小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月11日

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江戸城


挿音「妖刀? どこの中2だよ」はあ?

魄哉「刀打つと片っ端から妖刀になっちゃう人が言いますかそれ」


挿音「だから最近カンカンするとすりゃ鍋とか調理器具にしてんだろが。」

シロ「成る程。彬羽がやたらと鍋が早く熱せられると不審がっておったのはそういう事か」

挿音「あー。俺の作ったのは使い手の性格に似るかんなあ」キセルすぱー

魄哉・シロ(成る程。熱くなりやすい)納得。



シロ「して、俺まで呼ばれるとはどういう事だ?珍しい」

魄哉「ええそこは転ばぬ先の杖と言いますか

まずは件の妖刀をご覧ください」がたごとっ


挿音「ん?気軽に出しても大丈夫なのかよ?」

魄哉「何故か僕が見てると比較的大人しいみたいなんですよ」

シロ「刀にも恐れが有るのか。」ふむ


魄哉「確かに暴れたら即へし折りますがね

はい。こちらがかの有名な 妖刀『鬼切』です」にっこり。

挿音・シロ「どう考えてもへし折ったら駄目だろ」


シロ「鬼切って本物のアレか!?
あの渡辺綱のあの刀か!?」

魄哉「ですねえ。
いやー綱さんお懐かしい 凄い堅物だったんですよ」あはは

挿音「なんで歴史上の有名人片っ端から知り合いなんだよ」

魄哉「平安時代に陰陽連に所属してたんでその流れですねえ
僕は酒呑童子の討伐には関わっておりませんが。」

シロ「Σあ。そうであった
どれがどれか混乱しておったが 鬼切は大江山の副将、茨木童子の腕を切り落とした妖刀か!」

シロ・挿音(あれ?大した事無くね?)

魄哉「茨木童子さん。この前もしぶとく白君に喧嘩売って カウンター1撃で沈んでましたね」ふっ



シロ「あの鬼は昔からあんななのか?」

魄哉「ですね。無駄にガッツある分面倒で
ついには人間と正面衝突したと言う。」

挿音「まあ どんだけのされても懲りずにリベンジ挑んで来るアホだからな」

魄哉「全く相手にされてないから命ある感じですよね
僕ならとっくにキレてます。」うんうん。


シロ「物騒だが同意だな。

して、その茨木童子の腕を落としたこの刀だが
どのような妖刀なのだ?」


魄哉「人間に憑依して 斬られた方と同じ右腕を刈取りに来るんです。」真顔。

挿音「あーそりゃ親父の所に持ち込まれるわ」


魄哉「僕は人間じゃないからか乗っ取られる事は無いようですがね。
一応国宝レベルの物なので 出来たら呪い取りたいなーと。」

シロ「お前呪うとか万倍にして返されそうだからだろうな」うむ。

魄哉「このメンツなら僕意外でも問題無いと思いますよ?」


挿音「けど、何も起きねえな
相手が動かねえと対処出来なくねえ?」

魄哉「それなんですよねえ

ですから 動かないなら動かせようかと」

シロ「ん?どういう事だ?」


魄哉「ここに鬼切を放置しておいて 誰かが乗っ取られて暴れたら 後は様子を見ながら臨機応変作戦とかいかがでしょう?」

挿音「ほぼノープランじゃね?それ」


シロ「ん?まさか 俺を呼んだのは」

魄哉「これに体乗っ取られたら 結局チャンバラになりますからねえ
僕らが下手に応戦すると宿主にされた人が即死ですし

刀の使い手で器用な人が他に思い浮かびませんでした。」

挿音「家康は刀向けられると国取り時代フラッシュバックして錯乱するしよ
あれこそ死人出るわ」

シロ「成る程。拒否したら偉い事になるという脅しか。」うわあ


魄哉「という事で しばらくこのまま放置しましょう

はい。向こうにお茶菓子ありますよー」すたすた。



シロ「よく呑気に茶飲む気分になれるな」ため息。

挿音「ま、いんじゃね? こんなんでも歴戦の軍師様だしよ
臨機応変でもどうにかしてくれるって」







間。






魄哉「こう来ましたか」うわあ。




シロ「すまん。説明を頼む」


挿音「鬼切に体乗っ取られてんのな。すっげえ真面目な今季入ったばっかの江戸城スタッフ新人でよ
次の剣術の試合で選手決定してる期待の新人なんだよな」

シロ「Σ間違ってもケガさせられんではないかっ!!」ひいいっ


魄哉「おのれ鉄屑 こしゃくな真似をっ」ぎりりっ

挿音「つーか武芸者は立ち入り禁止にしとけよ」


魄哉「まさかピンポイントで腕がたって攻撃出来ないの狙うとか思わないじゃないですか!」

シロ「頭なまっとらんか?歴戦の軍師」

魄哉「Σう。」





挿音「しっかしヤベえな。無駄に刀に馴れてる分
攻撃しねえでってのもキツ おっとあぶねっ」ひょいっ

魄哉「やっぱ問答無用でへし折っとくべきでしたかねえ。
ここまで知能があるとは よいしょ。」

ガキーン!


