小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月19日

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千様「日が短くなってきたわねー 」障子閉めっ

家康「だねえ。灯りつけなきゃ灯り」行灯に火つけっ



粋「薄暗くなって来たし 怪談聞かねえ?」

小太郎「Σいつも半べそで嫌がる奴がいったいどうした!?」ぎゃいいんっ



粋「芝居小屋の掃除のおばちゃんに 面白いから読んでみろって本渡されたんだよ!
どんなか解らないけどとりあえず読んでみたらゴリゴリの怪談だったんだよ!!

このままじゃ夜中厠行けなくなるかし 皆で怖さ分散したら少しはマシになんじゃね?って

小太郎「うん。解ったから落ち着け お座りお座り」

家康「お前ホントおばちゃん受けいいよねえ」苦笑。

粋「おうよ。まさかあの穏やかなおばちゃんがこんなもん読ませて来るとは思わないし!」くうっ

蒼月「おばちゃん的には大して怖くなかったんじゃないの? アンタびびりだしさ。」



千様「・・・。」
家康「・・・。」


蒼月「?」




家康「ごめん蒼月。お前が怪談参加すると 変なの呼んじゃうから ていっ」ずぼっ

蒼月「Σあああ!コタツーっ!人でなしいい!!」ひいいっ

千様「ごめんねー。ほらこれもうどんだけ怖い話しか聞きたくなるのが人情じゃない?
終わるまで他の所で暖取ってて」


小太郎「えーと。魄哉の部屋なら個人用のちっさいコタツあるから。な?」

蒼月「いやもう何か眠「Σ冬眠はっや!ちょい引きずるけど我慢な!」

蒼月「え ちょ Σあだだだだだ!!」


がんごんっ ドタバタっ





千様「さて、じゃあ初めて頂戴。」わくわく

粋「色々と良いの?マジで。」







間。






シロ「何故俺まで呼ばれたのか」むう。

家康「人少ないと私が怖いんだもん。」

シロ「怖いならやめておかんか。」

千様「こういうのってビビり程好きな物よー

ほら始まるわよ」



粋「えーと。うわページ開けるのも嫌だなあ」


シロ(タイトルは『実録、現代の怪談』か。
それこそこの家の日常なのだがなあ。)ため息。



粋「よし。これ行こう


『それは曇の日の夕方でした。
洗濯物を干したままだったので家路を急いでいて。 ふと、近道をしようと思ってしまったのです。』」


千様「体験談形式ね。」ふむふむ

粋「『しかし、何処で間違ったのでしょう
気がつくと知らない山奥に居ました
慌てて道は無いか、誰か居ないか 探して居ると山の中に大きな一件の家が』」

家康「ふむふむ。」ごくり。



粋「ここで中に入るのが凄えよな。

『誰か居ませんか? おそるおそる小声で呼び掛けてみましたが返事はありません。

しかし、何やら物音は聞こえるので、そちらに行って見ました

途中 植えられた花が綺麗に咲き乱れて居ましたが、全て見たことも無い花だらけでした。』」

家康「アクティブだね。ほんと」うわあ。



粋「『がしゃん。がしゃっ

何の音だろう?
そう思いつつ そっと音のする部屋を覗き見み 思わず声を出しそうになりました。』」

シロ「おお。」ごくり。



粋「『そこに居た女の子は 己の腕を無造作にもぎ取っていたのです。
そして 思わずへたりこんだ私を見ると まばたき1つしないで 此方へゆっくりと顔を向けたのです

そう!まるで人形のように 無表情なその顔を!!』」


一同(Σいやこれコマだろ!!)



粋「この人は この後山の麓で失神してたのを見つかったんだとよ。

夢かと思ったら なんと着物の袂にあの家に咲いてた謎の花の花びらが!ってな。うう。こえー」ぶるっ


千様(珍しい花って 魄哉の盆栽ね。)うん。

家康(マニアだし 日本のじゃないのまで栽培してるからね)うんうん。



粋「まだまだこんなもんじゃねえぞ

この『鏡に写る女』とか。めちゃ怖えし!」くわっ


シロ(鏡子だな。)うむ。


千様「えーと。それは多分知ってるわ」

粋「Σマジで!?

