小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月19日

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飛天「ちゃーす。 散歩がてら置き薬の補充に 」

ばりんっ!


小太郎「ぎゃいん! 縁側から入るから!!」ひいいっ

飛天「Σえ!?何 俺なに踏んΣぎゃー!般若の面っ!!」ひいいっ



魄哉「あーあ。だから 入る時は玄関からにしてくださいって言ってるのに」破片拾いっ

飛天「マジでごめん。カラスなもんで

なあ、呪われないコレ?」びくびくっ



魄哉「呪われはしませんよ まだ完成してませんし
作り直すので大丈夫ですよ」にっこり。

飛天「Σお前作かよ!!」



家康「凄いでしょ どこの掘り師のだよって出来だよね
天海何でも出来ちゃうからねー」あははっ

魄哉「何でもは出来ません。
出来る事をとことんやるのが好きなだけです
それで千年生きてりゃやれる事も増えるってもんです。」

千様「あら?アタシ タメだけど何一つ出来ないし何もする気無いわよー?」だらだらごろごろ。

魄哉「でしょうね。」きっぱり。


飛天「で、何でまた般若面?

あー家康がまた何かやったの?」

魄哉「いえ、怨念込めてませんから。」

家康「さらっと怖い事言うよねこの子。」うわあ。


魄哉「確かにそういうの込めたらもっと迫力出るかもしれませんね」ちらっ

家康「Σすみません!込める恨みなら山程有りますって副音声で聞こえたよ!?」

魄哉「おや?ボケですか?
トシはとりたくありませんね」ふっ


千様「他所なりとも恨みつらみは滲み出て彫り込められてそうね」せんべいぼりぼり。

小太郎「うん。迫力凄いもんな」わおんっ


飛天「で、なんで般若面? 徳川って政務にこんなん使うの?」はて。

魄哉「いえ どんな職場ですかそれ

これは 芝居小屋の方ですよ。
ほら僕一応オーナーなんで」



飛天「オーナーって店の備品作るもん?」

魄哉「Σう。」

家康「察してあげて。加わりたいんだよ参加したいんだよ」



飛天「ふーん。 そういうもんか

て、般若と
こっちは翁の面?
Σあ。壁にもめちゃかけてる!こわっ!」

魄哉「今顔料乾かし中なんですよねー」にこにこ。


家康「お面ってこんな種類あるんだねー。私もびびったよ」しみじみ




シロ「おい、石燕から顔料分けて貰って来 Σうおなんじゃこりゃ!!多すぎんか!!」ひいいっ

魄哉「ありがとうございます
休みの日にまとめて作っとかないと 後々困りますからねえ」にこにこ。


飛天「ん?困るって
あの芝居小屋って別に役者達も面かぶって無いよな?」

家康「だね。大衆向けの解りやすい芸が売りだしね」


魄哉「実はあそこでは 一人前になった数人は
この手のお面から1つ選んで 自分のシンボルとかそんなのにするってシステムがあるんです」

飛天「Σえ。知らなかった」

魄哉「コア目のお客さん狙った 印象付けの意味合いが大きいですからねー
後、まだまだ大衆の識字率低いんで 表に本日のメインのお面をかけとけば、そういう人にも解るじゃないですか」

シロ「ほう、なかなか合理的な。」ふむ。

魄哉「それにお面の名前持ち=一人前なので 見習い達も目標見えやすくていいでしょう?」

飛天「はー成る程」ふむふむ

千様「目標って 形になってると目指しやすいって言うものねー」ごろーん。

シロ「うむ。一気に説得力が萎んだな。」




魄哉「ちなみに、つつじ君のはこちらの翁面です。」

千様「え。なんか意外」

魄哉「そうですか?
翁は五穀豊穣豊かさを表す面であり、また芝居が民衆に浸透する以前から長く使われて来た 言わば始祖の面です。
伝統的な芸風を重視するつつじ君には有ってると思いますよ?」

飛天「ぜんっぜん知らなかった」うわあ。

小太郎「彬羽が居たら ここから更にマニアックな豆知識始まってたな」

シロ「うむ。バイト中で良かったな」うんうん。



魄哉「で、白君のがこちらの

一同「般若。」



魄哉「・・こっちは解ります?」おやまあ。

家康「めちゃめちゃ解ります」きっぱり。


千様「何かしらね イメージそれしか無いわ」うん。

魄哉「確かに妖面でもありますからねえ」



小太郎「お前偉いもん踏んづけたな」わおんっ

飛天「Σ内緒にしといて!!」ひいいっ



魄哉「まあ白君が般若選んだのは ツノあるからコレでいいやーとかそんなだったみたいですけど」

シロ「相っ変わらず軽いな」


魄哉「いえいえ。直感と考えると凄いですよ?

