小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月17日

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【幕府公営診療所】



飛天「あー参った参った。
毎度夜中に酔っ払い担ぎ込まれるのやめてくんねーかなあ。」あくびっ

千様「あらー、大変ねえ
皆忘年会だ何だってはしゃぐものねえ」ふむ。


飛天「それだよ。
この寒波来てる中 道端で泥酔とか死ぬ死ぬ」うんざりっ

小太郎「毎晩長屋まで誰かが知らせに来るのか? 大変だな」わおんっ

飛天「いやもう最近泊まり込み。」

千様「Σえ。診療所に!?」

飛天「よくよく考えたら 長屋の方も寝に帰ってるだけだし
寝るなら患者用の布団あるし 急患対応即出来るし。
もうそれで良いような気がしてきたんだよなあ」





彬羽「職場と自宅は分けておかねえと精神が持たねえぞ」

飛天「お前にゃ言われたくないって。
毎日締め切り地獄お疲れさん」

千様「瞬殺されたわね。」

小太郎「ホント口喧嘩弱いな
何しに来たんだ?」わおんっ

彬羽「Σ手前らがメモ忘れて行ったからだろ!!」


飛天「あ。救急箱の中身なら適当に補充しといたたから 使った分だけ後払いでいいぞ」

千様「ほらほら。ちゃんと胃薬多目に入れてくれたわよー」救急箱ぱかっ

飛天「胃薬もだけど お前は胃にくる前にストレス発散しろよ?」

彬羽「無茶言うな。」きっぱり

小太郎「無茶なのか」わおんっ



千様「で、なあに?
診療所住み込みはメンタル持たないって。

オバケ?」

飛天「たまーに俺がここ来る前になんかあったらしいのが 出てくるけど無視して寝てる」しれっ

小太郎「寝れるのかそれ」

飛天「騒音には耳栓だろ?」

彬羽「ず太過ぎて何の心配も要らねえようだな。」引。




白「要するにあれだろ

仕事してる場所と休む場所分けとかないと ずっと仕事モードで精神疲れるって奴だろ?」ひょこっ

彬羽「Σまさかのこいつが意味解ってた!?」びくっ


飛天「あーそりゃ無えわ。
独りになったらいつでもどこでも勝手にスイッチ切れるもんよ」わははっ

千様「飛天君 思ってた数倍器用な子ね」

白「ちなみに俺は 舞台以外では常にやる気ないから凄く楽だぞ」どやっ

小太郎「うん。むしろお前は仕事ではちゃんとスイッチ入ってるのが凄いと思う」わおんっ




飛天「で、どした?」



白「そこの長屋が年末のドブ掃除してたんだけどな
足元見てなかったバカがハマって落ちてドロドロで 足痛いとか動けないんだけどどうしよう」むう。

千様「Σげ。粋君ドブにはまったの!?」

白「フチで足ごりっといったみたいだし
とりあえずそのまま置いてきた。」

彬羽「長屋の奴ら困惑してそうだな。」


飛天「年末ってちょこちょこしたケガ多いんだよなー。
よし、準備完了 はいはい案内よろしくー」

白「えーっと。こっちだ


多分。」

千様「無理にでも連れてきた方が良かったんじゃないかしら?」





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粋「Σおおおお!ちゃんと戻ってきた!
兄貴が場所覚えてた!奇跡っ!!」おおっ

