小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月5日

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どさっ!

家康「Σうわっ 落としちゃった」

蒼月「ちょっと何してんの馬鹿殿 祟られても知らないよー」

家康「Σやめてくれる!? お前が言うと洒落になんないんだよ!」ひいいっ



テオドール「 何で御座いますか コレは?
提灯?」はて。

粋「盆の準備だよ
こいつを縁側とかにぶら下げてな あの世から帰ってくる先祖の霊に家ここだぞーって教えるって言う」

白「そもそも この家先祖とか居ないよな?」

粋「知らないオバケはめちゃ出るけどな」ふっ

テオドール「気分の問題なのですね」なんとなく納得。


千様「こういうのはノリよー
ねえねえ茄子とキュウリの馬と牛って もう作ってて良いのかしらー?」

蒼月「腐ると思うよ」きっぱり。


白「去年その辺の鈴虫にたかられて凄い事になってたよな」

粋「不吉極まりない光景だったよな」うんうん。



テオドール「お盆と言うのはサバトみたいな物で御座いますか?」

彬羽「少なくとも黒魔術じゃねえな。」真顔。



テオドール「そもそも茄子とキュウリは食べ物では」

彬羽「お前らの所でもカボチャくり貫くだろうが」

テオドール「あ、ハロウィンで御座いますね
成る程 オバケがこの世に帰ってくる
成る程成る程。」うんうん。


粋「この辺てやっぱ同じもん?」

千様「似た様な文化なだけじゃない?
時期違うしー」



テオドール「で、仮装等は有るのですか?」わくわくっ

一二三「テオドールさんそのまんま吸血鬼なのに 何に仮装すんだべか?」

テオドール「Σあ」



彬羽「さて、さっさと終わらすか」すたすた。

家康「だねえ。天海が帰ってきたらまだ終わって無いんですか!?て怒られちゃう

あ、挿音 こっちの提灯てどこだったっけ?」



挿音「だよなー。作ってる方としちゃ虫のエサになるより普通に食って貰いてーんだよな
麺棒でぶっ叩いて粗く砕いてよ、めんつゆぶっかけて浅漬けにするだけで結構いけるってのによー」キセルすぱーっ

