小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月13日

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石燕「あのー。誰か毛現化現の筆知らないっすか?」

千様「えー 見てないわよー?」

家康「同じく。
何処か置き忘れたの?」


石燕「いやそれが、アレ1点ものっすからねえ
大事に洗って陰干ししてたんすが 干してた所に無くって
小太郎さんが咥えてっちゃったんすかねえ」うーん。

家康「小太郎そんな馬鹿犬じゃないと思うけどなあ
探すの私も手伝おか」よいしょっと。

千様「そうねー。早く見つけないと、描いた物が具現化するとか悪用されたら困るわよねー」てくてく。





蒼月「ふー。危ない危ない」袖から毛有化現の筆っ

シロ「Σお前か!!」

蒼月「だってあのモヤシ 正面から貸してって言っても貸してくんないんだもん」しれっ



粋「お前なあ。人に貸りた物ダメにしたり汚したりするからだろ
この前も寒いからって兄貴から羽織勝手に着てって即汚したって話だしよー」

蒼月「その点は値段聞いて寿命縮んだから許してよ
てか本人がもういいやって言ってんだし、ちゃんと踏んづけられたし 外野が口出すなよ」ふんっ

シロ「何故に即座に物をダメに出来るのか不思議でならんがな。」

粋「Σつか践まれたの!?」




蒼月「細かい事気にしなーい
さて、早速試し書きしてみよー」わくわくっ


粋・シロ(言っても無駄だしさっさと満足してやってくれ。)ため息。


白「で、何描くんだ?」ひょこっ

蒼月「そりゃー男のロマンでしょ」きらーん。




一同(女か。)うわあ。

蒼月「Σオスとして極めて普通の事じゃないの!?」

シロ「お前のは度を越えとるのだ。」生ゴミ見る目っ


蒼月「えー皆が草食過ぎるんだよ
草食系とか流行りらしいけどさー やっぱ男ならガツガツ行こうよそこは。」ははんっ

粋「お前が酷すぎて マジでこうはなりたくねえと思うんだよ」


蒼月「アンタ普通にモテないだけじゃん。
人のせいにすんなよ バーカ」ふんっ



白「お前も意外とモテるよな。
芝居小屋の売店とか掃除のおばちゃん達に。」

粋「兄上 ダイレクトにトドメ刺すのやめて下さい。」真顔。

蒼月「やたらと年上に可愛がられる人って居るよね
アンタ年上好きなんだし良いんじゃないの?

さーて。頑張って描くか」腕まくりっ

粋「Σ年上にも限度が有「うっさい集中出来ないから黙れよ 食うよ?」



シロ「やめとけ 口喧嘩では勝てんぞ」

粋「だああああ!!」イッラアアア

白「煩い。ほっといた方が絶対面白いから静かにしてろ」しーっ

粋「へ? それどういう?」

白「良いから良いから」しーっ

粋・シロ「?」






間。






魄哉「あー。今日も疲れましたねえ

あれ?皆居ないんですかー?」襖がらっ





白「な? 蒼月 絵ド下手クソなんだ。」



蒼月「Σだあああ!何コレ怖い!しかも無駄にフランクー!」ひいいっ

動く絵べたべた絡み付きっ



魄哉「・・・・」

すすー


ぱたん。



蒼月「Σこらジジイ見なかった事にすんな!助けろよ!!」

魄哉「いえお邪魔そうなので」襖の陰っ

蒼月「んなワケあるか!」

家康「あれ?天海どったの?

