小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月22日

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【割烹 春一】



シロ「急なシフト変更というから何かと思えば」むう。

ひな「すみませんねえ 色々サポートが必要だと思いまして」




白「何番がざる蕎麦だっけ?」あれ?

彬羽「頼むから 大人しく最初の茶だけ配ってろ」

お客わっきゃわきゃ


シロ(忘れがちだが、本当に人気の有る役者なのだな)ふむ。



粋「いや悪い悪い
ほら燃えた芝居小屋 怒涛の建て直し完了して明日から再開でさー。
宣伝兼ねて何かやれって言われてたもんでさ」

朱禅「ウチ的には客が来るなら何でもオッケー」きっぱり



庵「店長 彬羽センパイが胃を痛めてまーす」挙手っ

彬羽「誰がフォローすると思ってんだ」胃キリキリキリキリッ

粋「いや今日俺居るし そんな気張らなくても
彬羽「尚更信用できるか!!」くわっ

粋「Σひっでええええ!!」


シロ「パシリ、マネージャーとしては有能の様だがな」うーん。

ひな「白さん自体が破壊神ですからねえ
いかに被害を抑えてこっちの宣伝効果を獲るかがポイントですね。」ふむ


粋「いや被害って せいぜい皿割るくらいじゃね?」

ひな「それも大概チリも積もればなんですが」

庵「いやでもさ。
ほら、器用ではあるから お盆同時持ちで凄い量一回で運んでるし 握力あるからそうそう落とさないでしょ」

朱禅「おい。大量の食器に死亡フラグがよ」

粋「えー大丈夫だろ。
兄貴小回り利くし
ほら、本業だって 見栄張って高下駄はいてあんだけ動き回って
Σぶふぉ!! 」


朱禅「Σ高下駄飛んできた!!」ひいいっ

ひな「両手塞がってるのに 凄いコントロール」あらまあ。

シロ「そもそも本日も見栄張っておったのか。」うわあ。


客達拍手ぱちぱちぱちー!


