小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月20日

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【某 商家前】



シロ「御免。家主はおられるか? 」


女中「はいはい。あら 可愛いお侍さん」あらあらっ

シロ「届け物に来たのだが」ちょっとムカッ

女中「あーはいはいはい。聞いてますよ
奥にどうぞ」いそいそっ





ーーーーーーーーーーー


【奥の間】



シロ(また偉く趣味の悪い
石燕の絵みたいな柄の屏風だな)ふむ。

家主「いや御待たせして申し訳ない

・・えーーと?」きょろっ


シロ「俺1人では不服か?」ギロッ

家主「Σへ!?いやそのっ 専門家を寄越すと言われて居たので あまりにお若くてそのっ」あたふたっ


シロ(どいつもこいつもガキ扱いしおってからに!!)イラアアッ!

家主(え?え? 天海僧正のツテじゃ?
こんな子供に ええええええ?)困惑っ


シロ「ま、まあ内容が内容で有る事だし
安心せよ。 仮に俺が何ぞとちってくたばろうが 更に手練れの奴が来るのでな
素人からしたら確かに頼りなく感じるかもしれんがそこは
家主「今すぐ手練れの方にチェンジ出来ませんか?」真顔。

シロ「Σたたっ斬るぞ貴様!!」


家主「いやでもやっぱそこは子供を危ない目に合わせるのは大人としてどうかと。」

シロ「Σもっともだがガキではないわ!元服しとる!」

家主「Σえ」

シロ「Σだああ腹立つ! そもそも他の奴等は時間の都合が合わんのだ!!」くわっ

家主(Σ暇な子供寄越された!?)えええっ




家康「はい庭から失礼。
落ち着きなさいって 余計に不安にさせちゃうでしょー」ひょこっ

シロ「Σうお!お前何故此処に」

家康「暇だからね
様子見に来ちゃったよ
あ、特に手出ししないから ホント野次馬ね」へらっ

家主「おお!なんか頼りになりそうなっ」おおおっ


シロ「知らんとは幸せな」ちっ

家康「うん。お前ホント失礼だよねえ」あっはっは。


家主「そうとなれば早速案内致しましょう
ささ 此方です。」いそいそっ

シロ「態度の差が腹立つな」むう。

家康「私一般的には胡散臭いって言われるんだけどねえ 転職しようかな「将軍のセリフか」








女中「あれ? 手練れは都合つかないんじゃ?」こそっ

庭師「あー。アカンかもなあ」あちゃー。





間。






家康「Σぎゃああ何か居るううっ!!」ひいいっ

シロ「Σ当たり前だ馬鹿たれ! 何しに来たと思っておるのだ!!」

家康「え?お使いとしか知らな Σうわこっちき来たああ!!」あたふたっ


シロ「こんのクソたわけがあああっ!!」妖怪ぶった斬りっ!!


