小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月7日

f:id:t00c:20211105111726j:plain





【大通り】


石燕「しっかし 寒がりなのによく外出る気起きたっすねー」

蒼月「寒いよ嫌だよ けどお使い頼んでも皆解らないって言うんだもん
何でだよ 役者業居るのになんで解らないんだよ」ぶちぶちっ

石燕「んなややこしい何買いに来たんすか?」


蒼月「椿油。」真顔

石燕「Σえ。それそんなに種類有るんすか!?」

蒼月「Σ引きこもり絵描きはこれだから!!」


石燕「えーでも 身だしなみ大事な芝居小屋組が解らないなら 結構皆何でも良いんじゃないすか?」

蒼月「良くないよ 油だから基本ベタッとすんだよ
俺はほどよくまとまるのが良いの」むっ

石燕「んな これから無事に春迎えられるか解らない冬眠との戦いになんのに着飾ってどうすんすか」

蒼月「うっさい冬の間マジで外出られないんだよ!!
身なりまでモサッとしてたらメンタルまでやられんだよこっちは!!」必死っ


石燕「あっしは出られないなら出られないで そのどんより感を紙面に表 あ、良いっすねそれ」ふむ。

蒼月「おいやめろ。今以上にドロドロした絵描く気かよ

あーあ。本格的に出られなくなる前に 可愛い子といちゃこらしたいなー」


石燕(期限つきって 継続する気はハナから無いんすね) 軽蔑の眼差しっ

蒼月「何だよ オスとして正常な発言だと思「アンタのはもはや病気っす」きっぱり


蒼月「Σ猫背モヤシのお前に病気とか言われたく無い Σうわっ!?」

どんっ!

ごろごろんっ


石燕「Σうお!ちょ 大丈夫すかっ!?」



女の子「痛い。」涙目うずくまりっ

蒼月「Σうわやばっ!蹴っちゃった!?」ひいいっ

石燕「アンタが女の子と縁とか抜かしながら 曲がり角で蹴っ飛ばすってやり方がっ」引きっ

蒼月「Σ純然たる事故だよ!てか子供だから無理無理っ!!」




お付きの方々「お嬢様あああっ!」たたたっ

蒼月「Σあ。えっと 曲がり角でこっちも見てなくて」おろおろっ

女の子「大丈夫です。 痛いのは病気の方で」けほけほっ

石燕「Σ大丈夫じゃないっしょ!
えっと とりあえずお嬢さんを落ち着ける所に よいしょっ!! ん?あれ?」




お付きの侍女「あの、持ち上がって無いのですが」 困惑っ

石燕「蒼月さんパスっす。」がっくし

蒼月「お前少しは鍛えろよマジで」うわー。

石燕「子供なんでどさまぎで変な所触んじゃないっすよ」

蒼月「Σ少しは信用しろよ!!」よいしょっと。





間。






粋「で、そのちっちゃいお嬢様に懐かれたのお前?」えええっ

蒼月「なんでも生まれてからずーっと病弱で 父様意外の野郎と話したのがまず初らしくてさ。」困惑っ

千様「あらやだ。蒼月君 初恋の王子様?」ぷぷっ

蒼月「Σ笑わないでくれる!?
良心の呵責ヤバいんだから!こんな爛れた王子居ないっての!!」ちゃぶ台ばんっ

シロ「爛れとる自覚はあったのだな」ふむ。



テオドール「あのー この椿油でしたら私持って御座いますよ?
ベタベタ苦手に御座いますので」

蒼月「Σ早く言えよ 遅すぎんだよバカ!」くわっ


石燕「八つ当たりすんじゃないっすよ」ほんとにもー。



白「お前 好かれてそんなに迷惑なのか?」

蒼月「いや嫌じゃ無いよ?むしろ年端も行かない様な子にまで愛されちゃうんだーって 嬉しいよ?
けど、 そのさあ」ごにょごにょ

白「?」



飛天「主治医と話して来たぞー。

何でもあのお嬢様。かなり病が重くていつ発作起きてもーって話らしいや」カルテぱたぱたっ

シロ「Σなんと!」

飛天「いきなり担ぎ込まれて来て焦った焦った。
刺激与えちゃダメだろありゃ
ずっと外出れないとか逃げたくなる気持ちも解るけどなあ」ため息っ


千様「成る程 まず飛天君の診療所に連れてったのねー」

石燕「腕だけは確かっすから」うんうん。

飛天「褒め言葉だな」よしゃっ


粋「お前のメンタル羨ましいわ」うわー




蒼月「コレだよ。

あの子 余命後どんどけ有るか解らないんでしょ
あんだけちっさいのに 俺みたいなのに引っ掛かってそれで人生終わりとか悲惨じゃん?
もっと他のまともな奴にしとけよ神様性格悪ってさあ」拳ぐぐっ

シロ「何故にそこまで自覚有るのに そんななんだお前は」

蒼月「本能に忠実だから。」きっぱり


鏡子「ちょっと見直しかけましたが
やっぱり控え目に言って 最低です。」どろんっ

蒼月「Σ自覚してるだけにキツい!!」ぐはっ




飛天「って事で 無理して走ってて容態かなり悪いらしくてさ
色々察したお付きの人等がお前に見舞い来て欲しいって。」

蒼月「Σえ」ずざざざっ


シロ「Σ女に呼ばれとるのに後退りが凄いっ!」

石燕「Σちょコタツは置いといて 寒っ!!」ぶるっ



蒼月「どどどどどうしよ師匠!!

