小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月5日

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【町 大通り】



粋「お。兄貴くじ当たってね?

白「ん?」

粋「おばちゃん当たりー 飴玉1個なー」

テオドール「駄菓子くじに御座いますか こう言うの良いですねえ」へー。


彬羽「お前ら何歳児だ。」


白「家康みたいに博打に大金突っ込んで外すよりは良いと思う」飴もぐもぐ
彬羽「Σあの将軍何やってんだ!!」


テオドール「道理で常にお金が無い方だなあと」納得。

粋「魄哉にバレてまたドヤされんだろなあ
てか なんか変な音しねえ?」




挿音「手前らちょうどいい所に!
その馬止めろ!!」くわっ

テオドール「Σへ!?」

粋「Σ江戸あるある爆走暴れ馬っ!!」ひいいっ



暴れ馬「ぶひひいいいんっ!!!」どどどどどどどっ


白「頑張れバカラス。」

彬羽「やっぱ俺か

まあお前らに任せたら足なり何なり折れちまうか」げんなり。




どどどどどどどどっ


ぐわしっ!

暴れ馬「Σぶるるっ!?」



粋「毎度の事ながらすげー 」うっわー

テオドール「馬 めっちゃ頑張ってますけど 地べた掘れてるだけに御座いますねえ」わお。


暴れ馬「ぶ?ぶるるっ」冷や汗たらりっ



彬羽「その辺にしておけ。
足でも折れたら馬はそのまま衰弱死しかねえんだぞ?」

暴れ馬「Σひひんっ!!」びっくうううっ



白「鎮まった」おお。

粋「ここで『ほら、怖くない』的な静め方じゃねーのがさすがっつか何て言うか」うーん。

テオドール「腕力と恐怖で鎮圧に御座いますねえ」わお。




挿音「おう 悪い悪い助かったわ」

彬羽「また幕府関係か
もう少し警備に力入れとけ」馬の手綱渡しっ

挿音「いや警備居たんどけど全員跳ねられたんだよ

こいつ等が運んできた積み荷がちょっとワケ有りでよ
びっくりしちまったみたいなんだわ」キセルすぱーっ


粋「積み荷?」

テオドール「あ、この大きい箱に御座いますね」


挿音「開けんなよ
西洋の怖え巨大人形入ってっから」


粋「Σぎっやああああ!!」ひいいっ

テオドール「Σアンティーク怖いっ!」灰ざらああっ

彬羽「遅かった様だな。」

白「なんでポンポン開けちゃうかな」うーん。





間。






コマ『つまりは 私のお仲間ですか?』筆談っ

シロ「その様だな
己で考えたり動いたりする機能はなさそうだが?」ほうほう。



蒼月「自立して襲ってくる系じゃ無くて良かったねアンタら。」

粋「ここここ怖かった」心臓ばくばくっ

テオドール「アンティークドール いえ、古い芸術品と言った方が正確ですか
この手のは心臓に悪うございますねえ」まだビクビクっ





白「で、なんでコイツ等江戸城に運び込もうとしてたんだ?」

千様「Σあ、ハロウィン近いから!?」手ぽん。


挿音「違えわ。江戸城何だと思ってんだよ

ちょっとな 親父の昔のツテっつーか
頼まれ事がよ」



家康「そっか 若い頃海外居たって言ってたもんね
しかしおっきいカラクリだねえ
良く出来てるなあ」そーっと突っつき


白「コマが そいつら生きてるからイタズラやめろって」

家康「Σやっぱですかあああ!!」ずざざざ後ずさりっ!


挿音「親父の所に持ち込まれる時点で普通の文化財のわきゃねえだろ。」きっぱり



蒼月「ん、つまりお祓いしろとか?
海外にもエクソシストとか居るんじゃ無いの?」

挿音「いや別に始末しろってんじゃねーんだよ」

シロ「ふむ? と言うと」




魄哉「おやおやこれがお話の

あー確かに経年劣化が。
しかし経歴を見るとよく此処まで持った と言う所でしょうか」ふむふむ

千様「あらいつの間に。」

魄哉「他の子達はちょっともう限界の様ですが この子はいけますね」よしっ


蒼月「? いけるって?」

魄哉「時代と共に廃れる技術も有りますからね
母国にこの子を動かせる人が居ないんですよ」

シロ「ふむ。話が見えん」


魄哉「百聞より一見。
離れないと巻き込みますよ」

かたたん ぐおっ!!



小太郎「Σ人形が立ったああ!」ぎゃいいんっ




粋「へ?へ? やっぱコマみたいな奴?」

白「俺の後ろに隠れるな」むう。

テオドール「いえ違います! 魄哉さんが何かやってます」こそっ


挿音「お前ら 隠れられてねえぞ」

蒼月「なんで自分より小柄な相手の影に行くんだよ「「Σ負けそうに無いから!!」」

蒼月「ハモんな。」


白「そもそも喧嘩しなくて良いと思うぞアレ。」





家康「あれっ
まさかそれ その糸でこんな大きいの動かしてるの!?」おおおっ

魄哉「気がつきました?

