小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月5日

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粋「はーーーーーーーっ」深ーいため息。

挿音「なんでえ。辛気臭えな」


粋「んー。ちょっと夢見が悪くて
あーなんか体ダルい」ぐてーん。

家康「夢見? 何怖い夢でも見たの?お前ビビりだからねえ」あははっ

粋「お前に言われたかねーわ
夜中気分悪くて目が覚めて もっかい寝たらその続き見るんだぞ?
おちおち寝てらんねえよ」けっ

家康「うわ 思ったよりキツっ」


千様「夢ねえ どんなか話してみたら?
ほら、悪い夢は人に話すと浄化されるって言うじゃない?」

挿音「言うのか?」

千様「多分なんかそんなだったと思うわ」うん。

家康「適当だなあ

でも、いいかもね。話してスッキリしたらもうその夢みなくなるかもよ?」

粋「一個二個じゃねえんどけど。

まあいっか まず最近多いのが ーーーーーー」





間。







挿音「ひょっとして 心に闇抱えてねえか?」

粋「な?引くだろ?」ヤケクソッ


家康「普段がこんなのだから尚更こわああっ!」 ひいいっ

千様「夢独特のワケ解らさが更に怖さ増してるわっ」どよーん。




蒼月「なになに?どしたのー?」ひょこっ

家康「粋が悪夢に苦しんでるって言うから どんなか聞いたら闇てか病みだったんだよ」

蒼月「は? 何?怖い夢見て泣きそうなの?
うわー何それウケる」ぷぷー


挿音「日頃のストレスも関係あるかもしれねーな。こりゃ」

粋「うん。そんな気してきた」イラッ




蒼月「で、どんな?
厠の戸を開けたらオバケが居ましたとか?」

粋「おいやめろ。夜中に厠行けなくなんだろ」


千様「この程度でお便所行けなくなるんなら そりりゃそんな悪夢は辛いわね」ふむ。


挿音「あれじゃね? むかーし親父が言ってたけどよ
気持ち悪い夢見て目が覚めたら 枕の上にはちっせえ鬼がいるんだとよ。

だから頭を浮かせて 枕を勢い良くくるっとひっくり返しゃ鬼が振り落とされて夢の続き見ることはねえとか何とか」

家康「つまりお前にも怖い夢見て泣いてた時期が「うっせえ 自分は常に軍師に泣かされてんだろ」

千様「殿、撃沈。」南無。

家康「うう。言い返せない」どんより。



粋「それなら前にカラスに教わってやってんだよなあ」ため息。

蒼月「え。相談したの?」

粋「おうよ。その時はここまで酷く無かったからかるーいノリでよ」

家康「彬羽も大変だねえ」うわあ。

千様「何人子育てしてるんだって感じよね」うんうん。



挿音「じゃ枕が合ってねえとか?息苦しくて変な夢みんじゃねえの?」

粋「いやそこは 兄貴の買ったけど合わなかった枕コレクション日替わりで試してるし
ちなみにどれでも肩もこらねーわ」

家康「白って寝具マニアだっけそういや」

粋「兄貴は定期的に布団や枕やにツノぶっ刺さってダメになるから しゃーねえっちゃしゃーねえんだよ」

千様「どっちにしろマメに新調が必要なのね」納得。




石燕「あれ? 団欒に挿音さんが
今日お休みっすか?」ひょこっ

挿音「いんや。今日は親父が自宅で仕事だからよ
夜までは自由なんだよ」

石燕「あ。成る程
んじゃまた夜になったら江戸城って大変っす

Σん!?」二度見っ

粋「Σへ?何?」びくっ



石燕「あの、粋さん
最近変わった事は?」

粋「へ? 調度今、最近夢見が悪いなーって思ってたら昨日すっげえげちょげちょした悪夢だったって話ししてたんだけど

え?何?」



石燕「蒼月さんは見えてるはずっすよね?」おやあ?

