小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月24日

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魄哉「うーん。」怪訝っ

家康「どったの? 寝癖のまんまで」

魄哉「いえちょっと
今日休みなんで良いじゃないですか」

家康「Σ几帳面の権化が珍しっ!
え?なに? 何をそんなガン見してるのっ」




魄哉「石燕さんの絵です。」

家康「Σ相変わらずオドロオドロ怖っ!!」ひいいっ


魄哉「ですよね。怖いですよね
紙に描いた絵なのに。
実際かなりの値で売られてました。」

家康「Σえ。わざわざ買ったの?」

魄哉「ええまあ。
ひょっとして 万人受けしないのかとも思いましたが
店主の話だと結構な人気みたいなんですよね
上客と思われたのかよく喋ってくれました。」

家康「あー。成る程ね

まあ実際妖怪見て描いてるもんね
そのジャンルじゃそりゃトップクラスでしょ」



魄哉「に、しては
本人のお財布寂しいんですよねえ」うーん。

家康「そこはほっといてあげて」

魄哉「いえ。ほっとかない方が良さそうです

すみませーん。今日暇な人ー。」襖がらっ



千様「なーにー。また何か揉め事?」

蒼月「暇だけど寒いから何もやんないよー」だらだらごろーん。






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【町】





白「って事で 今日は版元に出来たの持ってく日らしい。」

粋「うん。尾行は解ったけど 兄貴何で黒髪?」

白「白髪目立つって言うから どろんってな。」

家康「お前は行動が目立つんだけどねえ」苦笑。


粋「んで、なんで備考?
無駄遣いの現場でもおさえろっての?」

家康「んーそこはね
今日は いつもの版元じゃないみたいだしね」

白「浮世絵師ってあっちこっちにの店に絵を持ってくのか?」

家康「そりゃあね
一軒に置いてもらうより 多数の店に置いてもらった方が仕事が沢山来る可能性高いからねー」

粋「あいつくらいなら向こうから仕事頼んで来そうだけど
つーか。石燕店に入ったまんま出てこないな?


ん?」


ちょこちょこっ


家康「あれ?よく使いっぱしてくれる草履の付喪神ちゃんだね」

草履「ひそひそ。」耳打ちっ

白「ふむふむ。」


粋「Σあの兄貴 出来たらもちょい人目につきにくい所でっ 」




白「なあ。 50って100の半分で合ってるよな?」

粋・家康(Σ案の定石燕ボラれてんのかいっ!!)




粋「Σえ。ちょ何!?
現物持って行ってから値切られてんの!?
そういうもん!?」

白「らしいぞ。
さほど有名でも無いし 特筆すべき所もないとかって」

家康「Σ嘘っ! 私 結構見る目あるよ!これでも殿だよ!?
だいたい石燕ちゃんの話題江戸城まで噂流れてきて知ったレベルだよ!?」

粋「Σ思ってた数倍有名じゃねえかよ!」



草履「ひそひそ。」


白「え? 今は10とか言ってる?」ふむ。

粋・家康(Σ10分の1まで落ちたーーッ!!!)



粋「・・えっげつねえ」ドン引き。

家康「あーそっか
石燕ちゃん 人間相手だとあんま話せないんだよね
ほら、霊感強すぎて 他の人に見えない物見えるから 結構アレな人生送ってたみたいだし」



白「そうか。そりゃ人間苦手だな

たのもー。」

家康「Σうわ正面から行った!!」




石燕「Σあ、白さん なんで此処「馬鹿たれ。」

石燕「へ?」


白「自分の芸を安売りするのは ちゃんと芸の価値解ってる客に失礼だぞ」

石燕「へ? あ、はあ」きょとん。



粋「兄貴も何だかんだプロの役者だからなあ
怒ってる怒ってる」

家康「なんでちょっと笑ってるの?
ここで波風たてたら石燕ちゃんの仕事がヤバいんでないの?
で、何でお宅のお兄ちゃんはわざわざ白髪に戻ってるのかな?」一抹の不安っ



店主「あのー。どちらさんか知りませんが
こっちはプロなんで安売りも何も目利きの方は確かなんですよ
いちゃもんつけられたら困りますねえ」ははんっ


白「ふーん。そうか
確かだそうだぞ?」


粋「あぁ"? オッサン大したもんだなあ?
妖怪画の新鋭 鳥山石燕の絵が子供の駄賃程かよ?」昔取った杵柄っ


店主「Σえ」びくっ


粋「んだこら手前の目玉はフシアナか?
んな目玉は要らねえなあ?指突っ込んでプリッと取り出して反対向きに突っ込んでやろうか?え?こら目反らすんじゃねえよ」ああん?


