小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月4日

f:id:t00c:20210902083501j:plain





大江山





酒呑童子「ーーって事で 新入り共。手前の食い扶持は手前でどうにかしろ
どうしても人間共の所で手に入れなきゃいけねえ物に関しちゃ カラス天狗の里の力仕事、もっとガボッとなら幕府に短期の工夫とかも話つけてやっからよ」

新入り鬼「あのー

人間からなら んな回りくどい真似しなくても襲って手に入れりゃいいんでは?」


酒呑童子「甘えわ。
人間共は非力だが数が多い でもって何するか解らねーぞ。
茨木見てみろ あいつ隻腕にしたの人間だからな?

つーか もうそういう時代じゃねーんだよ
こうして集団になっちまうと、俺らみたいに喧嘩出来る奴は良いが 弱い下っ端が皺寄せでどんな目合うか解ったもんじゃねえだろ?」びしっ

新入り鬼「Σ確かに!」おおっ



粋「へー。あいつちゃんと御山の大将やってんだ」

彬羽「俺が諭したのそのまんまじゃねえか」

白「物凄く納得したんだろ
細かい事気にするな」



茨木童子「ん?ありゃお揃いで」

白「近くまで来たからついでに寄ったぞ」

茨木童子「うわ今度は何シバいて来たんだか

Σあれっ九尾さん 今日は狐じゃないんですか?」がーん。

九尾(人型)「Σ ほ。ほほほっ だーりんの傍らならこっちのが良かろう?」ぎくしゃくっ




粋「狐形態だとマジで口説かれるもんなあ
マトモそうに見えんのに」うーん

テオドール「鬼がどういう種族かよく存じませんが
同じモノノケ妖ですし さほど変態的な趣味では無いのでは?」


酒呑童子「鬼的にもド変態だっての。」ふっ

彬羽「お前もなんだかんだ苦労してるぽいな」




九尾(人型)「なんじゃのう
だーりんがどんだけ押しても のれんに腕おしじゃからか モテてもむしろ引いちゃうんじゃが」うーん。

粋「そりゃ狐の方に執着されりゃあなあ。」




酒呑童子「ちなみに 肉食系のあまりゴツくねえシャープなの
狐の他にイタチとかも好みらしいぞ」遠い目。

白「めちゃ詳しいなお前」

酒呑童子微塵も理解出来ねえのに ダチがあの子可愛くね?とか山のケダモノ指差す奴の気持ち解るかお前?」

粋「Σうわ きっつ」ひいっ



テオドール「あのー ちなみに肉食の方は
茨木童子たんぱく質は魚から」きっぱり

一同(Σ徹底してる!!)



酒呑童子「個人の趣味とかに口出しする気はねえけどよ
こっちが肉食いにくいんだよなあ」ため息。

新入り鬼(Σ口出ししないの!?)えええっ


白「そっか 鬼は個人主義だったな」うんうん。

粋「言った所でどうすんだって話だしな」うーん。




酒呑童子「ちなみにこっちのが種属関係無く今この島国の化け物共のボスな。

軽々しく人間襲うとか言うと知らねーぞお前。」

白「せっかく今上手く行ってるんだから変な事するな。
決まり破れないなら燃やすぞ」きっぱり。

新入り鬼「Σこっちのが鬼っぽい!!」ひいいっ




テオドール「えーと。この国の妖の力関係ですが、
各族長の上に王様が居る感じで合ってるので御座いましょうか?」

彬羽「だな。 種属多数、どこにも属さない奴等も多数 それをまとめて従わせてるクソワガママな暴君が居るって感じだ」



酒呑童子「俺らは従ってねえぞ。譲歩してやってるだけだっつの」けっ

粋(散々どつかれ倒して最近ようやく逆らえねえの察したんだよなあ コイツ。)


