小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月3日

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江戸城



女中A「Σえっ 誰あれっ」びくっ

女中B「Σ何!?めちゃめちゃ堂々と歩いてるけど警備呼ぶべき!?」

女中C「Σてかあっち天守閣!! 天海様が危ないいいっ!!」ひいいっ






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江戸城天守閣 (天海坊執務室)】



魄哉「アンタ何やってんですか。」

安倍晴明「Σ喧しい!!ここ3日米の供給が絶たれておるぞ」ぜーぜー。

魄哉「Σあ 忘れてた」はっ


女中A「ご無事ですか!?おのれ狼藉者。さては物の怪の類かっ」薙刀構えっ

晴明「ちっ。追い付いて来たか しつこい」

女中B「天海様今のうちにお早くっ! 他の警備の人達なんかおかしくなっちゃいましたっ」わたわた涙目っ



魄哉「すみません。今日イトコが来るって言い忘れてました。」

女中トリオ「Σまさかの御親戚!?」



晴明「無理がないか?」扇ぱたぱたっ

家康「うん。ついでに私もあいつの親戚って事になってるんだよねえ。」

晴明「再度言う。無理がないか?」


女中C「あれ? じゃあ皆バタバタ倒れたのは」



家康「晴明さん?」こそっ

晴明「斬りかかられてはかなわんのでな。」お札破りっ



女中B「Σあ。皆我に返った!?」


魄哉「あー。春ですからねえ
桜のイタズラで一種の集団幻覚でも見たのかもしれませんねえ」

女中C「Σそんなのあるんですか!?」えええっ




晴明「また無茶苦茶言っておるな」

家康「嘘かホントか微妙な線で誤魔化すのあいつの得意技だからねー」うん。



女中A「これは失礼致しましたっ
城内の異変と相まってとんだ勘違いと御無礼をっ」土下座っ


晴明「いや構わん
今回のは全てこのピー助が悪い」ふふんっ

女中A「ピー?」

晴明「アダ名じゃアダ名

なあによく見知った親戚なのでな ヒヨコみたいな頭しおってと昔よくからかったものだ」しれっ



家康「どうどう。」

魄哉「この性悪狐っ」数珠握りしめっ



晴明「と、いう事で こちらは何も咎める気はない。
が、急ぎ真面目な話をするので席を外して貰えるかの?
せっかちな我が従兄弟が気を急いて 数珠を引きちぎりそうだ」チラ見。


女中トリオ「Σはいっ!失礼致しますっ!!」


襖ぱたんっ






晴明「そりゃ飢餓状態なら気も立つわ。」ふんっ

魄哉「だからごめんなさいって!!
解りました解りましたー!ご飯用意すりゃ良いんでしょうが!!」

家康「Σ天海落ち着いて!お前が台所占拠したら厨房のおばちゃんがびっくりしちゃう!!」ひいいっ






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ちりーん。




家康「ん?マヨイガ?」


白「あれ?晴明 封印解かれたのか?」ひょこっ

晴明「私は封じられていたわけでは無いぞ?」満腹満足っ

白「へ?」

粋「兄貴、絶対コイツが悪さしてあの空間に閉じ込められてたとか思ってたろ」

白「違ったっけ?」あれ?