んじゃこの『墓場に蠢く暗黒巨大怪鳥』とかは!?」


家康「町内会のお墓の掃除当番の飛天じゃないかな?
ほら あの長屋、交代制で掃除やってるし」ひそっ

シロ「なる程。確かに巨大な黒い鳥だな」うむ。



千様「ん?えっと
ちょっと待って 他のはどんなの?」

粋「え?どんなのって

ポルターガイストと談笑する男』とか
『踊る置物』とか
『戦場跡に立つ血染めの僧侶』とか
『消えた花魁』とかー
『鯉を貪る狐目の女』とかー」目次ぱららっ




一同(石燕、つくも神、魄哉、地獄太夫、九尾ですそれ)



粋「? なんで皆んな微妙な顔してんの?」

家康「いや。なんで解らないの?」

粋「へ?」



シロ「先入観という奴だろうか?」うーん。

千様「かしらねえ。 本の中の事って思い込みが強すぎるのかしら?」





コマ「カタタッ。」

粋「お。コマ 行灯の油補充さんきゅ」


コマ「カタカタっ」ぽろぼとっ!

粋「Σちょ腕落ちた落ちた!
留め具甘くなってんじゃねえの?ちゃんとメンテして貰えよー」



一同「いや。気付け」

粋「Σ何に!?」びくっ



コマ「? カタカタカタカタ」すたすた。




家康「ここまでおバカちゃんだったとは。」うーん。

シロ「だな。 最早清々しいわ」ため息。

粋「へ?だから何がだよ」

千様「んー。ここまで来たら自力で解るまで ネタばらししたく無くなるわねえ」

粋「へ?え?」



家康「じゃ他のもちょっと教えて
そしたら気がつくかもね。」

粋「? 何なんだよ皆して


じゃこの
天守閣の白い鬼』とか」

一同(Σどう考えてもお兄ちゃん!!)


シロ「Σいやいやいや!それ気がつかん方が怖いわ!!
タイトルでほぼネタバレしとるだろが!!」

粋「いやネタバレっつか この話は侍が出会っちゃった血みたいに真っ赤な目の鬼がめちゃくちゃ怖
家康「普段からその怖いのに睨まれて踏ん付けられて泣かされてるでしょお前!!」


粋「へ?



・・・・・ Σあああああっ!!!!」



家康「びっくりするくらい遅いよ!?」

シロ「疲れた。」ぐったり。

千様「ある意味粋君が一番怖いわねえ。」うわあ。






蒼月「ねえ。気になったんだけど。」もそっ

千様「あら蒼月君・・ 魄哉のコタツごと移動してきたわね」うわあ。


蒼月「大丈夫。微塵も怪談じゃないから変なの出てこないし。」

シロ「お前の今の姿のが問題だぞ」


蒼月「言うなチビ。

あのさあ。これ モデルが俺らの周囲の奴等だってのは即気がついたけどさ

誰が書いたの?」

一同「Σあ。」



蒼月「マジで体験談を集めたもんならヤバくない?
めちゃめちゃ人にバケモンなのバレまくってんじゃん
ほら、コマちゃんのとか この家まで来ちゃってるし」

シロ「そう言われてみれば確かに
だああ どいつもこいつも適当だからこんな事にっ」

家康「一度皆に注意しておいた方がいいかもねえ。」うーん。




蒼月「あ、良かった。俺のは無さそうかな。」ページぺらぱら


白「ん?蒼月何してるんだ?」ひょこっ

蒼月「ん?本見てる。」チェック継続中。

白「そっちじゃなくて
ま、いいや。

あれ?この本。」






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石燕「あれっ 白さんその本買ったんすか!?」

白「いや 粋が友達のおばちゃんに借りたらしい
で、挿し絵 これお前の絵だよな?」

石燕「あ、バレバレっすか?
いやー メリハリつけるのに絵が欲しいって言われたんすよ
久々の妖怪絵の仕事楽しかったっすねー」にこにこ。



白「で、文はお前か」

秋羽「Σか、瓦版のコラムのネタが浮かばなかったんで つい突発怪談ぶちこんだら人気になったとか何とかで」ぎくっ


石燕「瓦版に書いたののノリで複数話オーダー出されて流されるまんま出版されちゃったんすよねー 才能凄いっすよ」あはは。

白「実際モデルが居たら書きやすいよな 」うん。



彬羽「で、それがどうした。
おい、あんまりじっくり読むな」

白「安心しろ平仮名しか読めないし

ただ、追加あるなら 俺モデルのはちょっと背丈盛って欲しい」きりっ。

彬羽「お前それ悲しくならねえのか」

石燕「つか 怪談に背丈描写要らないと思うっすけどね」

白「俺はちっさくないけど、お前らがでかすぎるから悪いんだ」ふんっ


石燕「ん?平仮名しか読めないならなんで彬羽さんさだって解ったんすか?」あれ?

白「これの原稿。
書きかけの奴一二三が読む練習してたから何となく似てるなーって 」


彬羽「Σ一二三いいいっ!! 勝手に持ち出すなっていつも言ってるだろが どこ行った!!」









蒼月「あの一二三ちゃん?そこ俺の定位置なんだけど。」居間のコタツめくりっ

一二三「しー。」






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