彬羽「結局の所 妖怪は理屈より腕っぷしで従わせた方が確実だからな」

テオドール「逆らえば灰も残らず燃やし尽くされかねませんからね」ふむふむ納得。




新入り鬼(こらあかん。)ドン引きっ

酒呑童子「な?
人間にちょっかいかけんなってのはそういう事だ」




白「あの酒呑童子が大人だ」おおっ

酒呑童子「Σあのって何だ!」むかっ

彬羽「去年の年末くらいまでは 頻繁に鬼共引き連れて喧嘩売って来たろうが」

酒呑童子「Σだから最近してねーだろっ!!」



新入り鬼「あの。
結構最近までモメてたんすか?」

茨木童子「んー。結構?
けどまあ 鬼族全体の事考えりゃ意地はって喧嘩すんのもなーって事になってなあ」



白「そういや あの時お前よりキレた茨木童子のが凄かったな」しみじみ。

酒呑童子「俺もまさか身内にたたっ殺されかけると思わなかったわ」けっ

粋「普段穏やかだけど やっぱ鬼だなって再認識したよな」あーうんうん。


九尾(おや? ひょっとして鬼の大将が1番恐ろしいのはだーりんではなく?)あれっ


茨木童子「そりゃ俺は平安時代の時点で 見下してた人間に腕吹っ飛ばされてるもんよ

身に染みて解ってるから 敵に回すべきじゃないってずーーっと言ってんのに
更にこの国の魔王敵に回すとかマジで鬼族滅ぶわ」けっ


テオドール「へー ただの変態ではなかったのに御座いますね」にっこり。

茨木童子「うん。日本じゃあんまそういうの本人に言わない方が良いな」

粋「うんごめん。 そいつちょいちょい普通に口悪いから」



酒呑童子「ぶっちゃけ俺もお前苦手だわ
あんま寄んな」しっしっ

テオドール「虫に御座いますか?
私も貴方嫌いですので痛くも痒くも御座いません」ふんっ


粋「あー 初対面最悪だったのまーた引きずってら」うわあ。




白「何でだっけ?」あれ?

一同(だから酒呑童子がアンタの出自嘲笑ったからだっての。)


彬羽「手前 ホントにその辺どうでも良いんだな」

白「?」

九尾「普通に考えりゃデリケートな問題なんじゃがのー」うーん。




テオドール「しかし私もギスギスは嫌いです。
せっかく友好的な鬼族のキゲンを損ねる様な真似はしたく御座いません

という事で熱燗はいかがですか?」
ぐつぐつぐつ。

酒呑童子「Σ大ボラ吹くのも大概にしろよ海外産 Σうおあぢいいっ!!」




粋「Σ何お前それ気にいってんの!?」ひいいっ

テオドール「我が主への侮辱は私への侮辱っ
一生ねちっこく嫌がらせしてやります!! 」

ばっしゃああっ!


彬羽「Σやめろ馬鹿! ホントに揉めたらどうす

テオドール「妖間での個人の喧嘩は自由!!勝った者が正義に御座いますよね副官殿っ!」びしっ

彬羽「Σぐ!」

九尾「Σこりゃヘタレ相手に言い負けるな!!」



茨木童子「あーやべ
アイツねちっこい奴苦手なんだよな」あーあ。

粋「Σいや助けてやれよ!!」

茨木童子「どうすっかなー。ダチの性癖べらべら喋る奴はなー」けっ

粋「Σ言っとくけどお前元からモロバレだからな!?」

酒呑童子「Σいや誰か助けろ本気で Σあっづあああ!!」ひいいっ





新入り鬼「あのー うちのお頭じわじわ追い詰めてるあの方はいったい」

白「吸血鬼だ。」

新入り鬼「Σ吸血鬼てあんなのなんすか!?」えええっ

九尾「妖怪熱燗小僧とのがしっくり来るのう」




テオドール「あ。なんか これ楽しい」ぞくぞくっ

酒呑童子「Σ!?」びくっ

九尾「おい。なんか目覚めかけとるぞ」



白「テオ お座り。でもって帰ってこい」

テオドール「Σはいっ!」ぴしっと正座っ




酒呑童子「・・助かった」ぜーぜー。

茨木童子「いや大して助かって無くね?」

新入り鬼(何故火傷しないんだろう。)




白「よし。あんまり暴れるな
でもって変な扉開くな
そっち側は俺だけで良いからな?」穏やかな笑みっ

粋「兄上 普段無表情なのにこういう時だけ表情豊かなのやめてマジで。」



白「お前らは黙って虐められてろ」さらり。

テオドール「心得ましたっ」ぴしっ

九尾「はあい。だーりん」しっぽふりふりっ


彬羽「このド腐れ魔王が」イラッ



新入り鬼(あ。こりゃ逆らっちゃダメだ) 凄い納得。








シロ「あやつのが鬼より鬼では無いか」呆っ

石燕「今更っすねー
さすがっつーか なんつーか」にっこにこ。



茨木童子「あれ?お前らも来てたの?」

酒呑童子「Σげ。人間が鬼の領域入ってくんなよ 知らねえぞ!」


石燕「いや、大丈夫っしょ?
万一襲われたら中身与一さんに代わってヘッドショットかますっすし。」

茨木童子「Σぎゃっ!まさかその刀っ」

シロ「ん? Σうおすまん!
そうか鬼切はお前の腕を斬り落とした物だったなっ!!」わたわたっ




新入り鬼「絶対人間にもアンタらにも牙剥きません」真顔。

彬羽「お互いの為にも是非そうしてくれ。」うむ。






>サイトトップに戻る