シロ「Σちょい待て! その数珠何で出来とるのだ!?」

魄哉「若い頃あちこちふらついてましたら古代アステカの生け贄の儀式で使われていたという 曰く付きの鉱石を手に入れまして「Σ坊主が装備してはいかん奴だそれ!!」

魄哉「オリハルコンとかあればそっちに換えたいんですがねえ。ムー大陸限定品ではちょっと無理がおっと危ない」ひらりっ



挿音「んで、どうするよ。
鬼切折る方で行くか?」

魄哉「ですねえ。勿体無いですが」うーん。


シロ「お前ら 殺る気満々の真剣の間合いに入れるのか?」


魄哉「さすがに大怪我するんで嫌ですね」

挿音「妖刀ブーストかかってっから無理が有るわな。」うん。


シロ「じゃいったいどうす Σどわああ!!」


魄哉「お。さすが 受け止めましたね」おおっ

シロ「Σ数珠で受け止めた奴に言われても嬉しくないわ!!」つばぜり合いっ



挿音「よし。 ツッコミ入れる余裕はあんな。

んじゃ俺が戻るまでどうにか耐えとけよ。」窓からひょいっ

シロ「Σえ。」



魄哉「よし!他に被害が出ない様に逃げ出し防止の結界張りますんでちょっと頑張ってて下さい」だっ

シロ「Σえ?えええええっ!?」ひいいっ




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女中A「あの 天海様?
天守閣の方が何かドタバタと」

魄哉「巨大な家庭内害虫です

強力殺虫剤焚いてるので絶対に近寄らないで下さい」真顔。

女中B「Σぎゃー!いやー!!」ひいいっ

女中C「あの 何かペタペタ貼ってますけど
アレって御札効くんですか?」

魄哉「奴等を甘く見てはいけません。
お化け並に厄介ですから」結界張り張りぺたぺた

女中A「イニシャルGってそこまで進化してたんですか。」ひいいっ




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シロ「だああ!帰りが遅いっ!!」ぜーぜー


魄哉「すみません遅くなりまし Σげ。木刀折れてますけど!」

シロ「Σ当たり前だ!普通に切り落とされたわ!!」

魄哉「え。んじゃどうやって防御を」

シロ「まだ柄がある Σどっわああ!!」

がしゃーん!


魄哉「Σ廊下ぶった斬り!?」ひいいっ



シロ「徐々に強くなっとる気がするのは気のせいか!?」

魄哉「なってますね。
あー こりゃまずいです。焦れて取り憑かれてる方の体の負担を無視して来てますね」ふむ。

シロ「Σおい!それでは早くどうにかせんと!」

魄哉「一か八か懐に飛び込んで 刀身に数珠巻き付けられれば腕力なら僕のが上「 廊下まっぷたつにする刀にか!?」


魄哉「加減しなきゃいけないってのが辛いですが それしか無いでしょう
援護お願いしますね あ。真剣ですがどうぞ。」刀ずいっ

シロ「おい。どこから出した」

魄哉「伊達に天海はやっておりません。」暗器の山じゃきんっ

シロ(これだけ武器があって1つも穏便には使えんのか。)うわあ





ちりーん。




シロ・魄哉「ん?」






襖すばーん!


挿音「よっしゃマヨイガ位置ドンピシャ!」

白「与一。刀な 」

石燕(与一)「心得た!!」弓ぎりりっ




鬼切ぱきんっ




シロ「Σおおっ 一撃!!」

魄哉「さすがは壇之浦の英雄っ」おおっ



石燕(与一)「ふははははっ! 波間に揺れる扇子を射落としし我が腕!まだまだなまっておらんわっ」どやあっ!


シロ「そのようやく活躍出来た感さえなければ更に良いのだがな。」

白「与一ここの所 頭パッパラなのバレまくっただけだったし。」うん。

石燕(与一)「お前にだけはパッパラ言われたく無いわ!!」むかっ




魄哉「はー。長距離武器良いですねえ
僕も持ち歩きますかねえ」うーん。

挿音「親父は何使っても凶悪な凶器になんだろかまよ。」

白「そもそも袈裟に仕舞えないぞ」

シロ「いや、前から気になっておったのだが
お前の袖の中は四次元にでも繋がっておるのか?」



石燕(与一)「落ち着くの早いなお前ら。

ん? Σおい!気を抜くな!」

シロ「ん?」

魄哉「Σまずい! 折れた刃がまだ生きてます!」

挿音「伏せろやシロ!!」



ざくっ


一同「Σ!!」







シロ「・・あの、その すまん。大丈夫か?」

白「めちゃめちゃ痛い。」血ぼたぼた。



石燕(与一)「Σ素手で刃物を掴むな!!」ひいいっ



白「なあ。これって茨木の血を吸ったから妖刀になったんだよな?」

魄哉「へ? そのはずですが
あのまずそれ握りっぱなしって「離したらまた動くんだろ?」

挿音「激レアな分 お前の本気の気合い怖えわ」うわー。

石燕(与一)「見とる方が痛いな

おい。今のうちに封印した方が良いのではないか?」

魄哉「で、ですねえ。」うわあ。


白「いや。大丈夫だ

茨木の血なんかに俺の血が負けるはず無いし」くわっ

魄哉「Σひょっとして呪いの上書きしてます!?」ひいいっ



挿音「そんなん出来んのかよ?」

石燕(与一)「いや知らん。私に聞くな」

挿音「お前も呪いの装備だろがよ
自分の事も解らねえの?」

石燕(与一)「普通あんなんやる奴おらんわ!
想定外過ぎて解るか!!」




魄哉「おや。鬼切の黒い刀身が真紅に。」

挿音「うおマジで上書きされてら。すっげ」おおっ



白「茨木懲りないから鬱陶しいんだよな
酒のんで会話にならない酒呑童子より少しはマシだけど。」むう。

石燕(与一)「成る程。茨木にムカついての負けず嫌いか
(本物のアホだこいつ。)」



シロ「いやその。
助けて貰って何なのだが
呪いの上書き以前に手は大丈夫か?」おろおろっ

白「だから物凄く痛いって。」きっぱり。







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