小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月14日

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【幕府公営診療所】




飛天「っかー!生き返ったーーっ」ぷっはー!

彬羽「診療所で医者がくたばりかけてるってのはどういう事だ」げんなり

飛天「いやまたうっかり里に根こそぎ仕送りしちゃって「計算をしろ計算を。」


飛天「しっかし悪いなー
晩飯の買い出し頼まれてたんだろ?
また買い直しじゃねえの うわ俺しばらく払えないしな」うーん。

彬羽「気にするな 蕎麦粉は安いし野菜はここ庭の花壇になんでか植わってたしな
そもそも倒れる前にあれ食えば良いだろ」


飛天「・・体 緑色とかになってない?」冷や汗どばっ

彬羽「待てこら 庭に何植えてたお前」



飛天「ちょっと品種改良を。
ほら、和製マンドラゴラみたいなの出来たら医学的にも凄い進歩かなーって」

彬羽「Σそれ引っこ抜くだけで死人が出る人参だろが!!」

飛天「いやマンドラゴラその物じゃなくて なんかそういう系統の栄養満点っての出来たらなーって」



彬羽「そうやって変なものばっかり作ってるから金無いんじゃねえのか」

飛天「Σう、ぐうの音も出ない」


彬羽(嫌な予感がして寄ってみて正解だったか)※慣れてるのが悲しいイトコ。

飛天(ボンボン育ちの癖に 見事に所帯染みてるよなコイツ。
助かるけど) ※昔っから後先考えないイトコ。




彬羽「とにかく俺は帰るからな
ちゃんと手前で給料の前借り頼んどけ!」びしっ

飛天「えー。そんなしたら来月里に送る分が「手前がくたばったら出稼ぎの収入途絶えるだろ
そもそも里の頭が野垂れたらまたややこしい事になるだろが!」


飛天「いや 里でややこしい事したのお前
彬羽「昔の話だ!2度とテロなんざ起こさねえから真面目に頭やれ!!」 くわっ


飛天「ホント昔から自分本意だな ったく。
まいっか。また白にでもタカろう」ボソッ

彬羽「(仮にもそれの補佐やってる奴の前で言うか)
毎度見付けられるとは限らねえからな 次倒れてても捨ててく ん?」







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家康「で、家計簿見付けちゃったの?」うわー

蒼月「いやなんで持って来ちゃうんだよ」

彬羽「思わずチラッと見たら 鳥肌立つ程真っ赤でな」ふっ



白「あ。ホントに真っ赤だ
読めないけど気持ち悪いなコレ」うわー

千様「本能でヤバさ感じ取ってるわね」あらまあ

家康「事実は変わらなくてもこの世から消したくなるって奴だよね あるある。」うんうん。

彬羽「お前の不祥事と一緒にするな」きっぱり

家康「Σなぜそれを!!」ぐはっ


シロ「言っとくが お前の軍師は身内にはめちゃめちゃ口軽いぞ」

小太郎「常にストレス限界だから愚痴らないと溢れ出ちゃうらしいぞ」わおんっ

千様「この前 テオ君が灰になってるのも気が付かないで更にエンドレス愚痴ってたわねー」

テオドール「普段笑顔の方なだけに恐ろしゅう御座いました」思い出しぶるっ



白「飛天って ストレス発散出来る薬とか作れたっけ?」真顔。

彬羽「あれば今頃億万長者なんだがな
むしろそれは体動かせって言われるだけだな」

千様「あー。合法じゃ無理よねえ」うんうん。



蒼月「気を付けなよー
これから年末にかけて更にジジイ悪化するから」にやにや。

テオドール「Σあれ以上に御座いますか!?」ひいいざらららっ

シロ「こら 精神弱い物をいたぶるでないわ」

粋「想像で灰になってたら持たねえぞー」



白「精神強くなる薬とかは?」

彬羽「それも作れれば家計簿真っ赤じゃねえだろな」ため息。





家康「てか表紙凄いねえ
『貧乏神よさらば!』ってどんだけ気合い入れた家計簿だろ」うーん。

千様「それで真っ赤なのが涙を誘うわよね」ほろり。


粋「あ!貧乏が嫌なら 幸運で押し飛ばしちまえば!?