あんな弱ってるちっさい子に 俺が女ならなんでも良しそっちの御店のツケまみれの爛れた万年発情蛇だってバレたらっ
多感な時期だし下手すりゃトドメになっちゃうよね!?」 オロオロオロオロっ

白「その呼び方久びさだな」へー。

蒼月「Σ人の話聞いてる!?」パニック!



テオドール「師匠?」はて。

粋「えーと バケモノ的には蛇より俺らのが1ランク上の種族らしいんだよ
同じ水の眷属妖怪ならって話だけど。」

石燕「ああ、蛇の下は確か鯉っすよね」手ぽんっ

テオドール「・・日本の妖怪世界は奥が深う御座いますね。」理解不能






白「んーとな。
そうだな 普段散々教えてるし 粋に聞いた方が良いんじゃ無いかな」

蒼月「へ?」

粋「Σえ!?」




千様「え。粋君タラシの奥義とかお兄ちゃんに教わってるの!?」えええっ

粋「Σ教わるかんなもん恥ずかし過ぎんだろ!!」

テオドール「大丈夫に御座います!タラシでもヒモでも信念さえ持って生きていれば差程恥ずかしく御座いませんよ! 多分っ」

粋「Σ根拠のないフォローすんな!無実無実っ!!」ひいいっ




シロ「お前も大概タラシと認識されてる様だな」うむ。

白「・・嫌われてたら役者業困るから別にいい」すたすた。



石燕(とか言いながらムカついて退場っすね)お茶ずずーっ



蒼月「タラシって
コレよりは絶対俺のが上じゃん」えー。

粋「Σだから違うっての!!」




鏡子「確かに そちらでは無いと思います
普通に考えて その事言ってるなら粋さんはもうちょいその ねえ?」

粋「何このフルボッコ


テオドール「おや、では他に何か?」ふむ




飛天「なあ。『いつも』教えてるなら役者業なんじゃ?」勝手に茶菓子ぼりぼりっ

一同「Σあ」


飛天「てかあいつが誰かに物教えるの それしか無いだろ。」きっぱり


シロ「確かにな
どれだけ頼んでも頑なに稽古すらつけてくれんしな」ふむ

千様(それはシロ君死んじゃうからよ。)



蒼月「え?え? 普段から役者業で教えられてるって何?」

粋「えー

あ!ひょっとしてあれか!?」はっ


千様「Σなになに!?」おおっ



粋「『騙すなら最後まできっちり騙し切れ。』だ 多分!」

蒼月「プロ並に演技しろってか」わおー。



石燕「ま、役者目線で見たらそうなるっすよね」うわー

シロ「少なくとも 関わる事を選ぶのならそちらのが良いであろうな」うむ。

テオドール「ボロが出ないとよろしいのですが」心配っ


一同(いや無理だろ)ずーん。




飛天「お通夜の空気だなー」茶ずずー






ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー





蒼月「Σえ!?あれっ

病状ヤバかったんじゃ!?」えええっ


女の子「この前のお医者さんがくれたお薬が凄く効いたんですっ
何でも最先端の稀少なお薬らしくて」しゃきっ




蒼月(Σあんの鳥野郎 騙しやがった!!)

女の子「その それで
この前はありがとうございましたっ」ぺこっ

蒼月「へ?ああうん。いやこっちも余所見してて蹴っちゃったしそのさ

(これ最後って いつまで騙せばい良いのおおおーーっ!?)」












飛天「お前も役者だな」にまにま

白「役者だからな」ふふんっ

飛天「いやー ちょうどお宅の家主から最近の蒼月酷すぎるって相談されててさ
女遊びしなくなる薬とか無いしなあ」

白「これで少しマトモになると良いけどな」






家康「反動で酷くなるに1票。」

石燕「んー。女の子は年齢問わず女性として扱う人っすからねえ

途中で全部暴露して土下座に1票すかね」

挿音「賭けになんねーな」ちっ

テオドール「では 私はなんやかんやで歳の差純愛コース
家康「うーん。それはそれで蒼月だし犯罪になる恐れがね」困惑っ






鏡子(弁護出来ない。)頭かかえっ

小太郎「鏡子 不幸になるからあいつはやめとこうな?」わんっ





>サイトトップに戻る