小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月12日

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襖すぱーん!


魄哉「しまったあっ! 今日何日ですか!?」

蒼月「えーと。12日だね
つかジジイ寝癖寝癖」

魄哉「くっ 後3日とはっ」

蒼月「いやどしたの?マジで
今日休みだから寝倒すとか言ってなかった?」



魄哉「君 手先は器用ですよね?」メガネきらーん。

蒼月「老眼鏡を格好つけてかけんな
どう答えても嫌な予感しかしないんだけど」

魄哉「なら単純作業をやらせるのみ!
手伝いお願いします!ていっ」

ずぼっ

蒼月「Σぎゃーコタツー!
馬鹿馬鹿死んじゃうだろ!!」ひいいっ

魄哉「まだ10月です! 庭の亀も日向ぼっこしてたし問題ありません!
はい!お小遣いあげますから手伝いましょう!昨日の筋肉痛が今来てて辛いんです!!」ずーるずる。




小太郎「寝起きから元気だな。」わおんっ

家康「筋肉痛が酷いわりには 軽々と人1人引っこ抜けるんだよねえ
つか翌日来るならまだまだ若いね」あははっ

シロ「昨日のアレか。成る程」思い出しげんなり。







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【台所】



魄哉「という事で本日はマルゲールプーゲルクプフを作ります」きりっ

蒼月「冗談抜きで何それ」


魄哉「ほら。月末ハロウィンでしょう?
けど月末は江戸城てんやわんやになるんで 15日にハロウィンやるかーって話で」

蒼月「何かの菓子の名前なのは解ったけどさ
何?江戸城って幼児の集まりなの?」



魄哉「毎年残り2ヶ月が地獄と化しますからね
10月の内に思いっきりバカやって 戦に備えると申しますか」ふっ

蒼月「よく解った。
ちょいちょい勧誘されるけど絶対江戸城にだけは就職しないからな」

魄哉「Σしまった!」


蒼月「んでさ。ひょっとしてまさかと思うけどさ
まさか江戸城の人ら全員分作る気?そのえーとマルガリータ?とかっての」

魄哉「そこら売ってませんしね

仮にもハロウィンでおはぎ貰ったら悲しくなるでしょう?」

蒼月「Σ理由しょぼいな!
何百人分作る気だよこっちが悲しいよ!!」


魄哉「大丈夫です マルゲールプーゲルクプフは切り分けする菓子でしょう?
大きいのを作って切り分ける
これを繰り返せばかなり作る数自体は減ります」びしっ

蒼月「Σいやまずそれ知らないから!!」




家康「あのー。いっそ業者に頼んだら?
殿的には 年末のラッシュに備えて体力温存して欲しいんだけど。
洋菓子が良いんなら そのプフフ?じゃなくても近いの買えば良いんじゃないかな?」



