小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月23日

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千様「あら一二三ちゃんセミ取りに行ってたんじゃないの?」

一二三「どこもかしこもセミびっしりで気持ち悪いくらいべやめたべ」むう。

小太郎「今年セミ多いよな。」わおんっ



家康「確かにねー 朝からミンミンシャワシャワ鳴いてて寝てられないねえ」あくびっ

千様「小太郎君もお供お疲れ様」よしよし。

小太郎「散歩のついでだから問題ないぞ 」わんっ



粋「なあなあなあなあ!ちょい見て見てっ!すっげえセミ取れたっ」かごにびっしりウゾウゾガザガサッ

千様「Σうっきゃあああっ!」 鳥肌っ

小太郎「Σお前何歳だよ!落ち着けよ!!」 ぎゃいいんっ





間。





挿音「カゴ作れって言うから一二三のかと思えばよー」

粋「虫取りはいくつになっても楽しいだろ?
男のロマンだろ?」

挿音「俺は虫駆除で足りてるわ」きっぱり。


千様「畑の害虫と 人間社会のあれやこれやのどっちかしら?」

小太郎「両方だと思う」わおんっ

一二三「忍のお仕事大変だべなあ」

挿音「おう。 一二三のが大人なんじゃねえのかコレ」

粋「Σ幼児以下!?」がーん。


家康「んー 嫌なら虫取網一旦置こうか」うん。

小太郎「まだ行く気なのか」うわあ。





更に間。






テオドール「で、これはどの様に調理するのです?」セミびびびびびっ

粋「Σいやいやいやいや食わねえよ!?」

テオドール「あれ?日本では消化出来る物は何でも食べるのでは?」はて。

粋「Σ偏見つか濡れ衣ー!!」



テオドール「いえしかし シャコやら昆布やら普通に考えて 見つけても食べようと思いませんよ?」

粋「Σう」

家康「まあ見た目エグいし 海岸やらに落ちてる物だしね」苦笑

テオドール「その辺は好みの問題として
毒と解っててフグ食べる文化が全く理解できません」真顔。

家康「美味しいからです」きっぱり。




家康「日本人は噂以上にぶっ飛んでおられますねえ」うーん。

白「セミ見てすぐ料理しようと思うお前も大概だぞ」


小太郎「噂以上って。この国そんな評判悪いのか?」

テオドール「悪いと言いますか そのー」チラッ

石燕「ん?

なんであっしっすかー?」寝癖ぼさぼさあくびっ


魄哉「あ、与一さんですね
成る程。」

千様「あら、アンタ朝から何処行ってたの?」

魄哉「気温が爽やかな内にちょっと散歩を
トシとると朝が早いもので。」

小太郎「で、何で日本の評判悪いのが与一なんだ?」

家康「与一ちゃんて確か 揺れる小舟の上の扇を射落としたんでしょ?
そういうの外国受けよさそうだけどなあ」

魄哉「あーいえ。与一さん云々でなく
その時代の武者の話ですかね?」

テオドール「はあ、その辺めちゃめちゃ有名です」苦笑。

白「?

外で嫌がられる様な何があったんだ?」

魄哉「えーとですね
ほらこの島国 海に囲まれてるので基本は多少ヤンチャしても外の国は知り様が有りません

ですが、その外からちょっかいかけてきた事が過去に有りまして」


家康「へー。そんなのあったんだ。」へー。

魄哉「いやアンタは知ってて下さい。元寇です 元寇!!」



一同(何だそれ。)困惑っ


家康「ごめん。それ何だっけ?」

魄哉「Σ頼みますから少しは歴史学んで下さい!!」

家康「いや何か知ってたんだけどね
なんかこう あれー?ド忘れかなあ?」あっはっは。

小太郎「絶体知らないよな」わおんっ

一二三「大人は嘘つきだべ」うん。



魄哉「ったく だから勉強して下さいと
では、 知らない人が大半みたいですし解説しましょう。

元寇とは 元、いわゆるモンゴルが海を渡りこの国に攻めて来た時の事です」

家康「あーそれそれ」手ぽん。

千様(ホントに知ってたのかしら。)うーん


白「ん?ケンカ売られた方なのに 評判悪いのか?」

魄哉「いえ向こう側は元からめちゃめちゃ評判悪いんで今更と言いますか」

テオドール「アジア圏は違う方向でぶっ飛んでますからねえ」うんうん。

千様「ぶっ飛んでるって?」



魄哉「まず 弱小の島国とたかをくくって攻め込まれた様ですが

あの時代の武者ってホント血に飢えたバーサーカーだったんで 逆に血祭りにあげられ
軍勢相手にしたらいかんと 大将1点狙いからの討ち取ったら討ち取ったで 大将の首返せやと目を血走らせ殺意8割増しの血祭り追撃で地獄絵図。
大陸で名を馳せたモンゴル軍も何て蛮族だとドン引きで
千様「しょっぱなから無茶苦茶ね。」うわあ。

