小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月12日

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【幕府公営診療所】



入り口がららっ

白「急患だぞ。」

魄哉「すみません。会合をズル休み出来そうな毒処方して貰えませんか?」どんより。


飛天「色々言いたい事は有るけど 医者に坊主の格好で来るな。」

常連の婆さん「なんじゃ坊さん 坊さんなのに悩み事かい」

常連の爺さん「ズル休みなんて大袈裟に腹痛いてやっときゃえーじゃろ
ワシ等がそれ言ったら 即座にここに担ぎ込まれるがなー」だっはっは

魄哉「あー、今の時期なら食中毒で行けますかねえ?」うーん。

常連の婆さん「なんじゃ情けない
男なら一言ビシッと行きたくねえ!って言ってやんな」

魄哉「えーと。それが仕事上その」うーん。

常連の爺さん「トメさん。男にはそれが面倒なんじゃよ。」うんうん。



白「光の速さで馴染んだな。」うん。

飛天「精神年齢近いからじゃ?
で、なんでお前付き?」

白「煮詰まってるから付き添い欲しいって言われて」

飛天「その流れでお前に付き添い頼む辺り 煮詰まってる所じゃ無いな」うん。




常連の婆さん「あーよう見たらアンタ外人かい?
日本の暮らしに慣れて無いのかねえ?」

常連の爺さん「タクアン食えるか?タクアン。
日本の心じゃぞー」


白「先月くらいにこの流れ見たような」あれ?

飛天「その辺気にしたら負けだ。

えーと。 じゃ精神弱ってるみたいだから あっちの部屋で愚痴効きしよっか」

魄哉「へ? あのこちらの人達も順番御待ちでは?」



常連の爺さん「いやめっちゃ健康。」

常連の婆さん「診療所はジジババの為に有るもんじゃ」どやっ。

白「いつも茶菓子有るしな此処。」

常連の爺さん「バレたかー。」あちゃー

常連の婆さん「つーか アンタさっきひょっとして
坊さんの袈裟と大袈裟かけたかい?」

常連の爺さん「今かーい。」だっはっは。



魄哉「えーと。キャラの濃い人達ですね」困惑。

飛天「はいはい。奥で話しようなー」すたすた。





間。





飛天「で、トリカブトカエンタケキョウチクトウ どれが良い?」

魄哉「Σすみません! それ命にかかわる奴です!!」 ひいいっ



白「ん?仮病に使う奴の話じゃないのか?」

飛天「いやー 仕事ってのは政務なんだろ?
それサボりたいとなれば こっちのが

魄哉「相手暗殺してどうすんですか。」

飛天「いやお前これくらいじゃないと効かなさそう」
魄哉「Σズル休みの為に毒飲めと!!」ひいいっ



白「それ医者が言って良いのか?」

飛天「えー。だって相談内容から真面目に考えるとこうなるだろ?」

魄哉「あの、もうちょいソフトなの有りませんか?」ひきつり笑いっ


飛天「そもそも何でサボりたいんだよ
お前天海サマだろ?