白「踏むぞ。」


飛天「あー またでかい用水路に。

んで、どんな感じよ?」

粋「んー。落ちた時にフチでごりごりっと擦りむいたのがこの辺で

落ちた時にヌメって滑って捻ったのか 足首ガックガクで立てねえんだよなあ」うーん。

千様「Σうっわ痛そっ」

飛天「お前の事だから すぐ治るとは思うけど
とりあえず傷口の汚れ落として消毒かな。

ちょい彬羽頼むわ」包みガサゴソっ


粋「Σあだだっ!一気に引っ張んなよ!!」

彬羽「Σ両足ダメなわけじゃねえだろ!
踏ん張れこのくらい!」


飛天「よし。
すんませーん、井戸ちょいかりまーす 」すたすた。


おばちゃんA「あら先生。お友達だったんかね」

飛天「んーまあ ダチ兼常連って言うか」

おばちゃんB「あー 若い子はヤンチャするから」

おばちゃんC「いやあの子 ヤンチャも何も歩いてて勝手にズボッとハマったでしょうが
それより。昨日はうちの父ちゃんが夜中に担ぎ込まれたそうでー。 ホント申し訳な





白「大人気だな。」

粋「おばちゃん達って意味なくべたべた触るよな」片足ぴょんぴょん

千様「地域密着型の診療所の若先生だものねー。」納得



おばちゃんB「あれっ?こちらの兄さん 偉く先生と似てないかい?

あ?お兄さんとか?」

彬羽「Σこんな弟持ってたまるか!」

飛天「あーそれ イトコイトコ。
俺こんな 眉間に皺ないってー」わははっ


おばちゃんA「あらー。 顔似てるのに偉い中身違うんだねー」あっはっは。



小太郎「あ。彬羽が巻き込まれた。」

千様「いきなり胃薬使う事になんなきゃいいけど」



長屋の婆ちゃん「そりゃそうと先生。

年末年始の診療所はどないなってんですかの?」よろろっ

飛天「へ?
あー そこは。 そっかこの冷えじゃまたいつ症状が出るか かあ」うーん

長屋の婆ちゃん「多目にお薬出して貰うておいた方がええですかのう?」

飛天「んー。でも効かねえ場合灸とか整体とか。

あーもういいや 年末年始も多分そこら居るし診療所開けっぱって事で」


一同「Σえ。」


飛天「仕方ないだろ。
医療関係やる以上はよー 」

長屋の婆ちゃん「ありがたやありがたや」拝みっ



彬羽「いやお前 里はどうするんだ
仮にも一族の頭だろうが 正月留守は不味くないか?」ひそっ

飛天「Σあ。忘れてた」

彬羽「Σおい!!」



千様「んーでも、今の聞いて診療所閉めとけって言えないわねえ」

粋「だなあ。 年寄りの命綱みたいだしよ」足ぶらぶら




白「仕方ない バカラ「毎度お尋ね物だから替え玉出来ねえって言ってんだろ」

飛天「いっそ お前のストーカーの狐に化けて貰ってとか。」うーん。

千様「九尾ちゃんに恃んだら 飛天君の姿で白君に猛アタックするけどそれでもいいの?」
飛天「やっぱ無しで。」



粋「あの、ごめん
その辺の相談は俺の足処置してからにして貰えるかな?」足ひんやり血だくだく。

一同「忘れてた。」





ーーーーーーーー




【診療所】



おばちゃんA「あら? 新しい先生?」あらまっ

魄哉「いえ。年末年始の助っ人ですよ
たまーに来て たまーにお手伝いする程度ですがよろしく御願いします」にこにこ。




挿音「あのおばちゃんらも、まっさかこの国の実質トップとか思わねえよなあ」キセルすぱー。

家康「あの、天海って自分の仕事大丈夫なの?」おそるおそるっ

挿音「だから『たまに』っつってんだろ?
仕事の合間にだよ
新年は飛天が里帰りしてる間くらい暇だしよ」



おばちゃんB「いやー。外人さん?偉いねー
あ。タクアン食べれるかね?」手土産っ

魄哉「ありがたいです。
日本暮らし長いので何でも大丈夫ですよー」にこにこ。

おばちゃんC「あれ? てかアンタ この辺の人かい?
ちょいちょい見掛けるような」





飛天「お、さすが馴染むの早いな。
忙しい中ホント悪い」

魄哉「構いませんよ 僕も皆さんの健康有ってですし。」

飛天「あ、家賃勿体無いから長屋引き払ってきちまったわ
だから 極力診療所開かないし気軽にな」わははっ

魄哉「Σえ。」


挿音「まさかあいつ 診療所に住む気かよ。」うげっ

家康「つくづく地域医者が向いてんだねえ」






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