家康(この子も大概なの忘れてた。)うわあ。

石燕「えーと」困惑っ



店主「ななななんですかっ!役人を呼びますよっ」たじろぎっ

粋「おう呼べるもんなら呼んで貰おっかー
アンタの悪どいやり口がバレちまうだけだけどなー」オラオラっ


白「あ。売り棚に石燕の絵見っけ」

店主「Σうお目ざといっ」


草履「コソッ」物陰っ

家康(Σ草履ちゃんアシスト有能っ!!)



白「ひいふうみい

あれ? 売る時はゼロ沢山だな」ほうほう。


店主「」冷や汗ダラダラっ



粋「あっれー?この店ちょっと酷くねー?
商人にしてもアコギに程がありゃしねーかなーー!!」大声っ

家康「Σもうやめなさいって!お前演技ド下手くそなんだから恥ずかしいっ!!」ひいいっ



店主「ななななんか知らないけど!営業妨害だ!
訴えてやる!!」

白「うっさいモグリ」ずばっ

店主「Σモグリ!?」


白「絵扱ってるのに この近隣で俺知らないとかモグリだろ。」どやっ

店主「へ? 絵って Σはっ 演技とか芸とか まさか白髪の役者 アンタっ!」ひいいいっ



石燕「あ、凄い
マジで知らない人居ないレベルなんすね。」

家康「うん。万一思ったより知られて無かったらとか思ってないから凄いよね。

てか ごめんね。仕事の妨害になっちゃって」

石燕「あーもう良いっす
此処で描いても赤字にしかなんないっすもん」あっさり。


粋「つーか あのオッサンにもそうあっさりキッパリ言ってやれよ」

石燕「いやー。人間相手だとどう話していいか解んないんすよねー
皆さんが妖怪で本当に良かったっす。」へらっ


家康「うん。私は人間ね」

石燕「あれ?むしろ家康さんがいっちゃん話しやすいのなんでっすかね?」はて。

粋「人間つか将軍なそれ
お前 度胸は凄いよなー」うーん。





白「もう此処には石燕の絵卸させないし
うちの芝居小屋の奴等のも置くのNGになるかもなー イメージ悪くなるし
そこは責任者に相談だな」鉄扇パタパタっ

店主「Σえ!それやられるとこちらの商売が


白「人の商売踏みにじってる奴が言えた立場か」くわっ



石燕「あの 白さんめちゃ怖くないっすか?」

粋「兄貴 ああ見えてプロ意識の塊だから」うん。




白「よし帰るぞお前ら」すたすた。

家康「うん 店主本気で泣いてるね」

粋「恐かったんだろなー。」うんうん。



白「自業自得だ
それと石燕」

石燕「はい?」



白「お前も自分の芸を安く買い叩かれて へらへらはいはい推され負けるな」
石燕「Σ瞳孔縦長っ!すんませんでしたああっ!!」ひいいっ


粋「思ってた数倍ガチギレてら」うわあ。




白「で、だ。
仕事潰して悪いから 今度ちゃんと適正で買い取る店紹介してやる」ぷいっ

家康「へ? お前そんな知り合い居るの?」

白「客。」きっぱり。

粋「あー そりゃ絶対大丈夫だ
兄貴のファンなら 兄貴のダチの絵買い叩いたり出来ねーよな」あははっ



白「何ニヤニヤしてるんだ」むう。

石燕「いや。笑うっしょこんなの。」ぷるぷるっ


家康「テンプレのツンデレみたいな叱咤激励はともかく
結果オーライだねえ」あっはっは。




白「けど、与一
よく代わりにキレて暴れなかったな。」

石燕(与一)「いやそれが、理不尽でムカつくのは解ったのだが
この時代の金の価値がイマイチ良く解らんのでどこまで何をどうしたら良いのか」どろんっ

家康「あー、鎌倉時代とは色々価値違うよねえ
どんまい。」





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魄哉「彬羽君。
ひとつお聞きしますが、君も瓦版とかで物書いてますよね?
その 無茶な値切りとか 納品時のゴネとかそこはどうやって

彬羽「俺にそんなのやらかす人間が居ると思うか?」

蒼月「身長2メートル、黒づくめ、常に不機嫌そう、ド近眼だから眉間に皺、何人か殺ってそうだもんね

ま、相当根性無いと無理だよね」うん。



魄哉(石燕さんもオラつきをマスターすれば最小限で済むでしょうか。)ふむ。

挿音「ん?なんでこっち見てんだよ」キセルすぱーっ


千様「何考えてるか知らないけど やめた方が良いと思うわよー?」





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