小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月18日

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【芝居小屋(本日臨時休業)】



粋「Σうお猿!? どしたのコイツ」

皐月「コイツのせいで今日臨時休業なってん。
近所の食べもん屋とか屋台とか荒しっとてなー
万一乱入してきたらお客さん危ないやろ?」

粋「あーそういう

まだ小猿みたいだし 迷子にでもなったかなあ」じーっ

檻の中の小猿「ききっ。」

粋「お、寄って来た
お前人懐っこいな」おおっ

つつじ「こら情移らしたらあかん
山に戻すにしろ何にしろ どっちにしてもお別れやで?
お猿なんぞ飼えへんやろ?」

粋「Σう、そりゃそうだけど

ちょっと待てよ 何にしろって何だよ」

皐月「んーそりゃ私らで勝手にどうとか出来ひんもん
周りの人等偉い困ったし そこはお上に任せるしかないやろ?」

粋「Σえ!ちょそれって下手したらっ」

小猿「ききっ!」

粋「Σうお袖掴んできた!
ほら察してるんだよ可哀想だろ!
見なかった事に出来ねえ?」

つつじ「うわ秒で場うつしよった。 あーもう、だから言うとんどすえ」頭痛。

皐月「あのな察してる言うか読んでるっぽいんや。その猿。」

粋「へ?」


つつじ「サトリ 言う奴やろな。」

粋「Σそんなのホントに居んの!?」ひいいっ

皐月 「いやアンタもホントに居るの?ってめでたいバケモンやろ」




皐月「実際近所の人等がどんだけ追いかけても追い込みかけても 見事に回避しよったかなあ」

つつじ「ま、読んだ所で 逃げ切れんかったら意味あらへんけんどなあ。」

皐月「神速の猿捕獲劇やったわ」うん。


粋「相手が悪かったなあ お前」あちゃー

小猿もといサトリ「ききっ」



つつじ「ちゅー事で 小猿として上に出すか、それとも妖怪としてお宅のお兄はんに突き出すか
どっちにするかやなあ」

皐月「人間の被害出てるからにははっちゃん等徳川やろけど
妖怪が暴れたなるとやっぱ白の方やろか?」うーん。


つつじ「んー。とりあえず久々にかっ飛ばして疲れたわ

一服してから考えやよかー」すたすた。

皐月「そやな。お茶菓子お茶菓子ー!」わーい。







粋(ヤバイヤバイヤバイヤバイ!
魄哉なら良いけど兄貴に突き出されたらっ
人間との摩擦を避ける為に迷惑かけちゃダメって あんだけけあれやこれやしてんのに!!

このチビだってどうなるかっ)冷や汗どぱあっ

サトリ「Σききっ!?」ひいいっ


粋「Σあ、ごめん
お前考え読めるんだよな 」はっ

サトリ「きー。」ぷるぷるっ

粋「んー。どうしたら良いんだコレ」


サトリ「ききっ」鍵指差しっ

粋「うんそこか。
つーかまだコッソリ逃がしてバックレっかなとか少し思っただけなんどけどな」





ーーーーーーーーーー




皐月「くおらぁああ!! アンタなにしとんねん!」

どどどどどどどっ



粋「Σあああ!バックレらんなかった!!」サトリ抱えて逃走中っ



カイコぱたぱたっ

粋「Σおおっ お前加勢に来てくれたの!?
いやでもお前の手に負える相手じゃ

サトリ「ききっ」親指ぐっ

粋「へ?」




つつじ「ほんまにもう
あんの脳ミソメルヘン男は

しゃーない まとめて取っ捕まえて2匹とも白はんに付き出したるか ん?」

カイコぱたぱたっ

鱗粉ふわっ




つつじ「Σぎゃー!目があああっ!」


粋「Σ毒鱗粉!!」ひいいっ


皐月「Σちょ はよ水で洗いっ!」

つつじ「目がっ目がかゆうううっ!!」じたばたっ


粋「思ったよりマイルドで良かった!
ごめん 後で飛天に目薬貰って来るから!!」だだっ

サトリ「ききっ。」

粋「Σ中指立てんな!俺の立場も考えろよおおっ!」ひいいっ




シロ「立場もクソも有るかたわけえええ!!」

ぱきぱきぱきーん!!

粋「Σぎゃー!!」ひいいっ



シロ「ちいっ!はずしたかっ」

粋「Σ避けてなかったら半身凍ってたんだけど!?」

シロ「頭が冷えて良かろうが!お前は何をしたか解っとるのか!!」くわっ

粋「へ?

いや 確かにちょっと怒られるとは思うけど
そんなキレる程でも「Σ本物のバカたれがああっ!!」

粋「へ?」きょとん。



シロ「良いか! お前の兄はこの国の魑魅魍魎悪鬼羅刹な殆どを従える総大将の位と共に この世の全ての生物の断罪そして生殺与奪を管理する権利を持つ つまりあやつ自身が理なのだ!

