小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月25日

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【京の外れ 夜道】




茨木童子「はー。今日も終わった終わった」すっきり。

酒天童子「なあ、俺ら最近日雇い労働者みたいになってねえか?」憮然っ

茨木童子「日雇いじゃないだろ 継続して頼まれてんだし
そこが終われば それなりの仕事の話くれるし

どちらかと言えば派遣


酒天童子「違えな。そういう話じゃねーな
働き方の分類聞いてんじゃねーよ。」


茨木童子「?
Σあ! その気があるなら徳川で働く? 暴れないって契約書にサインするならいつでもって言われてるし!

密かに妖怪も結構正規で雇われてるみたいでさ!
そうかお前もついにマトモになる決心が」おおおっ

酒天童子「Σだから違えええ!あんの鳥軍師もうちょい警戒しろよ!鬼だぞ?俺ら鬼だぞ!?」




茨木童子「ちなみにコレがその契約書な。」

ゴゴゴゴゴ。

酒天童子「おい。それ万一契約破ったら 存在消えるタイプじゃねーのか」

茨木童子「さあ? どこぞの陰陽師の特製とか言ってたけど
てか 誓約書じゃなくて契約書なんだな」


酒天童子(なんだかんだで あんま信用はされてねーな俺ら
Σあ!いやいや それで良いんだけど!!)はっ


茨木童子「お前もさ ひたすら飲んだくれてる毎日も飽きるだろ?
ほれ今頼まれてる畑仕事も 俺らにゃさほど苦痛じゃねーんだし そろそろマトモに社会復帰をだなー」


酒天童子「仮に俺が酒飲まなくなったら 改名しなきゃなんねーだろ?」すごく面倒。

茨木童子「Σゴネてる理由そこ!?」

酒天童子「あと、普通に鬼としてプライドがそのー なあ?」

茨木童子「Σ言いきらない時点でプライド見失ってるだろ!!」



酒天童子「うっせえな
俺は人間と馴れ合う気はねーんだよ

第一 俺の故郷に殴り込みかけて壊滅させたの人間だぞ?」

茨木童子「Σえ。何だそれ初耳」

酒天童子「話してねーもん。
けど有名な話だしお前も耳にした事有るんじゃねーか」

茨木童子(Σえ。この流れでどんな惨劇!?)



酒天童子「お前 鬼ヶ島って知ってる?」真顔。

茨木童子「マジか。」察し。


酒天童子「て、事で人間も猿も鳥も犬も桃も好かねえ。
以上だ」ふんっ

茨木童子「デリケートな問題に何だけど
伝承通りなら人間関係無いんじゃそれ」



酒天童子「・・・・・・・Σあっ」


茨木童子(恨むとしたら桃と犬猿キジだよな)うん。




酒天童子「・・えーっと 今更軌道修正とか出来ねえし
とにかく人間とは馴れ合わねえ!何となく!!」びしっ

茨木童子「あーはいはい
もう説得する気無くしたわ

もういいよ脳筋に公務員だの城勤めだの向くわけな


ん?」


酒天童子「ん?