容赦無く言うけど 国のトップがサボりとかやっちゃダメだろ」

魄哉「いえそれが
あー説明要りますよね そりゃ」

白「なんか今回 家康も一緒らしいぞ
影武者じゃない方」

飛天「Σは!?なんで!」



魄哉「豊臣の皆さん 結構最近の殿の顔知ってるもので。」

飛天「うっわー そりゃサボりたくもなる。」納得。



白「前からちょくちょく家康目当てでケンカ売って来てたのもソイツらだよな?」

魄哉「まあ 刺客に吐かせた所で知りません ソイツが豊臣語ってますって言われたら何も言えませんがね」

飛天「幕府つか その家康のはからいで一族郎党根絶やしにならなくて済んでるのにな」ふーん。

魄哉「それでも恨みは恨みなんでしょうねえ

そんなだからどう転んでもややこしくなりそうなので出たく無いんですよ」ふかーいため息

白「ややこしい?」はて。



魄哉「普通に毒くらい盛って来そうですし、それを怪しめば怪しんだでキレて騒ぎそうですし

最悪の場合いちゃもんからの 誇りを傷付けられたとかで 用意してた残党辺りが一斉決起とかそんなですかね」ふっ

飛天「いや後半。計画的過ぎて無理が有る有る」

魄哉「そこを押しきるのが豊臣です」きっぱり。


白「人間の世界ってめんどいな」うーん。

魄哉「なので瀕死になれば さすがにお流れになるかと思ったんですけど

冷静に考えたら瀕死になるのかなり嫌ですねえ」

飛天「その発想が怖いっての。
成る程なあ
トメさん並にスパッと嫌と言ったら その場で戦になるなそれ」ふむ。

魄哉「吐き出したらナンボかマシになったかもしれません
いやーすみません。 煮詰まってまして あ、胃薬貰えます?」

飛天「うん あんまマシになってないな

胃薬代わりにコレ持ってけ」

鉢植えどすっ



白「?」葉っぱ突っつき。

魄哉「何ですか この鉢植え」はて。



飛天「マンドラゴラ。

もうコレ豊臣に送り付けちゃ「Σ呪的暗殺!?
あ コラ!!白君つんつんしないっ!!」ひいいで






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豊臣の重臣「ーーと言う事なれど
我々と一族の安全を保証して頂き誠に感謝し申す」

家康「そこは 此方も好んで戦をした訳ではなく
あくまで、あくまで 乱世を終わらせる為にやむ無くと言うーー (いや 殺気ビンビンで言われてもねえ。)」

豊臣の家臣「いや亡き我等が殿も 今の世を見れば納得頂ける事でしょう
おや。どうなされました? 顔色が」

家康「あー 雨続きで体調が少し

天海も大丈夫かなあ?」ちらっ

魄哉「申し訳ございません

少し暑さにやられたようで
お話の途中ですが お茶を失礼致します」



豊臣の重臣(いよっしゃあああ!!!)


豊臣の家臣(行ける!天海が不調の今日こそ行ける!!
コイツらに運ばれる膳には既に手の者が毒を塗ったくっておる!
我等は山育ちで貝類が食えぬと申しておるのでこちらに置かれる事はないっ
多少怪しかろうがゴリ押しで食中毒で片付けたるわっ!!)



魄哉「Σがはっ!!」

豊臣ズ「Σえ 早あっ!?」びくううっっ



家康「Σえ。ちょっと天海!?

え!何コレ うっそ脈が乱れてるっ」わたわたっ


豊臣の家臣「Σえ ちょ 嘘っ!
だってまだ茶しか

うおおおホントに脈があああっ!!」大混乱っ!

豊臣の家臣「Σえ。ちょ 反応無くなった
え?なんで!? まだ いやあのっ

えええええ!?」




家康「大変だー!天海が毒盛られたぞー」外に向かって棒読みっ

豊臣ズ「Σいや茶は違う!!」ひいいっ


挿音「『茶は』違う?」

徳川忍軍総包囲っ

豊臣コンビ「」





白「お前らチョウセンアサガオって知ってるか?」ひょこっ

豊臣の重臣「へ、 アサガオ?」スマキぐーるぐるっ




家康「そそ。人を仮死状態にする毒草だよ。」


魄哉「うーらーめしーやー。」むくっ

豊臣コンビ「Σぎゃーー!!」


挿音「つー事で
さっきの録ったか?」

白「ばっちりだ。」魔道具言霊っ


徳川の家臣「Σと、録ったとは!?」



白「えっと こうだっけな。」ぽちっ



ガガッピー。

『え。早っ! 』
『大変だー!天海が毒を』『茶は違う!!』

ガガガッ



白「こういうの状況証拠って言うんだよな?」

豊臣の家臣「・・・ですね。」がくり。

豊臣の重臣「いや、そもそもその道具何だそれ
怪しさしか無「気にするな お前の声だろもっかい聞くか?」「すんませんでした。」





家康「よしゃ上手くいった

先に毒飲んじゃうとかやるねえ」あっはっは

魄哉「くたばりゃそれ以上飲まされる事も無いですし
そもそもそこらの毒が僕に効くのか解りませんがね。」口元ふきふきっ



白「だから普通の何倍も飲んだんだよな?」

魄哉「いやー なかなかお茶に溶けなくて焦りましたねえ」

家康「Σあのそれ普通に毒飲んだのと大差無くない!?」ひいいっ


魄哉「・・・おや?」あれっ

白「薬は医者の管轄って事で 飛天の計画そのまんまだしな
アサガオの量以外」うん。

家康「Σ用法用量守ってお願いだから!!」ひいいっ


魄哉「そう言えば副作用の意識混濁もありませんねえ?」おや

白「効いてなくて脈止まるくらい不味かったんじゃないのか?」

魄哉「僕の身体いい加減過ぎません?」えー。







挿音「ほれとっとと歩け 引きずんぞこら」

豊臣コンビ「あんな化け物に勝てるかああ!!」どちくしょおおおっ






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