もしその小妖怪が『有罪』と判断される事をしていた場合 その逃亡に手を貸したお前も有罪となりかねん!いやそうせねば 示しがつかんのだ!!」

粋「へ?あのちょっと長文解んねえんだけ

シロ「理解しろたわけ!

お前の軽率な行動で お前の兄は弟も処分せねばいかんという事になるかもしれんのだ!!」



粋「・・・マジで?」

シロ「理とはそう言った物だからな」うむ。



粋「いいいいやいやいや
だってコイツがやったの他所の食い物盗ったとかそんなだろ?
そんなめちゃめちゃ重罪には

シロ「なお。春一から盗られたのは常に経営が危うい中大いに奮発した初鰹(特大)だ」

粋「Σうわ店潰れかねねえっ!!」ひいいっ



サトリ「きいっ」うるうるっ

粋「Σ泣き落とししようとすんなよ!!
つか人の心読めるなら嫌がる事すんなよ!だああ俺まで人生積んだっ!!」



シロ「以上で解説は良いだろう」

速やかに自首するが良い」


白「この馬鹿たれ。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ。


粋「Σぎゃー!無理無理無理無理無理無理ーーーっ!!」ひいいっ


だだだだだだだっ




白「シロ、氷。」

シロ「心得た

バイト先潰れたらどうしてくれる往生せいやあっ!! 」
ばきぱきぴしーん!!

粋「Σ結局私情じゃねえか!ぎゃー!」飛び退きっ


サトリ「きっ!」親指ぐっ。

粋「お前案外腹立つな!誰のせいだと思って

Σだあああ!火いいっ!」のけ反り避けっ



シロ「お前も外したか 存外すばしっこいな」うーん。



粋(両方本気で殺りに来てる!?」後ずさりっ




白「いや、外れてない。」

シロ「む?」



ぽたたっ


粋「Σうおつべたっ!?
え 何!? あ!さっきの兄貴の火で氷が溶けて




白「水は『でんかいしつ』だ。」


バリバリババババッ



粋「Σうぎゃあああああ!!!」しびびびびっ

サトリ「Σきいいいいいっ!!」しびれれれっ




白「よし 捕獲完了。」ふう

シロ(Σこいつがまさかの頭脳プレーだと!?)驚愕っ


白「サトリじゃなくても結構解る物だな」うん。





ーーーーーーーーーーーー




一二三「へー。この前教えて一緒に貰った所が役にたっただなあ」ほうほう


千様「彬羽君 一二三ちゃんに何を教えてるの?」

彬羽「実際使い道あったろが。」

蒼月「いや普通に生きてりゃこんなの無いから」

彬羽「そうか
ちなみに電気を通すのは 混ざり物の有る水
つまり、池や川なんかじゃ問題は無いが全く不純物の無い水だと電気通さねえからな。
自然界にはまず存在しねえがその辺気を付けろ」

白「ほうほう」ふむ。


家康「マニアックな授業だねえ」苦笑。




白「で、今回の始末だけどな」くるり


粋「Σ!」スマキびくっ




白「このデカイのががサトリの親だ」

サトリ父「ききっ」ぺこり。

粋「Σへ?」


彬羽「何でも反抗期の娘に手を焼いてたらしくてな
親子喧嘩の末に家出した上 まさか人間共の居住区で暴れてるとはと。」

家康「で、娘さんが食い散らかしたのは全部弁償するってさ。いやーこんな実直そうなゴリラに土下座されたらねえ」あっはっは。

サトリ父「ウホッ」

彬羽「ゴリラじゃなくサトリだと言ってるぞ」




千様(ゴリラよね。)

小太郎(ゴリラだな。)

サトリ父「ウホッ!」


白「弁償が難しいのは山にあった昔の盗賊か何かのお宝があるから それで払うって
娘も厳しく躾直すからって話だし まあいっか」うん。


粋「ん?あれ? じゃ
人間に迷惑かけたけど コイツ処分されたりとかは?」

彬羽「反抗期のガキが悪さして親が弁償前提で土下座して来てんだ
これ以上責める必要があるか?」

粋「Σそう考えると確かに!!」



サトリ「ききっ!」ぷいっ

サトリ父「うほっ 」ビンタッ

サトリ「Σききーーっ!!」涙目っ


小太郎「あのごめん そういうのは帰ってからやってくんないかな」わおんっ



粋「はー。なんだ
変に深刻に受け止めなくて良かったのか」ほっ

シロ「真面目な親で良かったな」うむ。


白「そうだな それは置いといて

お前は俺を鬼か何かと思ってたみたいだな?」

粋「Σしまったああ!!」ひいいっ





千様「そりゃお兄ちゃん傷付くわよねー」うんうん。

蒼月「てか あの人の場合 歯向かわれた事にムカついてそうだね」

家康「まあね。仮に本物の罪人なら 情にほだされて逃がしちゃうのはヤバイしねー
今回は怒られとくべきでしょ 躾だね躾。。」うん。




彬羽「しかしまあ よくも事態をそこまで悪く考えれたもんだ」ため息。


シロ(ん? ひょっとして大事にしてしまったのは俺か? )はっ




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