小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月29日

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一二三「白さーん ちょい川の氷溶かしてけろー」てててっ

白「氷? なんで?」はて。



一二三「笹舟に願い事書いて川に流すとお願い叶うらしいだ」きらきらっ

白「力ずくで叶える気か。」


粋「一二三ってさ。
やっぱカラスに教育されてるだけあるわ」うん。

千様「彬羽君が力ずくなのはケンカの時だけだから。
あの子なんやかんや神経細かいわよ?」





白「ま、いいけど」火ぼぼっ

一二三「わーい」きゃっきゃっ


粋「Σやっぱお願い聞いちゃうの!?」

千様「むしろ白君がワガママ片っ端から聞いちゃうから 無茶言うようになってるのよねー」うんうん。


シロ「お前心っ底子育てに向かんな」

白「うわ。子供に言われた」

粋「身に染みてんだろうなー」

シロ「Σ育てられた覚えが無 いやそもそも誰がガキか!!」むかっ




一二三「いい感じに溶けただー」わーい。

千様「ん?笹?
あれ 笹って冬でもあるの?」

粋「え?夏のもんじゃねえの?」

蒼月「違うよバカ。
それ七夕のイメージだろ 奴ら雪の中でも普通に青々としてるよ」コタツからもそっ

小太郎「掘りコタツに潜るとまた一酸化炭素中毒になるぞ」わんっ

蒼月「だって寒いんだもん
襖閉めてよ」ぶるるっ



白「この辺竹林あったっけ? 

あれ?これ」笹船じーっ



一二三「魄哉さんの部屋の床ぶちやぶって生えてきたタケノコの皮で作っただ」にぱっ

蒼月「Σうおマジで毟られてた!!
すんごい一部がハゲてたああっ」すざっ

小太郎「Σえ。嘘 確認早っ」ぎゃいんっ



白「蛇って寒いと動き遅くなるんじゃ無いのか?」

蒼月「非常事態に思わず体が動いたよ
あーまた帰ってきたら悲鳴あげるなあのジジイ」コタツ戻りっ

千様「アイツまだあのタケノコ育ててたの?」

粋「愛着沸いて切れないって 最早タケノコじゃなくなりつつ有る感じだよ

一二三あのな。人が大事にしてるもんは葉っぱでも勝手に毟っちゃダメなんだぞ」

一二三「Σダメなんだか!?」がーん。


シロ「うむ。その辺きちんと教えてやってくれ。」うんうん




白「魄哉が帰ってきたら謝ろうな
一緒に謝ってやるから」

シロ「こらそこ、秒で甘やかすな」


千様「何かしら。甘やかす対象はひたすら甘やかすタイプよね ほんと。」

小太郎「猫とか確かにな。
何か育てるのに向かないタイプだなあ」うーん。



粋「ぶっちゃけ兄貴にアサガオ育てさせたら 放置して枯らすか肥料やり過ぎて腐らせるかのどっちかだと思 Σぶはっ」

白「アサガオなんて放置でも育つだろ」

シロ「Σこらミカンを投げるな!」

白「よし潰したお前が跪いて食べろ 勿体無い」真顔。

粋「Σ俺悪くねえのにいっ!!」



千様「雑草育てるのは得意そうね」うん。

粋「Σ放置だろそれ! てか雑草て俺!?」

シロ「確かに踏まれれば踏まれる程強くなっておるような」

粋「Σいやほっといたらその辺から生える奴だろ!」




白「そっか。 役者として一人前にするには花がないってつつじがボヤいてたのは ペンペン草だからか。」納得。

粋「Σ裏でんな酷い事言われてんの!?」がーん。




シロ「すまん。納得した」

粋「もういいよ。」どよーん。

小太郎「あれ?白 今日は役者業は?」

白「年末は基本夜だけだぞ。体力持たないし」

千様「大変ねー」お茶ずずー。




一二三「あの、この笹舟どしたらええんだべか?」涙目っ

一同「忘れてた。」



蒼月「流しちゃえば?

