白「何だこれ。」ちょいちょい
一二三「車輪ついてるだな」わくわくじーっ
挿音「触んなよ。まだ出来てねーんだよ」木材がたがた
粋「えーと。何か運ぶ奴だよな？」
シロ「ほう。トロッコと言う奴か
鉱山等でもよく使われておるな」ふむ。
挿音「おうよ。今年も冷えそうだし雪かきとかで使えんじゃねーかな？と思ってよ」一服。
シロ「む？ しかし トロッコならレールというものが必要なのでは。」
挿音「金属加工のが得意なんだよなあ。」キセルすぱー。
粋「Σうお！なんか出来てる！！」
シロ「これを全て1人でか！？」ひいいっ
白「何処まで続いてるんだろな」ほう。
一二三「白さん 見に行っちゃダメだぞ。
帰って来れなくなるべ」
粋「あ、幼児のがしっかりしてる」
挿音「つーか レール辿りゃ帰って来れんだけどな」
シロ「あやつを甘く見るな。
道しるべがあっても余裕で迷うわ」
挿音「ある意味凄えわ。
レール敷いてるとは言え まだまだガワのみだからよ
絶対触んじゃね
言ってる端から乗り込むな。」
白「痛い痛い。」頭ぎりぎり
シロ「馬鹿者。これは乗り物では無いぞ」
粋「そうそう。物運ぶための物だぞー」うんうん
挿音「ほれ。ちゃんと大将教育しとけや副官。」ちっ
彬羽「Σ俺のせいなのか！？」
白「襟首掴んで持ち歩くな」むう。
一二三「ダメだべ白さん
こう言うのは乗りたいなーってオーラ出しながらいい子で待ってるとちゃあんと乗っけてもらえるもんだ。
挿音さんの性格からしたら 良い子にしてたら乗り物じゃなくてもちっとくらいオマケしてくれるべ」
挿音「お前 ガキにどんな教育してんだよ」
彬羽「Σぐうの音も出ねえ。」
粋「いや兄貴も成る程じゃねえから。手ポンすんなよ」
挿音「あー コイツらに見つかったのが運の尽きか。
作業の邪魔はすんなよ」ため息。
白「しないしない。」きらーん。
シロ「どんだけ乗りたいのだお前。」引。
粋「つーか人乗っけるもんじゃねーって」
挿音「いやまあ年末年始で半死の親父くらいなら 運ぶの便利かなって思って作ってる所はあるけどよ。
結構重いしよ」
シロ「Σ仮にも実質徳川のトップ！！」
挿音「いや。親父酒弱いしよー
年末年始の世話がめんどいんだよなあ 」
粋「酔っぱらいをトロッコに乗せてガーッと運ぶとかそれこそヤバくねえ？」
彬羽「普通に気分悪くなるだろうな」
挿音「そこまで知らね。
付き合いとは言え 気分悪くなるまで飲む方が悪ぃわ。」
シロ「ド正論なのだがなあ。」うーん。
粋「つーか。仮にも僧侶が江戸城内で酒飲んだりとかその辺問題ねえの？」
挿音「仮にも坊主が関ヶ原で大暴れした時点で問題しかねーわ
今更今更。」
彬羽「江戸城色々麻痺してやがるな。」むう
一二三「なあなあ。難しいお話中ごめんだども。」袖くいくいっ
彬羽「ん？」
一二三「今のうちと思ったみたいで 白さんが潜り込んだら トロッコなんか発進しちまっただ。」
一同「Σ大人しいと思ったら！！」
挿音「あーあ。まだブレーキつけてねえから触んなっつったのによ。」キセルふー。
シロ「あやつならあってもへし折るだけだろう」うむ。
粋「だああ！レールだな！！レール辿りゃ見つかるんだな！？」
彬羽「コースアウトしてなきゃだがな。」
シロ「・・庭であんこ餅でも焼くか。」
挿音「だな。匂い嗅ぎつけて帰って来んだろ。」
一二三「探す気ゼロなんだな。」
シロ「毎度面倒見きれぬわ」きっぱり。
粋「えええええ。」オロオロッ
彬羽「夕方までに帰って来ねえなら探してやる
お前もいい加減馴れろ」
挿音「こんなもん馴れるのもどうかと思うけどな。」
一二三「おらは馴れただぞ。」えへんっ
シロ「おい。こやつの将来大丈夫か。」
挿音(この面子に囲まれてる時点で 普通にゃ育たねえだろなあ。)キセルふー。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【裏山】
小太郎「なんで空から降ってきたんだ？」わおんっ
白「楽しかった。」満足っ
小太郎「いや、会話しろよ」
白「知り合い居る所に落ちて良かった。
さて、帰るぞ」土汚れぱたぱたっ
小太郎「落っこちるのは良いのか
なあ、一緒に落ちてきた箱。車輪取れてるみたいだけど これも良いのか？」わおんっ
白「・・・・・Σえ。」
小太郎「せめて探そっか。」察し。
粋「だああ！もう日没なのに帰って来ないっ！！」ひいいっ
挿音「あんこ餅じゃ匂い弱いんじゃね？」
シロ「いっそ此処で汁粉でも作るか。」うーん。
彬羽「仕方ねえ。カラス共呼ぶか」げんなり。
一二三「今月何度目の大捜索だべかなあ。」あーあ。