般若は憤怒や嫉妬等 人の負の面と言った意味合いも有りますが」

家康「有りますが?」

魄哉「その反面 物の本質を見抜く、真実を映すと言う意味合いもある面なんです

種族関係無く『裁く』存在であるあの子には有る意味ぴったりと言うか
つまり結局の所人間の本質は憤怒や嫉妬という意味合いにも取れて実に興味深

シロ「落ち着け どす黒い笑いやめろ。」

家康「ごめんね。ちょっと仕事で嫌な事有ったらしくて」



魄哉「同族で争い続け ようやく平和が訪れればコソコソ影で弱い物の生き血を啜り 小賢しい手で小銭を稼ぐ 人とはなんと浅ましく愚かな」ぶつぶつ


家康「Σうっわ 千年妖怪に言われるとグサッと来る!愚かでごめんなさいいいっ」ひいいっ

飛天「Σいやこれ本気で闇堕ちしかけてねえ!?」





挿音「怨念込め過ぎなんだよ
落ち着けクソ親父。」

魄哉「Σ親に踵落としやめなさいってば!!」頭ずきずきっ


千様「あ。戻ったわ」

挿音「毎度物作ってる時は作ってるもんに感情移入しまくんだよなあ

だからヤバ目のもんは作るなって言ってんのによ。
キセルすぱーっ

家康「あ。ひょっとしてお前が刀鍛冶とか出来るのって」

挿音「こんなんに刀打たせたら確実にヤベえだろ?」

小太郎「野菜もか?」わおんっ

挿音「手塩にかけて育てたもん食えねえとか言い出しかねねえだろ?」

シロ「容易に想像出来るのが恐ろしいな」うむ。




千様「アンタ感情豊か過ぎるのよー」

魄哉「どうやったら薄くなるんですかねえ」頭ずきずき。




飛天「えっと とにかく1つ2つ賢くなった。かなあ

そっか、 般若の真実のを見通す目か」壁の般若面つつきっ




ごとんっ


飛天「え?」


ごっ ゴゴゴゴゴゴゴッ


飛天「Σえ。ちょっと何何なになにっ!?」ひいいっ





魄哉「おめでとうございますっ
このカラクリを見破ったの 挿音彬羽君に続き三人目ですよ!!」おおおっ

飛天「Σ何か隠し部屋出たっ!!」ひいいっ



千様「え、この家こんな部屋有ったの!?」

挿音「親父カラクリ好きだかんなあ
俺は雨漏り修繕してて どう見ても変なスペース有るなってなったんだけどよ。」


魄哉「いやー。般若に気がついても普通目の所に指突っ込まないじゃないですか
彬羽君がストレートに解いてくれた時は嬉しかったですねえ」にこにこ。

家康「いやアイツ何してるの」


飛天「あのー、俺ちょっと目にも当たったかもくらいのまぐれなんだけど。」

魄哉「おや、運も実力の内ですよ
良いじゃないですか」

千様「何の実力よコレ」







粋「俺は鬼神面が良いなー」てくてく。

白「そっか。その前に一人前に慣れるか怪しいけどな」

粋「Σぐはっ」

白「あれ?こんな部屋あったっけ?」

粋「へ?兄貴室内で迷子は Σうお何だコレ」




家康「で、何の部屋これ?」

魄哉「お面の作業部屋です」

挿音「見つけても特にメリットねーんだよなあ」

千様「てかアンタ 誰か解いてくれないかなー?ってわざわざ此処でお面乾かしてたでしょ」

魄哉「あ。バレました?」

白「何か解らないけど、お前の仕業なんだなやっぱ。」納得。





粋「で、お前はどしたんだよ?」

シロ(解った所で般若に届かん。)ずーん。







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