小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月22日

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江戸城



魄哉「いやー。届け物ありがとうございます
どこに置いて来たのかと」にっこにこ

石燕(与一)「忘れ物ごときで一般人をポンポン城に入れて良いものか?」

シロ「門番もユル過ぎんか?
取り次いでくれとは言ったが まさか中まで案内されるとは」困惑っ



魄哉「構いませんよ
君ら『天海坊』の身内として顔覚えられてますから」さらり。

シロ「Σさらっと爆弾発言しとらんか!?」

石燕(与一)「ものっ凄く外歩きにくくないかそれはっ!!」


魄哉「ですよー。
変な事すると僕が恥かくので清く正しく生きて下さいねー」


石燕(与一)「清く正しくも何も
此処に頻繁に出入りしておる爛れた蛇が「既にクレームその他すっごいんであの子に関してはスルーします。」けっ


挿音「冬場はある意味助かるよなー」

魄哉「ですねえ。
冬眠しちゃうんで基本室内ですから」はーやれやれ。


シロ「春が来たら地獄か」うわあ。

石燕(与一)「政務を手伝える脳と能力は有るのに 性格は難しか無いなあの蛇。」


シロ「しかし、それも身内として門番に教えとる辺り
出来の悪いガキほど という親心と言うか
魄哉「何の事でしょう」にっこり。



石燕(与一)「どちらにしても 護りはもっと堅固にすべきだと私は思うぞ
太平の世等と油断して居てはいつ寝首をかかれるか解らん」


挿音「いや、そこは俺ら忍軍が居るしよ
大丈夫っちゃあ大丈夫だっての」




ちりーん。


シロ「ん?この音は」



白「なあなあ、今日帰りに買っとけって言われたの シメジだっけ?エノキだっけ?」

魄哉「Σエノキでお願いします!
てか気軽に不法侵入やめて下さいってば!!」

挿音「軽々と警備破る奴が居るから どうしても頼むんだよな

ほれ。マヨイガ繋げんな帰れ帰れっ」しっしっ



白「だって間違えて買って帰ったら困るだろ?」

挿音「エノキもシメジもキノコにゃ変わりねーんだよ
誰も気にしねーわ ほれ、閉めろ閉めろっ」


襖ぱたーん!