毟ったもんはくっつかないし、どうせなら使ったげたほうがタケノコも満足なんじゃない?」

一二三「そんなもんなんだべか?」

小太郎「何をお願いしたいんだ?」わおんっ

一二三「来年も平和な一年でありますように。だ」


千様「えーと。それなら ダイレクトに白君にお願いした方が」

白「特に平和守ってるつもり無いぞ?」はて。

シロ「仮にも取り締まる側の者が言う台詞か」


一二三「じゃ。白さんにお詣りして 笹舟流すだ。」手ぱんぱんっ

シロ「Σ二礼二拍手だと!!」


蒼月「あ、そっか。
世間一般で言う神様なんだっけ。一応」

千様「彬羽君 ホント何を教えてるのかしら」



白(こういう時って黙って座っとくべきなのか?)うーん。

一二三「よっし!

さあお舟流すだよっ ん?」


小太郎「どしたー?」わおんっ



一二三「上から誰かの流した笹舟流れて来ただ。」キャッチ。

一同「Σこらこらこらこら!!」


シロ「Σやめんか! どこの誰か知らんが願いを込めて流したのだろうに!!
邪魔する事になるだろがっ」

一二三「Σあ」



小太郎「凍って引っかかってたんだなあ
あれ?このにおい。」くんくんっ



蒼月「思いっきりジジイの字じゃん」笹舟めくりっ

千様「いい歳こいて何て真似してんのあの男は。」うわあ。



白「なんて書いてるんだ?」わくわくっ

粋「Σこら兄貴っ」

蒼月「えー? 水で滲んでるけどさ

これ和歌じゃない?」うーん。




一二三「『ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは』

百人一首だべ。」

蒼月「Σう、うん。そうだねっ」びくっ

粋「お前何で読めんの?」


白「ちはや・・?」はて?

一二三「藤原の業平さんの歌だべよー」

小太郎「こういうのはちゃんと教わってんだなあ」

蒼月「バカラスも大概頭でっかちだからね
ちょいびびった」引。



千様「へー。成る程」ふーん

粋「姉ちゃん?」

千様「これ陰陽師のまじないよ
そいやあいつ 昔陰陽連に属してたわねー」

一二三「へー 何のおまじないなんだべか?」





千様「ふんっ!」

笹舟引きちぎりっ


一同「Σえええええ!?」ひいいっ




千様「意図が透けて見えるだけに気分悪いわっ
全く どんだけ寛容なのかしらっ」けっ


一二三「びええええええ!!」うぎゃああっ

白「よしよしよしよし。え?え?何でだ?」

蒼月「Σ知らないよ!! 何!?キレるような願いって何!?」

シロ「えーとだ。ほら一二三高い高いっ 」ヤケクソッ

粋「いや低い低い「Σ言われる気がしたわ喧しいっ!!」




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江戸城



家康「そいやさー。この前のあの笹舟なんだったの?
何かの呪術だよね?」

魄哉「何の事でしょう」しれっ

挿音「あー確かありゃ なんぞあって疎遠になった誰かにちょっとした幸運が起きますように的なアレらしいぞ」

魄哉「Σ何で知ってんですか!?」

挿音「この前 そのページ開いて寝落ちしてたろがよ」キセルすぱー

魄哉「Σしまった!年末の疲れがっ」がーん。


家康「何かあって疎遠?
え?何?昔の彼女?」にやにや

魄哉「んなワケ無いでしょうが。
成仏します?」数珠じゃらっ

家康「Σ数珠は凶器じゃありません!!」ひいいっ




挿音(そういう話がねえ辺りだけは きっちり坊主してんだよなあ。)うんうん。






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【常春の里】


朔日「何だかんだで 許されてるらしいね」うん。

翡翠「何をですか?
てか千里眼で覗きはお止めくださいと言っておりますのに。」


朔日「いやー

良い息子さんを持ってるね

翡翠「Σえ。ちょ何ですか!?
何で横向いてプルプルしてるんですか!?笑っておられます!?

本当に何なんですかあっ!!」







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