魄哉「若い子は難しい物ですねえ。」お茶ずずー。
蒼月「え？何？ いきなりどうしたの？」
魄哉「いえね。江戸城の女中さんにちょっと縁切り頼まれまして
千様「アンタ仮にも天海サマよね？」
魄哉「江戸城は お仕事時間以外は皆平等。がモットーです。」 真顔。
シロ「良き心掛けと思うが 実践しとるのお前とその女中らくらいだろうな」うむ。
家康「あー。女の子っておまじない好きだからねえ」苦笑。
魄哉「元々 まじないって『呪い』と書いてマジナイと読む物なので可愛げ有るもんじゃないんですがね」
一二三「Σえ。いたいのいたいのとんでけー とか呪いなんだか！？」ガーン！
白「バカラス 頭に呪いかけられたのか」
彬羽「呪いだったしても他人に痛み移すとかそんなだろ
俺はノーダメージだ。」しれっ
千様「てかまた どっかに頭ぶつけたのね。」
彬羽「すまん。土間の梁が少し欠けた。」
魄哉「君の馬鹿力で欠けるくらいなら御の字です。」
挿音(壊される前に 家中の天井高く作り替えるか？)うーん。
白「あれ？またでかくなったか？」
彬羽「ん？そうか。
２メートル近くなった辺りで計るのやめたからな」うーん。
シロ「お前はタケノコか何かか」
挿音「お前 ケンカ売ってね？」キセルすぱー。
彬羽「Σなぜに！？」
家康「大工仕事担当大変だねえ」あははっ
魄哉「忍なんで高いところの作業とか丸投げそてますからねえ」
蒼月「で、さっき言ってた縁切りってさ
難しいって何？
その縁切りたい子が何股かかけてドロドロ一触即発とかそんなの？」
魄哉「それ いくら何でも上司に話さないと思いますよ」
粋「上司関係無く人に話せねーわ そんなの。」
蒼月「えー。というと他に何か有る？」はて。
家康「お前 ホント色関係しか思い付かないんだねえ」うわあ。
魄哉「んー。相談された側ですし あまりベラベラ喋るのもどうかと」
白「聞いて欲しそうに1人言いっててそれはどうかと思う」
魄哉「Σう お、思わず漏れちゃっただけなんですがっ」
千様「はいはい。解ったからさっさと吐いちゃいなさいよー
誰もその子の事知らないんだしいいでしょっ ほらほらっ」
家康・挿音・蒼月(Σ多分知ってるけど！？)
魄哉「そうですか？ それなら」
実は女中軍団の中にも派閥が有りましてー
その派閥の中でも 女性ってのは一見仲良くみえていても腹の探り合いと言いますか
水面下での戦いと申しますか。そういうのが 絶えず行われており
味方のフリしていわゆるディスりやら何やらで人を蔑み自分を大きく見せるようなタイプも
あの、なんで皆逃げるんですか」
白「聞いてごめん。疲れるからやっぱ無し」
魄哉「Σ真っ直ぐ目を見て拒否するレベルですか！？」
家康「むしろ土下座してやめてくださいのレベルです。」うん。
千様「女が集まるとめんどいのよねー」うんうん。
粋「姉ちゃん そういう点ではマトモだったんだな」うーん。
シロ「そらこやつは女に好かれん女だしな」
千様「何よ。女友達なら居るわよ 地獄ちゃん呼んで来るわよ？」むっ
彬羽「違う意味でヤバいな。」うん。
家康「で、どうすんの？」
魄哉「どうするも何も 縁切りは可能ですが
それだけややこしい物だと反動がヤバイんでやめましょうね？とお話しときました。」
一同(Σ可能なのかよ！！)
蒼月「何でも有りだよね このジジイ」
白「反動？」はて。
魄哉「えっとですね
縁と言うのは不思議な物でして
袖すり合うも多生の縁と言うように 有るべくして繋がっているのが縁でして。」
白「誰が繋げたんだそれ？」
魄哉「いえそれは僕も知りませんが
とにかくそういう物なんでフワッと捉えて貰えれば」
白「縁結びならムスビノカミかな？」えーと。
彬羽「アレ1人で人間全員の縁設定してるとか有り得ないだろ」
白「だよな。そんな沢山誰が決めてるんだろ」うーん。
家康「神様の眷族居るとこの手の説明大変だねえ」
魄哉「この世の理で誤魔化せ無さないのがキッツイですね」うん。
粋「特殊なもん意外は生まれつきなんじゃねえの？
ほら小指の赤い糸とか言うし」
蒼月「アンタはアンタでなんでそんなメルヘンなの？」
粋「Σえ」
千様「蒼月君は自力で赤い糸巻きまくってそうね」
魄哉「よし。そんな感じにしときましょう
はい。て、事で多分生まれつきそんな感じなんですきっと 多分
僕もそこまで知らないんで納得してください」
白「うん。解った怖い怖い。」
魄哉「で、そのように縁てのが生まれつきだと仮定します
そして、それを僕みたいなのがぷっつり切るのも可能だとします。
しかし人為的に歪められた運命ってのは、人為的に修復しようとする傾向に有るんです」
千様「？ どう言う事？」
魄哉「つまり、僕が頼まれたまま、その縁を切ったとしましょう。
そうすれば 対象とは縁が無くなる。つまり関わる事は無くなりますが
今度は空いたその場所に『同じ様な悪縁』が繋がってしまう と言うのがお決まりのパターンなんです。」
千様「Σげ。別の嫌なのと縁出来ちゃうの？」
魄哉「みたいなんですよねえ
これについては晴明さんとも散々談義したんですがねえ」うーん。
家康「人の手でどうにかしちゃいけない領域って事かな？」
魄哉「お主の場合羽だがな。とか言われましたけどね。」けっ
蒼月「それ言うなら晴明だって前足じゃん。」
彬羽「良し。この話はここまでにしとけ。」
千様「ふーん。つまり縁切りってあんま意味ないのねー」
魄哉「次に繋がる悪縁がナンボかマシなら良いんですがねえ」
シロ「流れ的に更にエグいのしか来なさそうだな。」うむ。
白「えーと。」ふむ。
粋「あの兄貴？ 理解できないなら無理しない方が」
白「じゃあ神様より偉い神様になれば運命書き換え放題なんだな。」
彬羽「理屈はそうだろが。お前どこを目指す気だ」
シロ「お前は妖怪王で満足出来んのか」むう。
蒼月「ありったけの夢かき集めて海に出そうな勢いだね」うん。
白「水嫌いだから出ないぞ」きっぱり。
魄哉「という事で ちょきんと切っちゃうと問題が有るので じわじわ疎遠になってくおまじないを伝授しておきました。」
家康「あ、それはオッケーなんだね」
魄哉「ものは考え様ですよ」
千様「この世って複雑なんだか適当なんだかわっかんないわねー。」
魄哉「あ、そうそう簡単なおまじないでも多用すると 積もり積もって思わぬ反動来るんで程々にしましょうね？」
一二三「へ？ Σあ！まさか彬羽さんがやたら頭ゴッスゴスぶつけんのはっ」はっ
挿音「お前 幼児にどんだけ痛いの痛いの飛んでけされてんだよ。」引。
彬羽「Σう」
白「あれ？成長期終わらないのが反動じゃないのか？」
シロ「俺からすれば このメンツの玩具になっとるのが何よりの呪いだな。」うむ。
彬羽「おい、その悪縁を遠ざけるまじないってのは
魄哉「だから極力やらない方が良いんですってば。」ほんとにもー