粋「シメジとエノキじゃ用途違くね?」

挿音「Σうお 弟落としてってるぞおい!!」襖がらっ

シロ「もう繋がっとらんと思うが。」

石燕(与一)「うむ。普通の廊下だな」



粋「マジかよ 兄貴だし迎えに来てくれねーだろなあ
普通に歩いて帰るか」ため息。

魄哉「まあまあ、シロ君達も居ますし僕らと一緒に帰りましょう
どんまいです。」苦笑



粋「あれ?お前らなんで居んの?
つーか 石燕は中身与一だよな?なんで?」


シロ「忘れ物を届けに来たらここまで通らされたのだ」

石燕(与一)「石燕の奴は基本人間苦手だからな。
なぜ私が小間使いを」ぶつくさっ


粋「Σ石燕マジで!? 蒼月には結構毒吐いてんのに。」

魄哉「蛇だと思えば罵倒しやすいのかと。
あ、お茶飲みます?」

挿音「親父 そりゃアンタの場合だろ」


シロ「ひょっとして蒼月の奴は絡みやすいタイプなのか?」

石燕(与一)「というか 何言ってもバカにして来るからこちらも全力で貶してやろうと思うらしいな
お。玉露か」お茶ずずー。

挿音「何?石燕の奴 意外と好戦的じゃねえ?」

魄哉(人間に対してはコミュ障気味なんですがねえ)うーん。




女中「あの 天海様。
お茶菓子とかご用意致しましょうか?」困惑っ

魄哉「Σはっしまった! 見慣れたメンツなもんでつい自宅ノリで団らんをっ!!」


粋「えっと。お構い無くー」会釈っ






間。






粋「あー江戸城最高っ 何これすっげえ設備良いしっ
座布団まで質がすげー!」ご満悦っ


シロ「確かに質は良いが ここまではしゃげるのも凄いな 」


粋「あー 雑巾がけも塵取りホウキも要らねえ豪邸最高っ」ごろごろっ

石燕(与一)「どっちかと言えば 兄の下僕生活の息抜きのようだな。」うーん。

挿音「今回ばかりはうっかり置いてった本人が悪いしよ
見習いサボっても何も言われねえだろ」キセルすぱー



粋「だよな。迎え来ねえし
つーか居ねえの気付かないでいる可能性のが高いんだよな」ふっ


シロ「いい加減兄離れせんか。」引。

魄哉「試し行動してる子供みたいですねえ」うーん。


シロ「ふむ。
お前の仕事が終わるまでおれと言われたが
進んでおるのか?」

魄哉「やってますよー
駄弁りながらだと早く済みそうですねえ」書類に目通しっ

石燕(与一)「ほう。同時に複数の作業が可能なタイプか」ふむ

魄哉「脳にはよろしくないんですがね
立場上こう癖つけかないと、とても間に合わないんですよ」書類ぱららっ



シロ「ふむふむ。

ならば1つ尋ねたいのだが。」ずいっ

魄哉「はい?」



一同(子供って 黙って待ってるの無理なんだよな)うんうん。


シロ「お前ら 何か言いたい事でも有るのか?」

粋「別に。」



シロ「そのだ。
与一の様に人に取り憑いておる幽霊とかをだ お前は普通に見る事が出来るようだが
あれは生まれつきなのだろうか?」

魄哉「ん?見たいんですか?」

シロ「いや 単にその 何かあった時に見えんと言うのもな。
その手の怪奇現象のトラブルも少なく無いではないか?
毎度何も出来んのもどうかと思ってな」



石燕(与一)「平常時も常に戦場の心得!
見事だっ!!」感激っ

シロ「Σそこまで大袈裟な物では無いが!?」

挿音「与一よ 今は太平の世だかんな?
平家も源氏もねーからな?」


石燕(与一)「何を言う!この世に絶対などは無い!
侍たる物平時から常に心身共に鍛練をかかさずだな

魄哉「あー。シロ君は見えさえすれば大概ぶった斬れるんで 見方教えましょうか」



石燕(与一)「Σおいこら!私を無視するな!」がーん。

挿音「お前うっせーんだもんよ」



魄哉「という事で 粋君はやっちゃダメですよー
夜中御便所行けなくなりますからね」

粋「おう。耳ふさいで隅っこ行っとく」そそくさっ




シロ「ん?見方とか有るのか?」

魄哉「幽霊斬れる時点で素質は有りますからね
他所ぼやけるかもしれませんが『狐の窓』を教えましょう

まずは手をこう組んで」

シロ「こうか?」

魄哉「で、ここの指の間からこう
あ、与一さん見てみましょうか」

シロ「Σおい指がつるっ! これかなりキツいぞ!!」わたわたっ



挿音「あの手の術式ってよー
大概指がこむら返りになりそうになんだよなあ」キセルすぱー

石燕(与一)「あ、やはりなるのか

陰陽師とか手首の腱切れんのか見てて心配になった物だ。」うんうん。



シロ「こ、こうかっ」ぷるぷるっ

魄哉「若いのにスジが固いですねー

はいそれでその間から向こうを見つつ『化性の物か魔性の物か「待て待て待て!! え?何だ?始め何だっ!?」


挿音・与一(いっぱいいっぱいだな。)うーん。


石燕(与一)「あの手の物は精神を落ち着けねば見える物も見えんと聞いたのだが?」

挿音「じゃ無理じゃね?
腕プルプルで平常心とか無理だろ」





シロ「Σあ。見えた」

石燕(与一)「Σあっさりと!?」


シロ「おお。お前そんな顔だったのか。
・・確かに背丈は有るな。ホラでは無かったか」ちっ

石燕(与一)「あ、そうか。 私が実体化出来るのは鬼門内のみだしな
てかまずそこか。」



魄哉「白君みたいなエネルギーの塊と一緒に居れば多少なりとも影響受けますからねえ
ちょっとやり方を教えれば こんなもんです」

挿音「マジか。
へー。あれ?窓ってこれどうすんだっけか」えーと。

魄哉「負けず嫌いですか?」



石燕(与一)「そのまま向こうで耳塞いでおるヘタレを見たらどうなる?」

シロ「ヘタレな瑞獣がおるな。」うーん。


挿音「ちなみにこっちはよ?」

シロ「最早見慣れた派手な鳥だな」うむ。

魄哉「おや。才能有りますねえ」あははっ



シロ「ふむ。しかしこれでは両手が塞がるな?
いざと言う時には使えぬか」うーん。

魄哉「それで見て大体の場所掴めれば君なら何とでもなります
最悪目星つけてそこら一帯氷漬けにすりゃいいんですから
あ。茶柱が」

石燕(与一)「また粗いな」

挿音「つーか霊体って凍るのかよ」

魄哉「シロ君のなら可能ですよ」お茶ずずー。

シロ「Σなにいいい!!!」

石燕(与一)「Σ本人も解っとらんかったぞおい!」

魄哉「Σえ。マジですか」




粋(何盛り上がってんだろ)びくびくっ

※まだ耳塞ぎ中




魄哉「いやーそれは もっと早く教えてあげれば良かったですねえ」 あちゃー

シロ「見えんから解らんかった」 ずーん。

挿音「知らねえ間に巻き添え食ってた浮遊霊とか居そうだなあ」

石燕(与一)「その辺漂ってなくて良かったわ

ん?」ぴく。


魄哉「おや?」






ちりーん。




襖がらっ

白「財布忘れた」

ぐしゃ。

粋「Σぐえ!」


挿音「おい。弟踏んでる踏んでる」



白「おい財布。 お前に渡したまんまだろ」

粋「Σあ。いけね」わたわたっ



シロ「む?そう言えば
お前確か 人成分よりもののけ成分が多目で生まれたとか言っておったな?」

白「ん?何だいきなり
らしいぞ きっちり半分こにならないで俺は化物多目
人多目がこっちだ。」粋指差しっ


シロ「ふむ。そうか
つまり人成分も入っておるには入っておると」

白「じゃなきゃ人に近い見た目してないと思うぞ。
で、何してるんだ?」





シロ『化性の物か魔性の物か正体を現せ。』

白「へ?」










挿音「・・・シロ?おい、どしたよ」




シロ「成る程 妖怪共のボスにもなるわけだ」

挿音「おい声。何を見た何を」




魄哉「まあ、人によっては衝撃かもしれませんねえ」

石燕(与一)「そうか?
私はいつも石燕通して見ておるが 大してなんも思わん」

魄哉「単なる慣れだと思います。」きっぱり


粋「へ?何の話?」

シロ「いやその。
お前も頑張れ」

粋「Σ何を!?」






白「さて、 なめこ買ってかないとな。」くるり

魄哉「すみません。エノキです。」


白「そうだエノキ。エノキな

良し 覚えた」うんうん。




ちりーん。






粋「Σあ。 また俺忘れられてる!!」はっ


魄哉「一個頭に入ると一個忘れる子ですねえ」あーあ。

挿音「もう良くね?のんびり帰ればいいだろがよ」

シロ「だな。
あんなものに逆らうでないわ」冷や汗っ

粋「なあ。お前なんでさっきから顔色悪「気のせいだ。」






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