ほらほら 晴明の所に座敷童子住み着いてるだろ?あいつにちょっと診療所に住み着いて貰ってさ」


シロ「座敷童子は寂れた静かな家を好むのでは無いのか?」

彬羽「あいつは喧しい上 暇持て余すと人の家に蛇やらカエル投げ込んで注意ひこうとするバカだぞ。」

粋「Σそ、それはほらガキの頃の話だろし「残念ながら今もさほど変わってねえな。」



千様「何? 彬羽君そんなされたの?」えええっ

彬羽「さすがに精巧に出来た玩具だったが 一二三が泣いたので軽くどついといた」遠い目。


白「座敷童子逃げるなこれ。」うん。

シロ「おい、今気が付いたのだが
そういうしょうもない行動パターンお前と同じなのでは「俺は襖開けたらタライ落ちて来る派だ。」


千様「彬羽君 とことんそういう役回りなのね。」憐れみの目。

蒼月「リアクションでかいからねー 気持ちは解る」うんうん。



テオドール「で、家計簿って何に御座いますか?」

粋「Σ知らねえで話入ってたの!?」

テオドール「ニホンゴワッカリマセン」真顔。

家康「テオちゃん違う違う それは日本語本気で通じなくてトラブル起きた時に使う奴ね」

シロ「またいらん事を教えよってからに」むう。



彬羽「家計簿ってのは 生活で入った金と使った金の一覧表
つまり 自分の家の金の状況が一目で解る様まとめた物だ」

テオドール「なる程に御座います
で、赤字というのは?」はて。

家康「えっと予想より多く出たとか 入るのより出るのが多かった欄を解りやすく赤い字で書くんだよ ほら、赤って目立つでしょ?
そしたらそこの改善点とか考えられるからね。」

テオドール「はー 生活の知恵に御座いますね

しかしこれ。 数字らしき物が見当たりませんが?」おや。

一同「Σえ」

テオドール「漢数字なら 十までは読めますが
1つも無いというのはどうなのでしょう?」ページめくりっ



千様「え。ちょっと貸して

Σえ、何これ!よく見たら家計簿じゃなくない!?」えええっ

家康「Σえ? お前家計簿って言ってたよね?」

彬羽「いや 真っ赤=あいつの家計簿と思ったんだが
違うのか?」びっくり。

粋「飛天のイメージ酷えな」うわあ


蒼月「じゃあ何が書いてんのさ?赤1色で」




千様「『これで貴方も貧乏とサヨナラ。 一攫千門外不出財テクの書。』とか何とか」あらま

家康「よくある詐欺本だね」ああうん。

小太郎「どんだけ追い詰められてんだよ飛天の奴」わおんっ



石燕「うわー。飛天さん引っ掛かっちゃったんすか
最近この手の多いんすよねえ」ひょこっ

千様「そうなの?」

石燕「よく版元さんがボヤいてるっすよ
困ってる人狙って、それっぽく書いてるけどまず実現しないし
この手の本自体が高くて結局散財しちゃうんすよねえ」

シロ「む?赤いのはなぜだ
金運の呪いか?」

石燕「いえ ほらそういう風になんか効きそうってなるっしょ?
神社とかでも朱塗りって特別っすからねえ
この手の詐欺本は小細工するんすよ」

小太郎「うっわー。頭の使い方が嫌だなあ」うへえ。



彬羽「そういう事か」頭かかえっ


白「飛天頭良いけど 世間知らずで性格に難ありだもんな」

粋「兄貴に言われるかそれ」うわあ。




千様「さて、どうしましょ?」

家康「いやーここまでエグいとね
いっそ使いやすいよ」うん。






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江戸城



魄哉「はい。という事で 誘惑の多い人間社会に騙されない様 月に一回此方でお勉強しましょう」にっこり。

飛天「Σえええ!でも診療所「天海大僧正として 『幕府公営診療所』の医師への指導です。異論は認めません。」きっぱり



家康「ちなみに月一で呼び出しの日は ちゃんと御昼出るってさ。栄養満点の奴」

彬羽「成る程 抜け目が無いな」ほう。

白「だな。生きてるか確認になるし」 うんうん




魄哉「ま、これでマトモに ちゃんとした品種改良した物が出来れば 幕府としても万万歳ですしね」ボソッ

家康「こら 黒い計算漏れてる漏れてる」



白「人間って怖いな」

彬羽「だな。今回はとことんバケモノで良かったと思うべきか」しみじみ。

蒼月「いやあのジジイ 人間側なだけで一番エグいバケモノだからね?」





飛天「Σあれ?お前ら何で居んの!?
あ、 お前らも詐欺被害遭うなセミナー呼び出し?」

一同「一緒にすんな。」






家康「てかさ。品種改良なら茨木童子に頼めば?」

魄哉「確実に仕上げてくれそうですが 本人以外に扱える代物では無い予感しかしません」きっぱり。


飛天「俺のはせいぜい追っかけてくるくらいだもんなー」わははっ

蒼月「ねえ、他にも色々叩き込んだ方が良くない?この人」一抹の不安っ






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