居間に何か有 Σお化けえええ!!!!」ぎゃああっ

蒼月「Σそれはそれで反応ムカつくー!!」




白「ちなみに 生き物の形してなくても動くみたいだぞ
ほら 字でもこんな風にな。」

習字ぴょこぴょこっ

粋「コレはこれで何て言うか」うーん。

シロ「そうか お前は字が酷いのだったな。」

白「独創的って奴だ」どやっ

粋「Σあ。すげ 字なのに寝たっ」おおっ

白「これで出てきた絵は 描いた奴の性格に似るって石燕が言ってたもんな。」うん

シロ「ん?と いう事は」はっ





蒼月「ぐえええ絞まるううううっ」ぐはっ

魄哉「Σちょ 蒼月君!? 君の彼女情熱的過ぎやしませんか!?」ひいいっ

家康「Σどこまで本気なの!? どうみても彼女さんじゃないでしょ!!」


シロ「Σまずい! 蛇の性質モロに出とる!!」ひいいっ



千様「何事かと思ったら

筆持ってったの蒼月君だったのねー
てか この彼女見る限り自分は奔放なのにヤキモチ焼って所かしら?」あらまあ。

蒼月「Σいやいやいや冷静に分析して無いで助けてよ! 折れる折れる絞まるううう!!」

千様「ちょっと絞められた方が良いわねー 頑張ってね。」

蒼月「Σ見捨てられた!!」がーん。




魄哉「てか蒼月君の内面が出てるなら 普通に剥がせなく無いですか?
蛇の絞め上げってとんでもない力ですよ?」

家康「あ、さすがに冗談だったんだね」ほっ

魄哉「蒼月君の懐の毛有化現の筆が見えましたんで。」

シロ「それを確認せねば解らんのか」うわあ。

魄哉「この子女性は人型ならオールオッケーて言うんですもん。」

粋「人の型 かコレ?」うーん。



千様「あら?なんかちょっとヤバく無い?」


蒼月「ちょ ホントに絞まるこれっ」けほっ

家康「あ。こりゃ助けた方が良いね」


魄哉「絵とはいえ女性を引きちぎる様な真似はしたくないんですが」うーん。

シロ「いや、あれを女扱い出来るお前も大概おかしいぞ。」



白「じゃ、作品同士で。
いけ 俺の習字」びしっ

謎の文字しゅぱっ


粋「Σそれ使役出来んの!?」

千様「本体が適当だから 産み出した文字も何でも有りなのねー」



ーーーーーーーーーーーー





石燕「何事っすか これ。」うわあ。





居間ごっちゃごちゃ。


シロ「激しい戦いであったな。」遠い目。

粋「なんで文字が火吹くんだよ」焦げっ

白「途中から言う事聞かないし」むう。

魄哉「そりゃ君の分身ならそうでしょうねえ」苦笑

家康「」屍。



石燕「ん?ひょっとしてあっしの筆ここにあったんすか?」

千様「Σへ? そ、そうねえっ」目そらしっ

石燕「なんで声裏返ってんすか?」





蒼月「ごめん。俺の分身が絞め折っちゃった」けほっ

毛有化現の筆真っ二つ。

石燕「Σ絞め折るってどんな状況っすか!?」ひいいっ


白「今回は俺の分身も悪いし ちゃんと毛有化現に頼んで作り直して貰うから ごめんな。」

石燕「そりゃ良いんすが
なんか後ろで茶菓子食ってるアレ何すか?」

白「俺の書いた字。」

石燕「すんません。字だとは微塵も思わなかったっす。」



粋「字って物食うんだなあ」

魄哉「おそらく僕らが書いても 物食べる文字は生まれないでしょうねえ」うーん。




シロ「蒼月の恐ろしい落書きはバラバラになったが あの文字はどうするのだ?
あのまま置いておけば勝手に消えるのか?」

石燕「アレは持ち主の分身みたいな物なんで 1日くらいで勝手に紙に戻るっすよ
つーか、それ以外にどうしようも無いっす
基本絵なんでダメージも受けないっすし。」

粋「へー。じゃ絵と字で喧嘩させたの正解だったのか。」ふむふむ




石燕「ん? どっちにしてもノーダメのはずっすよ?

なんせ神経も痛覚も何も無いんで 破っても勝手に再生するっすし。」

蒼月「え」




シロ「Σうお!バラバラになった蒼月の絵の欠片が蠢いておる!!」びくっ

蒼月「え?え? 1日!?丸1日逃げないとダメなの!?」ひいいっ

石燕「その辺書いてる時の気合いにも寄るっすからねえ 最悪三日くらいは「Σやっば 俺詰んだ!!」




家康「どうするの?」

魄哉「んー。石燕さん 新しい筆が完成したら檻の絵1枚お願いして良いですか? 頑丈なの」

石燕「よっしゃ 承りましたっす!
いやー。筆ボロくなって来てたんで 結果オーライっすねえ」あっはっは。







シロ「毎度人の物を勝手に使うからだぞ。
反省しろ。反省を」

蒼月「するから早く助けぐえええ」ぎりぎり締め上げられっ




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