蒼月「ごめん。ここの面子見えない人ばっかだからさー
騒ぎ見て楽しんでた」にへっ


粋「Σちょい待て!俺なにかに憑かれてんの!?」ひいいっ



石燕「憑かれてるっつか跳び跳ねられてるっつか締め上げられてるっつか」うーん。

粋「どういう状況!?」



小太郎「ん?どうし

Σぎゃいん!!お前何て物つけてんだよっ」

粋「Σだから何を!?」





白「バカラス これ何だっけ?」

彬羽「夢魔の1種だな。
悪夢で凹んでる奴を見付けると 取り憑いて悪夢を更にパワーアップさせるっていう 特技が嫌がらせ以外の何者でもない小型妖怪だ」

粋「Σ嫌がらせって特に意味ねえのかよ!!」


彬羽「コイツらを引っぺがしゃ悪夢は落ち着くはずなんだが」

挿音「なんだが?」



彬羽「異常に動きが素早く 捕まえるどころか触れるのも一苦労と言う ここでも嫌がらせに余念の無い面倒臭い奴等だ」

白「よし!1匹目」野生の勘っ

小太郎「おおおおお!!!」ぱちぱちっ

粋「Σえ。ちょい待って そんなに居んの!?」



石燕「見た目が悪夢そのまんまなんで 粋さんは見えなくて正解っすよ」さらり。

白「だな。 ぎっちり巻き付いてるのも居るし。」うん

粋「Σ聞きたく無かった!!」ひいいっ




彬羽「普通ここまで懐かれねえと思うんだがな」うーん。

挿音「コイツが悪夢にビビり過ぎて 多目に呼び寄せちまったとかそんなんか?」

彬羽「かもしれねえが、ひょっとしたら」ふむ。



白「よし。5匹目っ」

蒼月「天性のハンター凄いな
なんで掴めんの?」

千様(見えないけど 今回のが大物なのは解るわ)うわあ。




粋「あの兄貴 後何匹? いややっぱいい聞きたくねえ!!」ひいいっ

家康「はいどうどう。取って貰わないとまた今日も悪夢だよー」



石燕「お仕事中の魄哉さんに ちょっとお邪魔して聞いて来たっす。

何でも夢魔の類いは 遊び感覚で悪さしつつ、ついでに相手の苦しみやら恐怖やら、悪さで生じた感情を嗜好品にする
要するにオヤツに食っちゃうそうっすよ」

彬羽「やっぱりか。」


蒼月「あー成る程 生体エネルギー有り余ってる上、ビビりだもんね

そりゃ夢魔からしたら お菓子の家みたいなもんかもねー」



石燕「で、対処法としてはこちらさんを。」

彬羽・蒼月「成る程。」おおっ





白「よし。これで全部取れたかな」ふう。

小太郎「けど、まーだなんかずず黒いオーラみたいなのに纏わりつかれてるなあ」うーん。

千様「気分どう?」

粋「んー。 まだ重苦しいような」うーん。




石燕「はい。ここでカイコちゃんっす。」頭に乗っけ。

粋「お?アニマルセラピー?」おおっ





石燕「いんえ。夢魔に毒された粋さんの生体エネルギー 珍味代わりに食らって貰うんす」


ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞっ


一同(Σ相変わらず食事量えげつなっ!!)



粋「? えっと 今カイコが浄化してくれてるって感じ?」

蒼月「だね。 アンタほんと見えなくて正解だよ」うわあ。




白「カイコは腹痛起こさないのかな?」

彬羽「あんだけ食ってんだ 多少変なの入ってても薄まって毒にゃならねえだろ。」ちょい引。


千様「ともあれ これで粋君が怖い夢みなくて済むなら良かったわー」のほほんっ






挿音「あのよ、気になってたんだけどよ
さっきからお前 ひっ剥がした夢魔って奴等 そっちの箱に詰めてる感じだったよな?

んなもんどうすんだよ?」

石燕「ああ、そこは魄哉さんに頼まれたんすよ

使いようによっては素晴らしい特技です とか何とかって。」

一同(怖い予感しかしない。)






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江戸城




侍「夜分に失礼致します!
かねてより横領の疑いのあっ「お。来ましたね」


家康「え?自白?自首?」びっくり

侍「Σえ? は、はあ (この人誰!?)」



魄哉「後ろめたい事がある上に悪夢のフルコース。
いやー 解放されたくて吐き出したくなるのが人情ですよね

なんせ満足な睡眠が取れないのは立派な拷問ですから」

家康「やっぱお前怖いよ」うわあ。

魄哉「適材適所です。」にっこり。





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