小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月18日

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千様「ねえねえねえねえ オペラ座の怪人って知ってる?」

蒼月「えーと。西洋の芝居の演目だよね?」



家康「なんでこういう話題だと私に来ないのかな?」

小太郎「こういう洒落たのは知らないと思われてるんじゃないか?」わんっ

家康「Σどうせおっさんですよ!!」



蒼月「で、怪人がどしたの?
海外のとか珍しいねー」

千様「さっき魄哉の積んでた本の山倒しちゃってー
タイトル面白そうだから持ってきたのー」

家康「千ちゃん それ片付けは?」

千様「してないわ」きっぱり。

小太郎(で、またお説教食らうんだな)



蒼月「へー。どんな趣味してんのあのジジイ
お。日本語訳だ レアもんだねー」ふむふむ


襖がらっ


彬羽「ん?なんだ読書か珍しい」



千様(話ふってもいいのかしら?)うーん。

蒼月(何でも知ってそうな癖に小難しいのしか知らなさそうでも有るんだよなコイツ)

小太郎(もし知らなかったら 此処ぞとばかりに蒼月が全力で勝ち誇って馬鹿にし倒すんだろうなあ)悩。


彬羽「?」



家康「お前オペラ座の怪人って知ってる?」さらっと。

彬羽「ん?ああ 西洋の劇場の話だろ
舞台の地下に住んでるファントムって怪人が新米の女を上り詰めさせる為に何やかんやと暗躍す「Σぎゃーストップストップ!まだ読んで無いのよ!!」



家康「うんそれそれ。
ちなみに私も知ってるから。」

蒼月「ムキになんなよ いい歳こいてさ。」


彬羽「Σしまった!ネタバレだったか すまん!」

千様「んー いいわよ別に
どうせ文字ばっかでダルいし あらすじ教えて貰った方が良いわ」

小太郎「いやそれ本読む醍醐味が。」

彬羽「そこはきっちり読め。
この手のはあらすじを知っていても楽しめるはずだ」

千様「えー。」




蒼月「しかしオペラ座ねえ
これってさ
この国で言えば芝居小屋だよねー

あの人らの職場にもファントム居るのかなー」あははっ


一同「・・・。」

蒼月「いや。否定しよ? なんで揃って真顔」





彬羽「お前 悪魔の証明って言葉を知ってるか?」

蒼月「へ? あー確か 実在するかどうか解らない物を実在するよってんなら実物を出せば良いけど
確実に実在しないのを証明するのは 証拠の出し様が無いから不可能って奴?