何だ でかい土蜘蛛か?あいつ何でも食うからなー 寄らねえ方が良いぞ」

茨木童子「いや 出来たら寄りたく無いけど


なんか捕まってるような」


テオドール(Σ日本の妖怪怖あああっ!!)じたばっ



酒天童子「ほっときゃ良くね?
土蜘蛛も飯食わなきゃ生きてけねーしよ」

茨木童子「んー ここって人間は入るなって言われてる場所だしなあ
ほっといても何も問題ねーんだろけど

暗くて良く見えないけど アレ、外国の奴じゃね?」提灯照らしっ

酒天童子「は?何でそんなの此処に居るんだよ」

茨木童子「いや何かさ
ほら あの白い大将の弟が言ってたんだけどさ
たまに視察?ての しに外国の偉い化け物が来たりするんだってよ」

酒天童子「ふーん。
じゃあの食われかけてるのがもしそうだとしたら?」


茨木童子「戦?」

酒天童子「Σいきなり大事!!」ひいいっ

茨木童子「酔い覚めたろ うわどうしよう」冷や汗っ


酒天童子「いやどうするも何も 土蜘蛛だぞ!?
餌に対する執着はヒグマ並だろ確か!」

茨木童子「日本の奴なら見捨てるってのも何だけど 国際問題はヤバイよな

一度捕まったら逃げるのほぼほぼ不可能だし
つか、生きてるかなアレ? 外国の奴じゃなきゃ良いんだけど」困惑っ



テオドール(どどどどどうしようっ!
この場合どう助けを求めたらっ)あわあわっ

※コミュ障吸血鬼。




酒天童子「いっそ見なかった事にすっか?」えーと。

茨木童子「んー。まあチリも残さず食いつくしてくれたら証拠も残らない って俺ら酷い事言ってね?」

酒天童子「人間に毒され過ぎだろ 弱肉強食が妖怪だろがよ」

茨木童子「そうなんだけど うーん。

よく見えないし 最悪の場合解らなかったで誤魔化すか?」むう。



テオドール(Σだああまずい!行っちゃう!!)


がさっ


茨木・酒天童子「ん?」


テオドール「Bitte helfen Sie dort!
Nicht aufgeben!!」必死っ


酒天童子「Σ外人だ!!」

茨木童子「Σやべ! マジで外国のVIPだこれ!!」ひいいっ


テオドール(よし!よく頑張った私!!
よく知らない人に話しかけた 偉いぞ私っ!!)ぐぐっ


酒天童子「Σやべえ ちょっと泣いてるぞ!!俺ら怒られんじゃねえか!?」提灯照らしっ

茨木童子「落ち着け下っぱ根性滲み出てる

土蜘蛛は自分の餌に執着する
という事はだ」

酒天童子「どうするんだ?」




茨木童子「そーら こっちのが肉付き良いぞっ!!」

酒天童子「Σぐはっ!鬼か手前 Σぎゃー!!」


土蜘蛛がさがさがさがさっ

テオドール「Σ1本背負い!!」ひいいっ

茨木童子「あれ?日本語いける感じ?

言葉通じて良かったー。 ささ、今の内に逃げて逃げて」

テオドール「いえあの お連れ様は」どぎまぎっ



茨木童子「大丈夫。俺らあんなのより 総大将のが怖いから」真顔。

テオドール「Σあの方そんな怖いんですか!?」

茨木童子「おう。 怒らせたら灰にな

Σうお!灰になった!!」ひいいっ






ーーーーーーーーーー






魄哉「どうやら 致命傷を避ける為に命の危険を感じると灰になってしまう癖がついている様ですね」ふむ。

家康「タヌキがビックリすると死んだみたいに倒れるみたいなもんだね」ほうほう。




テオドール「お騒がせしまして。」照れっ


茨木童子「Σああああ焦ったあああ!!!」ひいいっ

酒天童子「Σ俺のが焦ったわ!! ちょっと齧られただろーが!!」蜘蛛の噛み跡だらけっ




白「そもそもお前帰ったんじゃ無かったのか?」

テオドール「それがせっかくだから 帰る前にチラッと都を見て帰ろうとしたら 穴ぼこにズボッとハマりまして
そこが大きな蜘蛛が巣の様でして」苦笑。



千様「ドジっ子吸血鬼?」

蒼月「色々とどんくさいね」うん。



彬羽「手前 西洋の化け物のNo.2じゃなかったのか?」

テオドール「我が主には 見ていて退屈しないと言われております」どやっ。



魄哉(ハムスター飼ってる感覚ですかね。)ふむ。




茨木童子「あれ?本気でヤバイと灰になるんなら 俺ら無理して助けなくても良かったんじゃ?」

粋「いや灰から復活したらまた襲われるだろうし
2人共マジでお疲れ。」

酒天童子「Σヘラヘラすんな!慣れ合わねえぞ!!」くわっ

白「助かったし 酒いるか?」大吟醸

酒天童子「Σう」




テオドール「この国は物騒なのかフランクなのかどちらですか?」おずおず

シロ「両方だな。 こら話しかけといて距離を取るな失礼な。」




挿音「おいあんま土間行くなよ
そっちニンニク干して



ぼふっ

蒼月「Σニンニクって聞いただけで灰!?」

白「視察は良いけど こいつ国に帰れるのかな」うーん。


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