糸と言うか特殊ワイヤーですかね。
若い頃少しやったきりなんで うまく出来るか

よいしょっ」


一二三「Σうお 凄いべ!
腕ぶんって!」おおおっ




シロ「大した物だな
これだけの巨体が糸ごときで まるで生きておる様だ。」ほう。

魄哉「生きてはいますよ
魂は有るんです
しかし、 人の手を借りないと動く事が出来ない
この子達はそういう生き物なんですよ」



家康「お前は生き物の定義が広いからねえ」苦笑。

千様「まあ アタシ達も所謂ホムンクルスだしー。
親近感感じてんじゃない?」


彬羽「成る程 魄哉の奴がコマと会話が出来るのもその辺か。」ふむ。



白「え。」※コマと会話できる野生児。

彬羽「お前は他にも色々無茶苦茶だろうが
端から理屈が通じん奴は知らん」きっぱり

家康「理屈の塊がサジ投げちゃったね」あーあ。




魄哉「良し。勘が戻って来ました

一二三ちゃん寄って大丈夫ですよー」

一二三「わーい。

Σうわっ ひょいって。
わー!人形さんの肩凄い高いだ」おおおっ


家康「おおっ良いねえ」


魄哉「殿も乗ります?」

家康「Σさすがに怖いんで良いです!!」びくっ




千様「で、なんでまたわざわざ海外から送り付けられて来たの?
まさか大がかりな人形遊びの為じゃないわよね?」

挿音「あー それなんだがよ

ほれ、ああやって糸繰れるのももう本国にゃ居ねえんだわ
失われた文化って奴でよ。
あの人形みたいな緻密なもんの手入れ出来る奴も直せる奴ももう居ねえんだわ」

シロ「む? つまりは 修繕依頼か?」





魄哉「いえ。僕にも直せません
形を残す事は出来ても 失われた技術の再現は不可能なんです」

蒼月「Σジジイに出来ない事なんて有ったの!?」えええっ


魄哉「君、僕をド●えもんか何かと思ってませんか?」


一同(Σ違うのか。)

魄哉「あの?皆さん?」





家康「あー成る程
さっき他の子はもう動けないとか言ってたもんね」納得。

千様「え?んじゃこのお人形もこんな動かしちゃまずいんじゃないの?」

挿音「だから今の内に動かしてやってんだよ」

千様「Σへ!?」



シロ「成る程 せめて最後に一花と言う所か」ふむ。

小太郎「えええっ! こんな凄いのが壊れちゃうのか!?」ぎゃいんっ


家康「形有る物はいずれはねえ」苦笑。




コマ『パピー。』カタタッ

魄哉「こればかりは仕方ないんですよ
本人達も納得してるんです。
同じ人形として複雑かもしれませんが 理解してやって下さい」



コマ『パピー。』何かを訴えるからくりの真っ直ぐな眼差しっ

魄哉「いえあの 不可能な物は不可能
あのコマ 僕も凄く辛いんでそのあの」えーっと






粋「兄貴 通訳頼む」

白「大した事は言ってないけど コマが駄々捏ねてるぽい?」うーん。


彬羽「駄々って こればっかりはどうにもならねえだろ。」






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魄哉「えーご本人方共とも相談した結果。

パーツの1部を使い 容姿も面影残す方向で 普通にからくり人形としてデビューして頂く事となりました!!」

どーんとお披露目っ


蒼月「何処で使うんだよ 普通要素何処だよ」うっわー。



彬羽「茶汲みカラクリにしてはデカ過ぎないか?」見上げっ

千様「そうねえ 彬羽君が見上げるって事は余裕で2メートル越してるって事だし「今度は物差し扱いか。」


魄哉「いえ お茶汲みどころか屈まないと部屋移動出来ませんし 鴨居や欄間に引っ掛かります」真顔。

蒼月「マジで何でそのままのサイズにしたの?」



魄哉「ほら 前から徳川忍軍が人手不足だって言ってたじゃないですか」


人形から隠し武器じゃきいいんっ!!

家康「Σまさかの殺戮兵器!!」ひいいっ



魄哉「とは言え本人達は平和主義なので 主に江戸城の警備に当たって頂こうかと。」にこにこ。

白「やっぱお前怖い」うん。

千様「こりゃ曲者も裸足で逃げ出すわねえ」ああうん。



人形武器収納ズルルがしゃん!!


白(あ。魄哉が暗器しまう時と動きそっくりだ)おおっ






シロ「色々とツッコミ所は有るが コマも喜んどる様だし
まあ良いか」

コマ「カタカタカタカタっ」
西洋からくり「カタカタカタタタッ!」


テオドール「話弾んでる見たいに御座いますね」うんうん。

粋(ごめん やっぱ怖い。)うわあ






魄哉「まあ そんなしょっちゅう曲者も来ないでしょうし

しばらくは城内でハロウィン人形していて頂きましょうかねえ」のほほーん




千様「やっぱ江戸代ハロウィンやるんじゃない。」ほらほらっ

家康「みたいだねえ」うわあ。


魄哉「息抜きは大事ですよ?」からくりがしゃがしゃっ



挿音「・・当日有給取るか」キセルふーっ。




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