小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月27日

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【割烹春一】




シロ「ん?何だこれは」

朱禅「なまず。」魚さばきっ


庵「なまずって食べれるの?」

ひな「食べれますが、この時期は普通とれないんですよねえ だから本来春から夏のものなんです」

シロ「またこんな小さいのを一匹か
こんなの仕入れてどうするのだ?」



朱禅「仕入れた覚えはねえんだよなあ」

彬羽「すまん。」

シロ「魚屋に押し付けられたな さては。」

庵「どうすんの? 賄い行き?」

朱禅「んー。こんだけちっこいとなあ」悩。

彬羽「いや、責任持って買い取る。一二三に持って帰りゃ喜ぶだろ」

ひな「あら お父さんしてますねー」にこにこ。


シロ「命ひろいしたな お前」なまず桶に入れっ




がららっ

粋「バイト中にごめんよ 緊急。

おーい、カラス居る?」

彬羽「ん?今度は何だ?」


粋「閻魔のオッサンから呼び出し」

彬羽「Σは!?」

粋「いや閻魔の「聞こえなかったわけじゃねえよ!!」



ひな「彬羽さん早退っと」シフト表メモッ

朱禅「え?黄泉って普通に行けんの?」

シロ「の、ようだな。」うーん。




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【閻魔殿】



彬羽「おい。なんで俺が呼び出し食らってんだ?
で、なんでお前は普通に此処に入れるんだ」ひそひそっ

粋「さあ?何かやらかしたんじゃね?
俺は兄貴が迷子になるから道案内役として通行手形持ってるもんよ」手形ぶらぶらっ

彬羽(そうか。あのアホ肩書きだけは一人前以上だった)

粋「んなビビんなくても怖くねえよ?

あ、ほら来た来た あれが有名な閻魔大王



彬羽「バカでかいナマズじゃねえのか」

閻魔大王「うん。似てるとはよく言われるね
第一声それとか凄いねこの子。」うわあ




彬羽「Σはっ
待てよ このタイミングでこの流れ
まさかお前あのナマズか!?」

粋「Σどの流れ!?
いやさすがに失礼失礼っ」ひいいっ

閻魔大王「思慮深いとは聞いてたけど 深読みの方向が間違ってないかねー?」うーん。



彬羽「しかし一瞬で偉く育ったもんだな。」真顔。

閻魔大王「思い込み激しい子?」

粋「いやなんか 人違いしてるぽい。です」冷や汗ダラダラっ





間。






閻魔大王「えー。改めて自己紹介を

チョビヒゲナマズ顔の閻魔大王です。
ナマズ妖怪ではありません。」にこにこ。


彬羽(やらかした。)頭かかえっ

粋(よっぽど似てるナマズに会ったんだなあ)あーあ。



閻魔大王「いや大丈夫大丈夫
あの世に来た人等にも散々言われるからねー
えげつない地獄行きとか裁き下したら 蒲焼きにされちまえ!とか泥臭い!とか暴言吐かれるし」はっはっは。

粋「うわ人間怖っ」

閻魔大王「態度悪いから ワシも100年くらい刑期伸ばすけどね」しれっ

彬羽「地獄の裁きってそんなので良いのか」



閻魔大王「今回地獄トークは置いといて。

カラス君。
君、当代の黄龍の副官してるらしいね」

彬羽「へ? ああそこは
実質と言うか何と言うか「兄貴あんななんでマジで助かってます」

彬羽「Σおい!法の番人相手に勝手に役職名乗るのはまずいだろ!」

粋「Σえ。 つい本音出たんだけど
え?え?俺地獄行き!?」ひいいっ

閻魔大王「いや君生きてるから。
それにワシそんな細かくないからへーきへーき。」にこにこ

粋「え、 良かった」ほっ

閻魔大王「いやー うちの孫が最近反抗期でねえ
どうしたらこう、子供らしい素直な子になるかねえ」

粋「Σ俺酒飲めるトシなんだけど!?」


彬羽(思ってたのと色々違い過ぎるな閻魔。)うーん。




閻魔大王「という事で本題なんだけど
当代君 かなーり変わり者だよね」のほほんっ

彬羽「いや変わり者というか何と言うか」

閻魔大王「うんうん。常識が無いんだよね
だから先入観無く公平な裁きって言うかね
そういう意味では凄い逸材だと思うんだよ」

粋(兄貴が今の立場なの うちの爺に押し付けられただけなんだけどなあ)


閻魔大王「別に断っても良かったんだけどね
大役だし。正直あの性格で引き受けるとは思わなかったねー」

粋「へ?そなの?」

閻魔大王「何せ 己の判断で神様までも葬って良しだからねえ その判断にはワシでも文句つけられないし。
本物のパッパラ頭でも無きゃあ重すぎでしょ」

彬羽「いや、妖怪の類いでも 見方によっては神だの何だの崇められるだろ
あいつにとっちゃ どれも同じって話なんだろ
もしくはただのパッパラだ。」



閻魔大王「そりゃ人間からしたらの話でしょ
君 妖怪なのに人間の側で物事見すぎ」ずばっ

彬羽「Σぐ」



粋(て、事は 閻魔のおっちゃんでも認める神様ってのが居るんだ)へー。


閻魔大王「って事で はい。手出して出して」

彬羽「どういう事か全く解らん」困惑っ





ぺたんっ


彬羽「Σおい!何やってんだ」

閻魔大王「判子押してる」

粋「Σうわ!手の平に平仮名えんまって 間抜けっ!!」

閻魔大王「すぐ消えるから問題ないよ」にこにこ。

粋「あ。ホントに消えた」

彬羽「何なんだこりゃ一体」


閻魔大王「そんなワケでね。

当代黄龍の判断力はワシも認めるけど 脳ミソの中身は不安しかない

て、事で正式に副官任命したから 頭脳役よろしく」

彬羽「Σ待て待て待て!何を勝手に「これがホントの太鼓判。」あっはっは。

彬羽「Σ何も面白くねえ!!」



粋「え。えーと
おめでとう?」

彬羽「つまり 呪いの刻印か」ずーん。

閻魔大王「何かあったらえんまの字が光るよ?印籠代わりになるよ?一目置かれるよ?」あれ?

彬羽「Σ要するにクソダサい刺青じゃねえか!!」

閻魔大王「平仮名ってヤングの中ではトレンディなアレなんじゃ?」あれ?

粋「えーと。時代がちょっとズレてるかなあ」うーん。


閻魔大王「まあ頑張ってね
君がこっち来た時優遇するから」

彬羽「Σ死後の優遇なんざいらねえ!!」

閻魔大王「えー。もし地獄に堕ちるとしてもちょこっと軽くするよ?」

彬羽「Σ堕ちる予定ねえよ!!」

粋(天下り ってこういうのなのかな)ふむ。




閻魔大王「ちなみにそれ ここ入る時の通行手形にもなるから
手形だけに。」ぷぷー。

彬羽「ああそうか。 そりゃあ傑作だな」イラッ

粋「キレんなよ。無間地獄に堕とされっぞー」どうどう





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一二三「なまずさん 何処だべかなー?」

家康「冬は物陰で寝てるらしいよ
蒼月みたいなもんだねー うー寒さむっ」ぶるっ



千様「ナマズって 池で飼えるのねー」へー。


白「なあなあ。ナマズって餌何食べるんだ?」

彬羽「なんだろうな」くわっ




白「?
なんかキゲン悪いな?」

粋「あーうん。
ある意味呪われた運命って言うか

実質今までと変わんないけどな」うん。




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