彬羽「Σおい 客層もおかしくないか!?」

ひな「白さんのファンの皆さんって時点で。
まあ、物騒なんでしょうねえ」うんうん


粋「いってー。 さほどちっさくねえんだから気にしなきゃ良いのによ。」頭さすりっ

庵「いや単に弟のがでかいのがムカついてんだと思う」きっぱり。



朱禅「被害がお前だけなら良いか
このまんま1日平和に終わると良いなー」あっはっは。


がららっ


派手な奥様「あら。遅れちゃったわ」しゃなりっ

シロ「Σ見るからに平和じゃなさそうのが!!」ひいいっ


派手な奥様「? あら 庶民派の店ねー
私に言えば高級料亭手配してあげたのに」

白「それで人集まらないだろ」

派手な奥様「集める必要無いでしょ 私一人に奉仕なさい」どやっ



彬羽「おい。なんだあのドギツイおばはんは」ドン引きっ

粋「オバハンてお前。
アレが今回芝居小屋の再建費用寄付 つか高速で建て直ししてくれた兄貴の馴染み客だよ
失礼な事すんなよ?」

ひな「あー。色々納得です」ふむ


庵「大丈夫大丈夫。こっちはバイトとは言え接客慣れてんだから
失礼とかする方がムズいって

いらっしゃいませ お冷やはいかがで



派手な奥様「は?何このブス。引っ込みなさいよ」 はあ?
庵「はあ?ほざけ厚化粧。香キツすぎ下品なんだよ成金が」けっ

シロ「Σ舌の根も乾かぬ内に!!」ひいいっ


白「庵 ハウス。」ぽいっ

彬羽「Σどわっ 人を投げるな!!」

ひな「アレだけお盆持っててよくバランスも崩さずに」おおっ



庵「だって香って焚きすて匂いプンプンは下品で臭い 動いた時にほんのり薫るくらいが良いって父上がああっ!」きいいっ

シロ「いらん所でお嬢育ちが出ておるな」うーん。

ひな「つまり単純にブス呼ばわりムカついたんですね。」うん。




派手な奥様「はあ。化粧濃くないわよね?
何あの店員ハラ立つわー
桔梗ちゃんに会いに来たのに出張ってくる方が悪いんじゃないっ」ムカムカっ

白「化粧?目が悪いから解らな「じゃ今度一緒に舶来物の眼鏡買いに行きましょう」キリッ



シロ「視力荒野の原住民クラスのが何か抜かしておるぞ」

朱禅「役者ってのは 上手く嘘ついてナンボって前に言ってたもんなー」

彬羽「上客だがその分態度でかいって奴か
他の客も引いてやがるな。」困惑

粋「だよ。 俺もあのおばちゃんはどう接したら良いのか解んね」


ひな「あのー さっきから思ってたんですけど」

シロ「ん?」

ひな「誰一人注文しないなら このイベント此処でやる必要有りませんよね?」

朱禅「直訳すると 他所でやりやがれ気分悪い とよ。」

庵「Σひな!どうどうどうどう!!」ひいいっ


シロ「確かに俺らやる事無いしな。」うむ。

彬羽「料理運ばせるにしても あいつ普通に店内で迷えるしな。」うーん。


粋「やべえ。最初の茶出しで客が満足しちまったらそら終わりだよ」あちゃー。




派手な奥様「ねえねえ。特にやる事ないみたいだし 予約しておいたお座敷行かない?
貧乏臭いの嫌いなのよねえ。」扇ぱたぱたっ



シロ「更にアレで他の客がドン引きしてしまっておるしな」むう。

粋「上客じゃなきゃおととい来やがれなんだけどなあ」困惑。

彬羽「むしろあの面倒なの嫌いなバカがよく耐えてやがるな」


庵「殺っていい?」

ひな「駄目です 包丁離しましょ?やるなら私にやらせて下さ「Σこっちが耐えられそうにない!!」ひいいっ




白「そっか。 貧乏臭いか」ふむ。

一同(Σさすがにキレちゃう!?)はっ




白「そっかそっか。こういうのやるからには見習い前からの古ーい親友の店でと思ったんだけど
そうか。 俺の芸風作ったこの店は一般受けしないボロで汚いか 」ふう。

派手な奥様「この店のイチオシひとつ頂戴」きりっ。

女の子A「あ、じゃ私も。」おずおずっ

女の子B「あ!じゃ私もオススメひとつっ」はいはいっ

我も我もっ


ひな「はーい!毎度です!」おおおっ



朱禅「俺、お前の兄ちゃんの親友だったっけ?」

粋「Σや、役者は上手く嘘ついてナンボだから。」

シロ「あのアホ こういう事には頭回るな」



庵「Σあ。 向こうに見えない様に親指グってしてる」

一同「Σやっぱ大概ムカついてた!!」





シロ「しかし 相手も確かにワガママだが
騙して媚売り商売するのと言うのも何と言うか」うーん。

白「だから 怒らないで済ましたろ?
ムカつかれてる事も知らなきゃ誰も傷つかないし」すたすた。

彬羽「それは確かにそうだがな。」

白「なら 最初から最後まで騙しきれば良い。
そもそも俺が人のフリしてる時点で嘘なんだしな。」どやっ

ひな「つまり、これでもかってくらい天職なんですね。」うわあ



朱禅「なあ、こいつ蒼月よりよっぽど嘘つきじゃね?」

シロ「幻術使い以上とは恐ろしいな」むう。



白「なんだ皆して

じゃ、

実は今もこの店ちょくちょく来てるから 出くわしたらよろしくな」

お客の皆様「Σ!!!」おおおおっ


朱禅「Σぎゃー!ごめんごめん!
やべえ濃いメンツが入り浸るっ!」ひいいっ

粋「Σ兄貴やめろ店員が持たねえ!!」





ひな「あ。白さんがお気に入りの品一覧とか作っときます? これは売上期待できますよー?」わくわくっ

シロ「Σ逞しい!」






家康「やほー。こんち Σうおっ!何コレ!」びくっ


白「らっしゃい。注文何だ」


家康「状況全く解らないけど 此処お前のマニアックな大奥?」

一同(違いない) うん。






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