晴明「自分の意思であそこで人世を護る結界張っていると言ったはずだがな。」食後のお茶ずずー。

家康「この子の脳ミソ茶碗蒸しだからねえ」苦笑。



晴明「しかしだ
多少遅れる事はあっても 食料が底を付くまで放置されたのは初だぞ
その辺だけはキッチリ供給すると言う約束で有ろうが」

魄哉「Σう。その店点は誠に申し訳無いです」


家康「まあまあまあまあ。 最近大変だったんだよ
今度から私も一緒に気を付けるから許したげて」

晴明「なんだ?忙しかったとは 政務か?」



白「いや花見で二日酔い もがっ」

粋「兄貴しーっ!しーーーっ!!!」



晴明「仕舞いにゃグーで殴るぞお前。」

魄哉「Σしゃーないでしょう! 立場上付き合いってもんが有るんです!!」


晴明「あのな。こちらは生物である以上食料尽きたら生命線絶たれるのだぞ
お前なら仕事の予定表にでも書き込めば忘れんだろうが」むすーっ

魄哉「いえそれが 忘れない様日めくりに書き込んでは居たんですが」




粋「Σあ。前に蒼月が手伝いに来た時 急な冷え込みで癇癪起こして日めくり破られまくられたんだっけ!」手ぽん。

晴明「あの子蛇は 心に闇でも抱えとるのか」

家康「早く冬過ぎろ暖かい春よ来い。って切望の現れ みたいなんだよねえ」


魄哉「という事で申し訳無いです。
今後は二重三重にチェックするようにします。」

晴明「うむ。そうしてくれ
まだ干からびたくは無いのでな」うむ。

白「ん?食べる時だけ出てくれば良いんじゃないのか?」

粋「あ。確かに
江戸城って 賄いあるしメニューも選べるし 厨房横に食べる場所有るしそれでいんじゃね?」


晴明「狩衣に烏帽子のいかにもな陰陽師が食堂来たらビビられんか?」

粋「Σう。ちょっとビビるかも」

家康「そもそもその狩衣も平安デザインだから ほぼコスプレなんだよねえ」うーん。


晴明「最近の奴等は何でもかんでもすぐに捨てるのでなあ」ふーやれやれ

白「つまり平安時代からそれ着てるのか。布強いな」ふむ。



晴明「まあ、どちらにせよ出るのも中々大変なのでな
食事毎に等出てこれぬよ」

粋「へ?そなの?」

晴明「魔封じ結界の中で鬼門開く様なものぞ?
私が妖狐の子で有る以上 凄まじい気合いと根性と体力が要るわ」ため息。



魄哉「相当な飢餓状態だったんですね」 冷や汗っ

晴明「次の供給時に稲荷寿司付きで勘弁してやろう」ふふんっ


一同(Σやっぱ狐だ!!)




粋「ん?待てよ
アンタの仕事は 主に江戸城への幽霊やら何やらの被害を軽減させる結界貼りだろ?
それってアンタが此処に居る間は?」

晴明「案ずるな そこは丸1日程度なら式神で事足りる」ふふんっ

家康「へー。さすが」ほうほうっ




白「ん?じゃあ 1日戻らなくても大丈夫なのか?」

晴明「ん?」



粋「よし! 前に中退屈って言ってたし 外の世界に遊びに行こう」ひゃっほう

晴明「Σえ」

白「差し入れの瓦版ばっかじゃつまらないだろ。」

晴明「Σえ。いや しかしっ」




挿音「その兄弟が言い出したら何言っても無理だぞー
大人しく案内されて来いや」天井からぶらんっ

晴明「居たのかお主。

いやしかしだな。 私のはこの時代の衣服でも無いのでは
白「芝居小屋に町人服の衣装有ったよな?」

粋「あるある。絶対似合わねーけどな」わははっ



家康「あー。ノリッノリだねえ」

晴明「Σおいピー助 助け「いってらっしゃいませ。」にっこり。


晴明「おのれ覚えていろ!!」引きずられずーるずる。



ぱたん。

ちりーん。


挿音「マヨイガ使われたらもう逃げらんねーな」キセルふー。

家康「何か嫌そうに見えたけど
あの人って外の事知りたがってたんじゃ無かったっけ?」はて。


魄哉「あー。根っからのガリ勉だからでしょうね」

家康「ん?」


魄哉「あの人昔から日光ダメなんですよ 眩し過ぎたり肌ヒリヒリしたり。
だから結界内に引きこもってんですよねー」


挿音「狐つか バンパイアって奴じゃね?それ」

家康「それ解ってて笑顔で送り出すお前も怖いよ」

魄哉「大丈夫です。
回復の早さもバンパイア並ですから。」きっぱり。

挿音「なあそれ、やっぱバンパイアじゃねえの?」





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晴明「そういえばお前達
何か天海に用事が有ったのではないのか?」日よけほっかむり。

粋「Σあ!やべっ忘れてた!」



白 「飛天特性の二日酔いの薬届けるの頼まれてたんだった。」うっかり

晴明「まーだ呑む気か あんの生臭坊主め。」





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