家主(Σちっさい方すごっ!)おおおっ



シロ「本っ当に見るだけかお前は!!」

家康「だからそう言ってんじゃない!」

家主(そしてこっち使えねー。)うわあ



シロ「だああ少しでも頼りにして損した!
おい主 説明早くしろ!この用な家どうせ何かあるのだろう!」びしっ

家主「Σう バレバレっ」

シロ「当たり前だ あんなモノノケわけ有りか相当居心地良くないと居着かんわっ」断言っ

家康(オバケ屋敷に住んでる物の意見だねえ)しみじみ。



家主「くっ 大変失礼を。
順をおって説明致しましょう」居ずまい正しっ

シロ「ふむ。ようやく解ったか」


家主「実は我が家はいわゆる『鬼憑き』に御座います
鬼と取引し、その力を借りる事に寄り財を築いた家でして

シロ「馬鹿たれ。」ずばりっ

家主「Σまだ途中なんですけど!!」


シロ「で、思ったより対価がキツいから祓えと言うのか?
なんだ対等な取引であるなら 他が手を出すべきではないでは無いか」呆れっ

家康(若いと適応力凄いよねえ
言ってる事があいつ等と同じだ。)うんうん。


家主「Σいえ鬼ですよ!?」

シロ「喧しわ!! 鬼だろうと何で有ろうと物の分の対価は払え 商人だろうが!」

家主「Σド正論っ!」


シロ「しかし それでは話が合わんな
他に何か隠しておらんか?」疑いの目っ

家主「さすがに他のバケモノとまでやり取りする根性は有りません
でもって、私共も自業自得で幕府最高職に泣きついたり等致しません」

家康「って言うと?」



家主「どうも鬼の奴め。病弱な我が娘に目をつけたらしく 男の使用人が謎の病でぶっ倒れるわ精神やられて逃げ出すわっ

家の中徘徊するだけでもうざったいのに 図々しい事この上無いっ!!」くううっ


家康「あー、なんか妖怪って人間の女の子好きだよね」納得。

シロ「それピンポイントで蒼月ではないか?」


家主「自業自得は解っております!
しかし こんなの約束と違います!!鬼の婿なんぞいらんっ!」くわっ

シロ「いや鬼では無かろう
さっきのも自我も意思も感じられぬ偉く低級な奴であったぞ」

家主「Σえ?」

シロ「つまりだ。お前が鬼と思い 契約を交わしたのはもっと低級な奴等と言う事だ
そりゃ約束なんぞ守らんで有ろうよ」ため息。

家主「Σええええ!?」がーん。


家康「どうすんの?」

シロ「斬るしか有るまい
生き物ぽい形をしておるが そうとも呼べぬ負の塊であるからな
先に約束を破った罰だな」うむ。

家康「Σえ、お前の独断でそんなして大丈夫!?」




シロ「安心せい 責任者の手形が有るわ」手形ぴらっ

家康「いや確かに手形だけど。
これ 手に墨塗ってペタってしたよね?」ええー。

家主(Σ手練れの人 力士!?)



シロ「まあそう言う事で 今回一任されておるのでな

契約した本人 つまりは親玉か
さっき言っていた娘の所に通せ おそらくそこにおるだろ」

家主「Σえ。あの娘は病弱で「ぐだぐだ抜かすと化け物の子を産んでも知らんぞ」


家主「Σこちらに御座います!!」だっ



家康(どうしよう。この子最近白に似てきた?)うっわあ。

シロ「?」


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娘「出ていけ!!」くわっ

家康「Σぎゃーすんませんでしたっ!!」ひいいっ


シロ「既に取り憑かれておる のか?」うーん。

家康「どうだろ 難しい年頃なのかも?」びくびくっ

家主「これ!お客様に何と言う
娘「お前が一番出てけえええ!!」
家主「Σこら 物投げるのやめなさ Σぐはっ!

