱禅「あれ?こりゃまずくね?
化け物と人間がドンパチしねえ様にって 妖怪側からは手出しすんなって大将様が言ってるのによ。」

シロ「いやしかし あくまで噂であるしな」



庵「お。 お昼だ
じゃ私今日昼までなんで。お疲れ お先ーっ」すたすたっ

ひな「へ? あ、ちょっと庵さん!?」

シロ「待て待て待て!!まさかお前っ Σうお何処だ!?」きょろっ



朱禅「Σ身支度早っ もう居ねえ!!」

ひな「これは まさか」あらー。


シロ「すまん 俺も昼で上がる」

朱禅「おう 頼んだ。
大事にならなきゃいいんだけどな。」


ひな「あの人 たまに自分も女の子なの忘れますよねえ」ため息。



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彬羽「こりゃ酷いな」怪訝っ

白「何やったらこんななるんだろな」うーん。



庵「殴打。」拳ぐっ!

白・彬羽(メスゴリラが居る。)



シロ「すまん。思ってた数倍心配いらなんだわ」ドン引きっ




庵「だって どっちか解らないなら犯人突き止めてから知らせた方が良いかなーって。

で、前に拐かし有った現場ってのに来てみたら
女の子拉致られかけてるし、やるしかないでしょ。」どやっ


粋「いや 俺らもボンクラじゃねーし
ちゃんと見張り置いといたんだけどな」

庵「へ?」



白「テオ 怖くないから出てきて良いぞ」とーととと。

霧ぶわわわっ


テオドール「すみません。出るタイミング誤りまして」どろんっ

庵「Σ居たの!?」えええっ

テオドール「Σはははいっ!霧になってりゃバレないだろと言われまし「Σいや逃げなくても虐めないから!どんだけ!?」


一同(めちゃめちゃ怖かったんだろな。)うんうん。



粋「つか お前その袖
どんだけ暴れたんだよ」あーあ。

庵「あ、これ?
途中邪魔臭くなって ビリッと」わははっ

粋「Σ逞しい!!」ひいっ

庵「今めっちゃ寒いけどね」北風びゅううっ

シロ「そりゃそうであろうな。」引。




白「で、ボコボコにされてて何か解らないけど 何だろコイツ等」毛むくじゃら突っつき。

彬羽「おそらく『やまこ』 だな
猩々なんかと同一視される事も有る 猿の化け物だ」

庵「へ? 猿が人間の女に何の用があんの?
あ。肉食?」

シロ「さらっと言うな 恐ろしい。」


彬羽「いや コイツらはオスしか居ない種族でな。
種の存続の為に人の女を拐ってきて子を生ますって化け物で どう対処するかと思案してた所だ」

庵「Σうげっ 子供って!!」ひいいっ



やまこ「いえあの、 ワシらの目当ては人の女ですので ゴリラはちょっと Σぐほああ!!」


庵「Σ猿に言われたかないわああ!!」じたばたっ

粋「Σこらトドメ刺すな!話聞かなきゃいけねえんだから!!」

テオドール「どうどうどうどう!」おろおろわたわたっ



シロ「成る程。そういうわけか。
人拐いをやるなと言えばコイツらに滅べと言うも同じ
難しい話だな」うーん。


彬羽「そもそも何で 此処の所急に拐い出したんだ?」

やまこ「今年異常気象だったんで
急に寒くなって 山が雪に埋まる
寒くて外出れないなら可愛い嫁さんと一緒が良いかな?って」げほっ

白「拐って来た嫁と のんびり冬越せると思ってるのか」ずばりっ

やまこ「Σそ、そりゃそうだけど
それ言うなら大将さん!アンタもそうやって生まれたんでねえの!?
ワシ等はダメっておかしくねえ!?」くわっ

シロ「Σ逆ギレするな馬鹿者が!!」


テオドール(そう言えば このご兄弟も母上様が人間だったんでした) チラ見っ



粋「いや。うちの親父はそう言うタイプじゃねえよな?
俺ほとんど覚えて無いけど」

シロ「だな。
出来たら苦労してないと思う」うん。


テオドール「その辺血筋で安心致しました」ほっ



やまこ「Σちょっと 自分等の親だからってそれ狡くない!?」

白「だって 絶対反対されるからって駆け落ちしたの爺も知ってるし」