悪魔って言われる奴は実在するけどね。」




彬羽「つまり あの芝居小屋の地下に変なのが居ないとも言いきれなくはねえか?」 真顔。

蒼月「普通に考えて居ないだろ。誰の職場だと思ってんだよ
んなもん潜んでたらあの人とっくに捕獲してんだろ」






粋「お。何の話ー?」ひょこっ

小太郎「お。調度いい所に」わんっ


千様「ねえねえ 粋君達の芝居小屋ってー
地下にファントムって人住んでる?」

粋「Σ誰!?」

家康「この子にゃ説明しないと解らないでしょ」うーん。



彬羽「じゃ言い方を変えるか

お前らの職場に不審者、住所不定者は住み着いて居ないか?」大真面目っ

粋「なに?何か捕物でもしてんの?」

蒼月「もうロマンもへったくれも無いな」うわあ。




白「あれ? また徳川の牢屋でも破られたのか?」

家康「Σんなしょっちゅう破られてないよ!?」

粋「お。兄貴調度いい所に
カラスが何か変なんだけど」

白「えーと。 誰探してるんだ?」はて。

彬羽「Σおい待て!こいつに聞くなら あらすじから何から最初から解説つきで話さなきゃならねえだろ!!」

家康「あはは。がんばれー」距離取りっ

蒼月「頑張れ副官。お前なら出来るよ 慣れてんだから」そそくさっ

白「よし 説明しろ」ふんぞりっ



粋「あのー 俺も何が何だか解らないんだけど」

小太郎「お前の扱い雑なのはいつもの事だろ。」わんっ







間。






白「えっと。つまり

芝居小屋の地下に変な奴が住み着いてて ひいきの役者をトップにする為にあれやこれやしてるんじゃないかって事かな?」うーん。


蒼月「若干混ざっちゃったけど だいたいそんなだね。」うん。



家康「お疲れ。」

彬羽「こっちの脳ミソが疲れる」げんなり。



粋「いやーねえだろ。
そんな血生臭い事件起きてねえし
カラス疲れてんじゃね? 本と現実ごっちゃにすんなよ」

彬羽「俺の疲れの大半は手前の兄貴のせいなんだがなっ」イラッ


千様「んー。そうねえ
芝居小屋の方は実際地下に通路とか無いわよねえ」

白「あるぞ。」

家康「Σあるの!?」

粋「Σえ!うっそ! 俺知らねえっ」



白「奈落があるだろ」

粋「Σあ。」


※奈落:一部舞台に開けてある穴。仕掛けや役者を乗せてせり上がってくる舞台装置


小太郎「成る程。 奈落があるって事はその周りに通り道も有るよな」わおんっ

白「道って言うかほとんど隙間だけどな」うん。




千様「そう言えば! ここ何年かあの芝居小屋で事故が多いって聞いたようなっ」はっ

蒼月「あ。そっか
外国のより地味かも知れない!日本ってネチネチじめじめしてるし!!」はっ



小太郎「ファントムが居る前提で話してるけど
多分その事故 この兄弟じゃ無いかな?」わおんっ


粋「あ。裏方手伝っててよく事故ってる」

白「裾ふんずけて よくコケるし落ちるな」うん。

彬羽「見習いの弟はともかく お前はプロだろうが」

白「アクシデントも余興にするのがプロだ」しれっ


蒼月「つまりコケ慣れてんだね。」


家康「まあ何やかんや言っても ファントムは実在なんてしないでしょ
あのお話ではヒロインをトップにする為にってロマンスだったけど、日本の芸能では女の子がメインとか無いしね」

千様「あ、それもそうね
なんか残念」



粋「つーか兄貴は 誰かに助けて貰わなくても自力で全部どうにかしてそうだしなあ 」

白「新人時代に嫌がらせする奴は全員泣かしたからな」どやっ

蒼月「こんな新人やだな」うわあ。





彬羽「そうか。やはり杞憂か」ふむ。

家康「うん。お前がノリノリだからちょっと本当に有るかもとか思っちゃったよー
この手の本気にするの珍しいよねえ
やっぱ疲れ?」あっはっは





彬羽(まあ 『ファントムは』居ねえって事か
どっちでもいいが。)

白「そういう事だ。」うん。


彬羽「Σ心を読まれた!?」びくっ

白「お前解りやすいぞ」




一同「?」




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【芝居小屋】



皐月「なあなあ。掃除のおばちゃんが まーた客席でオバケ見たって大騒ぎしとんのやけど」

つつじ「あー 見られたんかいな。

害は無いんやけどなあ。
あの旦那はん生前芝居お好きやったからなあ」苦笑。



皐月「霊感ちょっとでも有る人には見えるみたいやけどな。
白とかたまーに駄弁っとるし」

つつじ「せやなー。弟の方は微塵も気いついとらへんけんどなあ
ま、知ったら知ったでオバケ怖いとか騒ぐし 黙っときましょ」





シロ「お前ら よく平気だな」引。


つつじ「おお。出前お疲れさんどす」

皐月「人が集まる所にはオバケも集まるもんやで
ほらアンタの後ろにも」

シロ「Σやめんか!趣味の悪い!!」


つつじ(いや、ホンマにおるんやけどな。)





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