小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月9日

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江戸城




女中A「あら、天海様御疲れですか?」

魄哉「へ?ああ バレました?」

女中B「徹夜ばっかりされてるからじゃないですかー?」

女中C「うんうん。ちょっと休まれた方が良いですよー」



挿音(おーおー 今日も見事なハーレムっぷりで。)天井裏でごろーん。



魄哉「あーちょっとややこしい案件増えてますからねえ

ちょこちょこ暖かいんで皆凡ミス多いみたいで」苦笑。

女中A「経理ですか?
何の為にあのハゲ居るんだか」ちっ

女中B「おみっちゃん ハゲ呼びしてるのバレるバレる」

女中C「あれもこれも御自分でされちゃうから ホント大変ですよねー
あ、生姜湯どうぞー まだまだ冷えますから」


魄哉「はあ。これはどうも
(これがかしましいって奴ですかねえ)」ふむ。




女中B「あれ?あんな子居たっけ?」ふと。

女中C「え? あーあの子? 最近入ったんじゃない?」

女中A「えー。アタシも知らないかも。」



魄哉「あ、ちょっとすみません
そろそろ休憩時間終わるので」


女中A「Σはっ!長々すみません!!
ほらアンタ達仕事に戻るよっ!」

女中B「Σえ。もう!? ホントお体労って下さいよっ!」

女中C「次の休憩時間は昆布茶いれてきますねー」手ふりふり。






つかの間の静寂。




魄哉「ふう。」くたっ

挿音「休憩時間に疲れてどうすんだよ。」

魄哉「いえ気分転換には良いんですがね
よくアレだけ口動くなーって。」精神的疲労




挿音「で、休憩時間まだ2分有るけどよ?
親父の正確な体内時計が狂うわきゃねえし
なんだ 女共の喧しさ そんなに疲れたのかよ?」

魄哉「あーいえいえ。
疲れって点で気になる事は有りましたがね」よっこらしょ


挿音「ん?便所か?」

魄哉「いえ、ちょっとね

さて、江戸城で一番人の通る場所は何処ですかね?」

挿音「はあ?

そうだな、此処に来た奴が必ず通る場所と言やあ」ふむ。






江戸城 門前】






魄哉「お。ありましたね。」ざくっ

挿音「Σげ!何だこりゃ 髪の毛っ!?」うげっ



魄哉「古典的で簡単な呪いですね
呪いたい対象の髪を1房 出来るだけ多くの人間が通る場所に埋めるって奴です」

挿音「へー。

ん?ちょい待ち 親父が最近なんか体ダリいとか行ってたのは」

魄哉「コレの怖い所はじわじわと体調崩すって所なんですよ

地味で時間がかかりますが、踏まれれば踏まれる程 髪の持ち主は疲弊し弱っていく
恥ずかしながら 地味過ぎて呪われてるのに気がつきませんでしたねえ」泥はらいっ

挿音「お。マジで金髪だ
親父しか居ねえわこんなの。」ふむ。


魄哉「いやー さっきの女中さん達の会話で気がついたんですよ
人とは仲良くしておくものですねえ」にっこり。

挿音「呪われてる人間のテンションじゃねーわ。
つか、よくアレで解ったよな 呪いとか何処にんなワードが

Σあ。」

魄哉「はい、当たりです
あの城内のゴシップに敏感な三人娘が知らない 新顔の女中。

怪しいですよね?」



挿音「・・親父よ
あの、なんで髪の毛1束取られて いや、どんな状況でそんな え?」ちょい引きっ

魄哉「Σ疑いの目やめてくれませんか。
仮にも『僧正』なんですけど!!」




挿音「いや実年齢は確かに化石かも知れねえけどよ
ほら年寄りでも元気なのは元気だし なんだかんだああやって休憩時間かしましい女共と楽しくやってるわけだしよ

別にムッツリが悪い事とか思わねえし坊主なんて八割ただの生臭助平ジジ
魄哉「いい加減泣きますよ。」



挿音「んじゃ 手出したとかじゃねえの?」

魄哉「Σんな孫か曾孫かもっと下かって子供に手出ししませんよ!失礼なっ!」

挿音「んじゃこの髪はよ?」


魄哉「恐らくですが 僕はよく泊まりで雑務片付けてますよね?