テオドール「ワイルドに御座いますね。」ほうほう
レシピメモメモっ

白「あ。暑いしそれ食べたいな」

テオドール「あ、では夕飯に出せる様用意して来ま

彬羽「お前ら少しは手伝え。」イラッ






間。





家康「しかしこの時期天海も大変だよねえ
あ、冷えた羊羮美味しい」もぐもぐ休憩中。

蒼月「盆はねー
つかさ 最高僧でしょ?
それも肩書きだけなのに なんで盆忙しいのあのジジイ」

彬羽「最高僧だからこそ忙しいんだろが
人間にゃ式典やら何やら 代表が表に立ってあれやこれやしなきゃならねえ事が多いからな」

蒼月「うわ、面倒だな
あー俺妖怪で良かった」ごろーん。




粋「この時期妖怪も結構大変だけどな」

蒼月「へ?」


白「例えるなら 久々に田舎に帰ってきたヤンキーがハメ外して暴れて事件起こすみたいなのだ。」スイカもぐもぐ。

蒼月「いやそれオバケの事だよね?」 ええー。

彬羽「死人の癖にやたら生きが良い奴居やがるからな」眉間にシワっ



千様「えっと確かー
オバケって化けて出てもほとんどの場合 生前親しかった人には姿も見えないのよね?」

粋「気合い凄い奴ならちょっと見えたりはするらしいけどな
ほとんど居ないって閻魔のおっちゃんが言ってたぞ」スイカの種ぺっ

彬羽「その八つ当たりに全く知らない奴等を脅かす馬鹿が一定数居やがるんだ

そうなると化け物の起こした騒ぎとなってこっちの管轄だ
この時期無駄に忙しくなりやがる」ため息。



白「そういや盆っていつだっけ?」はて。

家康「お前ね 取り締まる側なんだから知ってよう?
後一週間くらいだね」

白「あれ?じゃもう何かやからしてるかもな」ふむ

家康「Σえ」


彬羽「考えても見ろ
生まれ変わり前の亡者がほぼ全員 この世に戻って来るんだぞ
一気に来たら詰まるだろうが。」

家康「Σ詰まるって何に!?」

千様「オバケにも帰省ラッシュとかあるのねー」あらまあ。


粋「聞いてて背筋ゾワゾワしてきた。」きょろっ

白「今のの何処が怖いんだ」むう。



彬羽「面倒な事にならねえ様に言っててやる

盆の間は水場に近寄るなよ
水の底と死後の世界は繋がってるからな」

粋「Σ盆に海行くと足引っ張られるって話それ!?」ひいいっ

家康「Σこの家 庭に深い池有るんですけど!?」ひいいっ

彬羽「後、井戸もだな」

粋「Σ干からびるう!!」ぎゃあああっ



蒼月「いや ビビりのアンタ等以外たいして問題無いじゃん

俺等別に野良幽霊出てきても殴って終わるし」しれっ

粋「Σ逞しいな!」ひいいっ

蒼月「何なら食っても良いけど
年に1度ではしゃいでるだけだろうし やめたげなさいってジジイに言われてるしさー」



家康「よし。盆の間は蒼月に張り付いとこう」ひそひそっ

粋「だな。オバケも裸足で逃げ出しそうだし」うんうんっ

蒼月「オバケ足無いよ」

粋・家康「Σそうでしたあっ!!」がーん。


彬羽(どんな会話だ。)茶ずずー。



千様「オバケって足無いの?」

石燕「そういう風に描いた方が怖いんで 絵書きがこぞって足ボカしで表現してたら定着しちゃっただけっす。」きっぱり。

白「そういや皆足有るよな」うん。



粋「Σ兄貴どこ見ながら話してんの!?」

家康「Σ居るの!?そこ何か居るの!?」ひいいっ

石燕「盆に関係なく居るヒトは居るっすからね

粋「Σよし提灯しまおう! ただでさえここ出るのに!!」

彬羽「落ち着け。 しまったらそれはそれで何処行きゃ良いか解らんでその辺徘徊するぞ」

家康「Σ万事休す!?」


白「提灯置いとけば 魄哉が話し相手してちゃんと帰してくれるからな」

千様「腐っても坊主なのねー」納得。


蒼月「ひょっとして 現世に来ても帰る家無い奴等が来るの?ここ」

石燕「魄哉さんならあり得る話っすね」うんうん。





粋「うわ、少し安心したけど

水かあ。兄貴頼むから盆の間は落ちるの無しにしてくれよ?助けらんねーからな?」冷や汗っ

一二三「そういうのフラグって言うんじゃねえんだか?」

粋「Σ俺の馬鹿ーっ!!」ぎゃあああっ


白「特に行く理由無かったら寄らないぞ
水嫌いだし

あれ? 水の底が繋がってるって 風呂とかどうなるんだ?浅いから問題が無いけど」はて。

彬羽「た、たまに 風呂入ってて足引っ張られる奴も居るらしいが
まあ大丈夫だろ」

粋「Σ思い切り目そらしながら言うな!!」

家康「Σ盆の間風呂入らないーっ!!」ひいいっ


蒼月「うわ汚っ」えー。

家康「だって水全般ダメなんでしょ!?
どうしようも無いでしょ!」




石燕「ま、確かに盆の間は 鏡覗き込んだら知らない人の顔が写ったり、桶の中が真っ赤に染まったり
井戸から手がわっさわさ生えてたり ドブに女の人生えてたり 壁に手形びっしりとか結構カオスっすが

家康「Σ私等せっかく見えないんだから言わないでよ!」

粋「盆怖え!怖えよおおっ!!」ひいいいっ




白「つまり俺はいつも通りだな。」うん。

千様(カナヅチには普通の水のが怖そうね。)ああうん。


蒼月「だらしないな。慣れればどうって事無いのにさー」

彬羽「いや 俺も慣れたら終わりの気はしてる。」





襖すぱんっ!


粋・家康「Σひいっ!」びくっ


千様「あら?テオ君 どしたの?
台所でキュウリと茄子バンバンしてたんじゃ

どしたの?」あら?


テオドール「あ、あの 」ぎくしゃくっ手招きっ



一同「?」







【台所】


彬羽「排水溝からめちゃめちゃ腕生えてやがるな」ふむ。

白「詰まってるよな これ。」あーあ。

石燕「なんで此処から出て来ちゃったんすかねー」あちゃー





千様「大丈夫?」

粋・家康(見えちゃった見えちゃった見えちゃった!!)がくがくぶるぶるっ



挿音「マジか。
俺なんも見えねーわ オバケ詰まりってどうすりゃ良いんだよ」キセルすぱーっ

蒼月「ホント神経太いよね」うわあ。



彬羽「こう言う場合は食塩ぶっかけりゃ縮んで引っ込むから覚えと ん?」

灰っ。

千様「テオ君相当びっくりしたのねー」あらあら。

粋「Σそらビビるだろ!!」
家康「Σてか塩って! そんな荒くて良いの!?
さっきから死者を敬う気持ちゼロだよ!?」


彬羽「そりゃ他人だしな。」真顔。

粋「Σド正論!!」

家康「いやいやだからってナメクジ扱いはっ!」




彬羽「あれよりはマシだろ」


白「引っ込まないと 閻魔のおっちゃんに言い付けるぞ。」

手しゅぱっ!!

石燕「あ。引っ込んだっす!」おおっ





彬羽「あいつに目つけられると 盆に現世に来る権利剥奪されるからな」

挿音「マジか。
そいや 現世のもんなら全部裁く権限持ってんだっけかアイツ」

彬羽「なんなら閻魔に許可取らなくても 一存で消滅させても文句言われねえぞ。
わざわざ恨み買う真似しねえだろがな」

石燕「その辺職権乱用しない人で良かったすねー」しみじみ。




蒼月「ねえ。前から思ってたけど
盆ってひょっとして」

彬羽「霊にとっての夏休みだな」きっぱり。

一二三「彬羽さん達ははしゃいだ生徒取り締まる先生だなー」あははっ

千様「あ、成る程ねー ぴったりだわー」のほほんっ




粋・家康(Σいや笑えねええ!!)がくぶるっ





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