粋「話聞く限り合意っつか
むしろ母ちゃんのがぐいぐい来てた感じ? なんだよなー」うんうん


庵「化け物と人間の夫婦ってこんなんばっかか。」うわー。



白「ま、その辺はいいや

拐わないで普通に見合いなり何なりして嫁取りしたら良いだろ」

やまこ「えー。それで猿に嫁に来る?」えええっ

彬羽「お前らもその気になりゃ化けるなり何なり出来るだろ

人に化けて馴染んで生活してりゃ 正体化け物でも良いって奴は意外と居る物だぞ」

やまこ「いやいやいや。化けるって それめっさ練習居る奴じゃないっすか」えー。



庵「コイツ腹立つんだけど。」イラッ

シロ「まあな。嫁がおらんなら拐えの思考回路の時点でな」うむ。





やまこ「後、自分等の基本山の生き物なんで
無理して人の町とかちょっとねえ」

白「自分達は 拐って来た女を無理して住まわせるのにか?」

やまこ「いやそこは 伝統と言うか
人にも似たような文化有る所あるでしょ?」




テオドール「有るので御座いますか?」

彬羽「残念ながらな」うむ。

庵「うわ。 治安良い町で良かったー」うげ

シロ「いや あの町は大概世紀末だぞ」




白「そうか」ふむふむ。

やまこ「納得して頂けました?」お?

白「うん。納得した」うんうん。

粋「Σえ。兄貴 何言って
白「だからお前ら拐いでもしないと嫁来ないんだな
モテないはすだ 物凄く納得した。」どずぱっ

やまこ「Σぐはあ!!」ぐさああっ


シロ「Σ容赦無し!!」

テオドール「しかし的確に御座います」おおっ


やまこ「Σうっさいわ!こら拍手すんなメスゴリ Σぐはああ!!」



白「なんでそれで当たり前に思えるんだ
自分が嫌なの相手にさせちゃ駄目だろ
そんなのなら勝手に滅んで良いぞ」ふんっ

やまこ「Σえ。ちょ 見捨てないで!?」えええっ



粋「あーあ。 キゲン損ねた」あちゃー。

シロ「このアホ大将基本ワガママだからな
こうなったら知らんぞ」あーあ。




庵「フォローしなくて良いの 副官殿?」

彬羽「俺も若干見捨てたいが

まあ、1匹の意見を種族の総意と取るのも何だしな」頭かきかきっ




粋「で、誘拐した女達はよ?」

やまこ「えっと 後何人か拐ってから 皆でどの子がいい?的なのしようかと
白「無事なら良いか
やまこの里だな」すたすた。

やまこ「Σえ。ちょっ」

白「嫌ならケンカで俺に勝て」つーん。




テオドール「見事に地雷踏まれましたね」あーあ

やまこ「勝てって 燃やされたら終わりやん」しくしく。





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蒼月「ーーーーって事で
実は人間同士でも結構女の子ゲットするの大変なんだよ?

労せず手に入ると思うな。はい まずこれ肝に銘じろよ」


やまこB「はーい。」

やまこC「先生しつもーん!」挙手っ





家康「何の授業これ?」

テオドール「モテる為の授業だそうに御座います」

家康「・・どこの世界もオスは大変だねえ」うわ


石燕「そもそもこの人の落としテクってあんま参考にならないと思うんすけどね」うーん。









庵「あのー、やまこから助けた女の子がイケメン御姉様とか言って凄い懐いて来て どうしたら良いのこれ」困惑っ

シロ「まあな。
そこらの男より男らしいからな お前は」



白「ファンは大事にしなきゃ駄目だぞ」




やまこ「Σ貴重な女が変な方向へ!」ひいいっ

蒼月「はい。お前のせいー。

つか それはそれで見てて楽しいだろ」

やまこ「Σいやこっちは切実!!」





石燕「メスしか居ない種族とお見合いさせたら平和的に解決出来んじゃないすか?」

彬羽「Σ成る程。

いや待て そんなの居たっけか?」妖怪名簿の山ぱらぱらっ





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