小太郎「実際見てきた奴が言うと凄いなあ」うへえ。



魄哉「しかし大陸ではえげつなさで知られたモンゴル軍です。
負けてられないと 討ち取った日本の武者を盾に括りつけ
首1つで躍起になるくらいなら 同胞を傷付ける事は出来まい、
と思った様なんですが」

千様「ですが?」ごくり。

魄哉「盾にするって事は 向こうも仲間を盾にされるの嫌なんだな。と取っ捕まえたモンゴル兵を次々盾に縛り付けて前にずいっと押し出して来る鎌倉武者見て心折れそうになってましたね。」

白「逞しいな 与一の仲間。」うわあ


魄哉「他には 今みたいに暑い時期で
日本の夏と武者のえげつなさに疲弊し船に逃げ込んだら逃げ込んだで
その船に牛や馬の死骸をノリノリで投げ込まれて 病気蔓延するわズタボロメンタルにトドメ刺されるわで
モンゴル軍満身創痍で引いてきましたねえ」遠い目。

家康「うん。子供の頃本で読んで えげつな過ぎて記憶に蓋してた奴だったよ
人間て怖いなあ」しみじみ。




一同(妖怪のがマシなレベル!!) ドン引きっ


粋(Σ汗流してきたら 朝からすっげえ話してる!)頭拭き拭きっ

テオドール「」想像して灰っ




家康「あ、そういや神風って吹いたの?
台風だっけ?」

魄哉「さあ? 吹いてたかもしれませんが 他のインパクトが強すぎて記憶にありませんね
あれ退散したのは鎌倉武士の頭おかしさに心折れたからだと思いますよ?」

小太郎「与一 意外とえげつないんだな」うわあ


石燕(与一)「Σ私は元寇関わっとらんわ!!」どろんっ


千様「あら?」はて。

石燕(与一)「あのな。お前らと違って人間の寿命はせいぜい数十年だぞ
ましてや私は長生き出来んかったし 元寇まで生きとらんわ」

一二三「歴史のお勉強だべな」ふむ。


テオドール「しかし日本の幽霊は凄いですね
確かかなりの昔話と聞いておりますが
それでなお 此処までハッキリくっきり自我を持たれて居るとは」ずぞぞ復活

石燕(与一)「いや私は正確には那須与一直実そのものでは無いからな?
残りカス的な物が石燕に取り憑く事で再構築されたと言うか」


魄哉「めちゃ簡単に言いますと
小麦がオリジナル与一さんで こちらの与一さんは職人石燕さんが焼いたパンです。」

テオドール「Σ成る程!!」おおっ


小太郎「じゃ原材料 那須与一って呼んだ方が良いのか?」えーと。

千様「長くない?」えー。

石燕(与一)「泣くぞ。」


白「人の体でそれはやめとけ」きっぱり。

家康「うん。三十路男が人前で泣くとか石燕ちゃんが拗ねるからね」


魄哉「まあそんなで 確かにあの時代、その前後の日本の武者はぶっ壊れてる人が多かったですが
与一さんは石燕さん成分のせいか かなりマイルドですよ」

テオドール「その事象も大概おかしいと思うのですが」うーん。



小太郎「いや、 お前も大概おかしいからな。」わうっ

テオドール「Σえええ!?」がーん。

家康「普通は家出の流れで自分入りの棺を江戸城に送り付けて来ません」きっぱり。





じじじっ


一同「ん?」





白「セミって 7日しか生きられないってバカラスが言ってたし」カゴ開けっ

家康「残虐行為のショックで 命儚き大切に。になってるねえ」ああうん。





石燕(与一)「案外人間より妖怪のが穏やかなのやもしれぬな」ふっ

小太郎「他人事みたいだな。」

石燕(与一)「もはや私は人間ではないからな。」ふふんっ




粋「お前らも2度と捕まんなよー」
カゴ開け ぶわわわわっ



小太郎「Σまだ居たのか!?」ぎゃいんっ!

千様「Σどんだけ取ってたのおおお!!」ひいいっ







魄哉「実は 庭に離そうと思ってホタル採ってきたんですがねえ
タイミング悪かったですねえ」うーん。

家康「だねえ。そっと離しとこ」






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一二三「一寸の虫にも五分の魂って言うんだぞ」めっ!

挿音「いやそれは知ってるけどよ
世の中には害虫って言葉が有ってよ ほれ野菜ボリボリ食らわれてんだよ 穴だらけなんだよな

おーい保護者 嬢ちゃん何とかしてくれ」




彬羽「すまん。 一二三お前何があった。」困惑っ

一二三「皆は命大事にしなさすぎなんだべ」

彬羽「は?」

一二三「与一さんのお友達が首かえせで馬ポンポンが病気で命大事に?」えーと。

彬羽「Σあいつ等幼児に何教えてんだ!!」

挿音「それで解るお前も凄えわ。」うん。






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