ほらこの通りすっかり鬼に魅入られておるだろ居る様でしてっ」

家康「単純に凄い嫌われてない?お父さん」うわあ。


シロ「何で有ろうな
バケモノが何処まで関わっておるのやら」うーん。

家康「だねえ
他所の家の事とか 何処まで首つっこんで良いのやら」うーん。



シロ「とりあえず斬って良いか?
さすれば謎が解けると思うのだが。」

娘「Σえ」

家主「Σ良いわけ無いでしょうが!!」

家康「Σやめなさいこの子は!何今日怖いよ!?」ひいいっ


シロ「原因がこの女の中に有るなら斬れば解決するで有ろうが!」

家康「Σ他の問題が有るでしょ! 何 白でももちょいマシだよ! 利発なシロに戻って!!」

シロ「Σ待てこら 俺はあんなアホ以下だと言うのかっ!!」かちーん。


家主「Σケンカせんで下さい!早いとこバケモノ斬って解決して下さいよっ」

娘「バケモノ?」ぴくっ


シロ「ん?」


家康「あ。そっか バケモノに気に入られてるお嬢さんなら解るかもね

えーっとこの家に災いもたらしてるバケモノ退治したいんだけど
私ら見たりとかそう言うの苦手だから 手掛かり無いかなー?って」


娘「一番の魔物はその男です。」指差しっ
家主「Σお前 親に向かって何て事を!!」


娘「いやだって! 私がどんだけオバケが居るって言っても取り合わなかったくせに

私バケモノさんに聞いて知ってんだからね!
お父さんが私の結婚相手勝手に決めた途端 周りでうろちょろしてるバケモノさん達退治しようとしてるの!!」


シロ「ほー。」ジト目。

家康「うわー。お父さん最低」うっわー

家主「Σひ、人の家の事に口出しせんで貰えますか!!」気まずっ



シロ「で、そのバケモノさんとやらとお前は昔から仲が良いのか?」

娘「へ?

いえあのっ そうじゃなくて
怖くて仕方ないんだけど 結構最近お父さんのそう言うの教えて貰って」えっと

シロ「成る程 謎解けたわ」すたすた。

家康「え?シロ?」




シロ「お前がモノノケか。」

どずばっ!!

家主「Σぎゃーーっ!!」

家康「Σちょ クズでも人間斬ったら法的にアウトーーッ!!」娘目隠しっ


ばたーん!


シロ「この者にとっては 富を呼ぶ娘。つまりおそらく富豪とだろう縁談の決まった娘は今まで以上の価値が有る物。

低級な化け物程高価な財宝を好むと言う
つまりは 娘の価値を最高まで上げてから拐う気で有ったのだろうよ
思ったよりは頭の良い奴であったか」ふんっ

家康「Σ納得したけど お前人斬っちゃったらっ」おろおろっ


シロ「斬っとらんわ よく見ろ」

家康「へ? Σあれっ!?」



シロ「我が愛刀は妖刀鬼切だぞ?
物の怪を斬る刀だ
使いこなせば人間は斬らずに取り憑いた者のみたたっ斬る事くらい出来るわ」どやっ

家康「いつの間にそんな芸当を!」おおっ

シロ「今回初だ」キリッ。

家康「Σ失敗したらどうする気だったの!?」



娘「あ、あのー」おそるおそるっ


シロ「知らん。すべて化け物のせいにするなり家を出るなりお前の好きにせい」きっぱり。

家康「うわ。取りつか島もないなあ

えーと。
お嬢さんの人生だし 万一外に出る気が有るならコレ持って江戸城行けば良いよ 住み込みで働けるよー」

娘「Σあのこれ徳川の印籠じゃ!?」ひいいっ

家康「しー 内緒ね」しーっ






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シロ「と、言う事でだ!
見事使いを果たして来たぞ!!」わはははははっ

白「へー。ご苦労様だったな
かりん糖やろ「要らんわ!それより約束だぞ
さっさと手合わせせんかい!!」くわっ



千様「あら。交換条件だったの?」

家康「どうりで気合い入ってると思ったよ」苦笑。

粋「兄貴午前中舞台有ったからなあ
カラスもバイトだったし 相手急ぎぽいから代理頼まねえとダメだったんだよな」

テオドール「私達では代理勤まりませんからねえ」うーん。



白「手合わせか」かりん糖ぼりぼりっ

シロ「うむ!1手相手願うっ!!」わくわくっ


デコピンぴしっ

シロ「Σぐはあ!!」

ぐらっ


ばたーんっ!!



白「うん。 壊しちゃうから続きはもうちょい鍛えてからな。」 しれっ

一同「Σ惨い!!」




コマ『えげつない。 毎度容赦無し』筆談っ

石燕「鍛えてるんだと思うっすよ?
貴重な自立してる助手枠っすし。」



家康「この子も充分強いのにねえ」あーあ。

千様「相手しないのも優しさなんでしょうけどね
頑張って頑丈に育つのよー」よしよしっ



シロ「おのれ化け物がああっ」よれれっくらくらっ





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