魄哉「市販品では砂糖が足りません。
年末へ向けての滋養って意味合いもありますので。」

家康「完全に戦前のテンションだよね?
良いけど皆を糖尿病にしないでね」うわあ。


蒼月「つかさー料理なら バカラスの担当だろ?
なんで俺なの そもそもその何だもう名前解らないそれ どんなのか想像もつかないんだけど」

魄哉「指示しますので大丈夫です。

てか
砂糖増し増しのなんですよ?」

蒼月「Σあ。あいつ壊滅的に甘いの駄目だっけ」

魄哉「材料混ぜてるだけで気分悪くなるでしょうね」ふっ



千様「ちょっとー 何でアタシには頼まないの?」

魄哉「Σへ?」

千様「へ?じゃないわよ。 男ばっかでお菓子作りとか悲しくなんないの?
少しは頼りなさいよ」ぷんすかっ



蒼月「え?千ちゃん 料理とか出来たっけ?」

千様「出来ないしやらないけど お菓子作りって行為自体はお洒落じゃない?」

魄哉「すみません 撤収お願いしまーす。」

挿音「へいへーい。」

千様「Σきゃー投網っ
やめなさいよ アタシは猪や猿じゃないわよおお!!」きいいっ



魄哉「さて、ちゃっちゃと作ってしまいましょう」小麦粉まぜまぜ

蒼月「うん。
材料普通にあるんだね この家。」うわあ

魄哉「食料の備蓄は基本中の基本ですから」卵白泡立てっ

家康「天海、今は誰にも城攻めされてないからね?」







粋「お?いい匂い」ひょこっ

白「甘いものか?」ひょこっ


蒼月「Σぎゃー ヤバイの来た!!」

家康「Σほんとこういう時ばっかシンクロするよねこの兄弟!」ひいいっ



魄哉「トリックオアトリートです。
と言う事で普通はおもしろくありません。 このお菓子の名前を当てられたらあげますよー」

粋・白「Σ!?」


蒼月「Σその為にコレ選んだの!?」

魄哉「祭りは楽しんだもん勝ちですから」きっぱり。


家康「成る程。さすがはうちの軍師。
全て計算済みだね」おおっ

蒼月「徳川こんなのしか居ないのかよ!」卵黄まぜまぜっ




白「魄哉の考える事なら 図書室行けば菓子の本あるんじゃないのか?」ふむ。

粋「おお!それだ!よっしゃ 本漁るぞー!」だっ


家康「Σなんか謎解きやり出したけど!?」

魄哉「着眼点は良いんですがねえ
英語とドイツ語読めますかねえ? 」ふふん

家康「絶対お前が一番ハロウィン楽しんでるよね?」


蒼月「ねえ、このノリついてけないんだけど。」

魄哉「珍しい洋菓子作れたら 女の子にモテるんじゃないで
蒼月「手伝うから 後でレシピ。日本語でよろしく」






間。









彬羽「ーーーで卵白を泡立てたものを此処で静かに流し込み」

粋「違う違う!そこじゃねーって!」

白「名前が知りたいんだ」むう。

彬羽「Σ無茶言うな! 文法から何からいつの時代のだこれ!!」年代物の料理の本っ



シロ「よく読めもせんのに菓子の本に辿り着けたな」ほう。

粋「それは兄貴の野生の勘だ。こういう時は凄えぞ」どやっ

白「その本が呼んでる気がした」どやっ

彬羽「無駄特技にも程があるな」


白「で、さっき台所でガチャガチャしてたの見るとコレっぽいよな?」

粋「だな。
名前 上の方に書いてねえ?」

彬羽「残念ながら本がボロ過ぎて解読不可だ」

粋「Σえええ!此処まで来たのに!?」




彬羽「そもそもお前ら 何でこんなもん知りたいんだ?」

粋「え? 名前当てたら珍しそうな西洋の菓子くれるって言うから。」

彬羽「Σ幼児か手前ら!!」



一二三「おかし?」 きらきらっ


彬羽「どうにかして解読するから少し待ってろ。」本気モードっ

白「一二三、タイミングばっちりだ」









魄哉「さて、んじゃこっちのは家の皆の分ですかねー」ふう。

蒼月(マジで作業早いっ!)ぜーぜー。

家康「あれ? 名前当てたらあげるんじゃなかったの?」

魄哉「ですよ?
でも 名前当てないとあげません とは言ってませんねー」にこにこ。

蒼月「うわー。 言葉遊びのテンプレだね」ぐったり。


魄哉「そもそもハロウィンは イタズラと子供にお菓子配る日ですからね
此方が多少ふざけても問題無いでしょう?

はい、こちら殿の分です」

家康「ありがとう。私オッサンだけどね。」





魄哉「あ、ノドが焼ける程甘いのでお気をつけて。」

家康「Σそうだった ぐほああっ」げほごほっ





蒼月(1人でトリックもトリートもコンプリートしてるよこのジジイ)うわあ。


魄哉「という事で蒼月君もお手伝いお疲れ様です

あ、一気にかじると歯が折れますよ?」

蒼月「Σちょい待て!何を仕込んだ!?」





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