そういう時、帰宅は夜間や翌朝になります。
さほど散らかしては居ませんが 仮眠を取ったりしている間に髪の1本2本抜けて落ちていても不思議では無い ですよね?

こんな気の長い呪いをかける相手です 気長にそれをを待ち、繰り返せば1房分くらい集められるでしょう」

挿音「はー。成る程
女中の格好をしてりゃ 部屋漁ってても掃除してるとかで誤魔化せるしな」ほう。




魄哉「そういう事です。

この髪の束 長さも不揃いですしね」埋め埋め

挿音「ん?なんで埋め直してんだよ」

魄哉「呪詛返しは施しましたんでもう僕には無害ですよ

さて、問題は この微弱すぎる呪いでは、呪いを返しても術者に差程ダメージが行かない事でしょうか。」ふむ

挿音「あー あの女が首謀者じゃねえだろなあ


女拷問する趣味はねえんだけどなあ」キセルすぱーっ

魄哉「やんなくて良いですしやらないで下さい
いちいち発想が怖いんですよ。」





小太郎「普通は女でも偉い奴に呪いかけたら怒られるんだぞ」わんっ

挿音「あれ?小太郎 お前なんで居るんだよ」

魄哉「いやーちょっと最近ホントに疲れてるんでアニマルセラピーにと連れて来てました。」頭かきかきっ


挿音「うん。呪い云々じゃなく純粋に疲れてんじゃねえかな?」



小太郎「ちなみに呪い返しってどんなのなんだ?」

魄哉「一応増幅しましたが、それでもマックスで牡蠣に当たった感じですかねえ?」

挿音「充分酷くね?」





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石燕「お、見えたっす
魄哉さんと同じ色の呪い あっちの方向に」びしっ

家康「Σ同じ色の呪いって何!?」


魄哉「ほうほう。あーそっち●●藩ですねえ
道理で計算合わないはずですよ
経費ちょろまかしがバレるの怖くて呪いとかしょーもないですねえ 」うんうん。



白「石燕って呪いも見えるのか」へー。

石燕「見えるっすよー
ただマジで目かっ開いて無いと行けないんで目玉乾いてしゃーないすがね」目しばしばっ



魄哉「よし。では 真っ直ぐそちら指差して下さい

はい、コマ 今回のランチャー遠距離向け 火薬多目なんでちょっと踏ん張って下さいねー」

コマ『心得た。』がしょんっ


一同「Σ!?」



家康「あ、あの天海?
普通に捕まえてお仕置きで良いんじゃないかな?」

魄哉「呪いだから証拠が無いんですよ
あの偽女中から証言引き出せても 誰それとかバックレられたら終わりです

という事で目には目を、歯には歯を
コソコソ嫌がらせには嫌がらせ万倍がえしです。」

白「そんな言葉あったっけ?」




魄哉「コマ、 ゴー!」

コマ『ふぁいや。』

ずどんっ









家康「ねえ、天海何かあったの?」びくびくっ

挿音「あー多分俺だわ
親父プライド高えから。」あちゃー。



蒼月「ねえねえねえ。捕まえたそのくの一?
尋問やろうか?」うきうきっ

一同「絶対やるな。」

蒼月「えー。」ちえー


挿音「親父は女に甘えからなあ」キセルすぱー




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江戸城女中部屋】


女中C「あーあ。やっぱおまじないとか効かないよねー」

女中B「え?なんかやってたの?」

女中A「Σまさかアンタ
あの生姜湯に何かいれたの!?」



女中C「えーだって
行商のおじさんが コレを混ぜて飲ませれば相手はメロメロあなたしか見えなくなるって言うから」

女中B「Σ毒だったらどうすんのそれっ!!」ひいいっ

女中A「Σ普通に打ち首レベルでしょおバカああーー!!」









魄哉「呪いは無くなったのにイマイチすっきりしないのは何故ですかねえ」うーん。

石燕「もう特に何処も呪われて無いみたいっすけどねえ」はて。

魄哉「ふむ。トシは取りたくないものですねえ」






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