小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月18日

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玄関がららっ



粋「あー つっかれた。」ぐたっ

白「帰ったぞー」




小太郎「お帰りお帰りっ 遅かったな」わんわんっ

シロ「こら、玄関で寝るでないわ」

粋「疲れたんだよこのまんま寝かせてくれよー」ぐったり。



千様「偉くバテバテねえ

確か今日はー 年末だからお呼ばれ?」

白「お呼ばれって言うか 宴会に同席するって言うかだな」

小太郎「お役者も大変だな」わんっ




千様「あら?白君達の所の芝居小屋ってアフターオッケーなの?」

白「あふたー?」はて。

粋「基本は禁止。
けど、たまーにマジでお得意さんからゴリ押しされてしゃーねえってのは有るんだよ」


シロ「それで何故に見習いのお前が疲れとるのだ?」

粋「そりゃ見習い兼マネージャーだもんよ

要らねえって言われても着いてかなきゃいけねえんだよ!」くわっ!

小太郎「疲れた理由何となく解ったな」わおん。


粋「だってだって兄貴このとおり能面ヅラだしっ愛想ねえしっ

ほっとくと座敷静まりかえるんだもんよっ」

白「だからって あの無駄に高い店でどじょうすくいはどうかと思う」

粋「Σ空気が氷点下よりマシだろ!!」



千様「成る程。気疲れねえ」あらまあ。

シロ「粋が見習いになる前はどうしておったのだ?」

白「ん?別に?
それがいいって客しか そういうの無かったし」

千様「よし。やめましょ
他人の特殊な趣味は聞きたくないわ」


小太郎「あー 魄哉が言ってたな
人って金と暇持て余すと 刺激を求めて特殊な趣味に走りやすいって」わんっ

粋「あいつ犬に何話してんの?」



白「後は。そうだな

たまーに役者の癖に芸くらいしろ 盛り上げろって怒る奴も居たけど」ふむ

千様「あー やっぱ居たのね」


白「何でかいつもタイミング良く地獄太夫が乱入して来て 上手く盛り上げてくれたな。」

千様「うんそれ 絶対タイミング良くてかつけられてたわね。
地獄ちゃん常にスタンバってたわよね?」


白「ちなみに花代はしっかりとられた。」

千様「Σさすがプロ!!」



粋「あの姉ちゃん ストーカー対象からも金は取るのか」困惑。

小太郎「自分の芸に誇り持ってんだろなあ」わんっ

シロ「客もまさか 年の終わりに幽霊と宴会したとは思っとらんだろうな」




小太郎「まあ それで上手く行ってるんなら良「良くねえよ。 俺のメンタル持たねえよ」

シロ「確かにお前もだ。自分でどうにか出来る手練手管というか、そういう物は身につけておいた方がいいかもしれんな
プロであろう?」


白「相手が普通の奴なら問題ないくらいには出来るぞ

やたら見下したり馬鹿にしてくる奴には 更に上から見下すだけだし。」

小太郎「あ。性格的に無理だこりゃ」

千様「まあ 妖怪の群れのボスだし。その辺しゃーないわね

で、普通の人向けならどんなのしてるの?」



白「危ないからあんまやるなって言われてるけどな

えーと。」きょろっ


小太郎「なか危ないって何? なあ聞けよ怖いん

白「よし。このミカンでいいか。」

小太郎「Σ聞けよおおお!」ぎゃいいんっ



白「何か台の上にミカンを置いて。だ」すちゃっ

シロ「ん 扇子?」


千様「あ!知ってるそれ

開いた扇子をスーッと滑らせるみたいに投げて 台の上の物の近くに落とした方が勝ちってお座敷遊びね!」

一同(なんで知ってるんだろう。)



白「本当はそうみたいなんだけどな。

俺がやるとな」すいっ



スパッ


一同「Σ台ごと真っ二つ!!」ひいいっ



シロ「ふんっ!!」びしっ

小太郎「Σおお! ナイスはたき落とし!!」おおおおっ



白「その上どこ飛んでくか解らなくて危ないんだ。」むう

粋「そりゃ封印しろって言われるよ」うん。



白「ちなみに水芸も出来る。」


ちょろろろろろろろ。


粋「この時期むしろ嫌がらせだろ?
ちょ 冷たい冷たい」

千様「どこから水出てるのそれ?」






白「な?結局 俺はあんま無理しない方がいいんだ
死人が出る」真顔。

粋「Σ座敷で死人が出るって何!?」


シロ「まあな。 こやつが愛想良く接客しておるのも それはそれで怖いしな。」

小太郎「脳ミソが拒否って想像できない」うーん。

千様「粋君 お兄ちゃんのサポート頑張ってね。」肩ぽん。


粋「Σ俺がやりたい芸はそっちじゃなーい!!」





挿音「けどよ。 粋が見習いになってからのが 白の売上右肩上がりなんだよなー」帳簿めくりっ

一同「Σマジで!?」



千様「アンタそれ どこから持って来たのよ」

挿音「親父が副業の年末決算してるからよ

山積みになってたのパチって来たんだよ。」

シロ「副業だけで山積みか。」うわあ


挿音「手回んねえし何個か売却した方が良いって言ってんだけどなあ

あーやっぱそうだな。特にこの時期の売上爆上がりだわこりゃ やんじゃねーか」

粋「へ?俺?」



挿音「俺あ素人だから 想像だけどよ。

気い使いのが付いて来るから 一部のマニア以外でも絡みやすくなったんじゃねえの?
客幅増えたって奴じゃね?」

粋「Σおおお。なるほど!!」

シロ「ほう、思わぬ成果が」ふむ。



千様「だ、そうよー
粋君がお手伝いしてくれて良かったわね お兄ちゃん」にこにこ。

白「そうだな。」すたすた

小太郎「あれ?なんか拗ねた?」


白「拗ねてない
ずっと玄関で話し込んでると寒いし。」

シロ「む。確かに」



千様「あら、うっかり
上がりましょ 風邪ひくわよー」

粋「ぶえっくし!!」

小太郎「あー。さっきの水芸だな。」あーあ。




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白「これは新年にお年玉多目にやるべきか?」うーん。

魄哉「いえ。普通に大入とかで良いのでは?「それは嫌だ」きっぱり。


家康「面倒なお兄ちゃんだねえ。」火鉢ざくざく。







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