小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月17日

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【芝居小屋 楽屋】



つつじ「どない思う?」

皐月「どないって?」



つつじ「さっきまでバチバチにシゴかれとった粋はんどす。

なんやろなあ やる気無い訳じゃないっぽいんやけど
なんかこう。どう言ったらエエんやろ」うーん。


白「やる気があるのに なんかやる気が感じられない
なんか変な感じだよな」

つつじ「それやそれ!」おおっ

皐月「落ち着き。さっきのアンタと同じ事言っとるだけや」



つつじ「同じ意見なんやな。いう意味どす
普通やる気が無いなら こっちから見てもあーやる気無いわて解るやん?
あん人の場合 やる気は感じられるのに 見ててなんやろ。
必死さ感じひんのやろか?」ふむ。

皐月「お師さんでなく兄ちゃんとしてどう思う?」


白「んー。 多分だけど

あいつは欲が無いのかな?と思う」うーん。

皐月「欲?」



白「えっとな。
つつじとか極端だから解りやすいけど

芸事って上手くなりたいって思ったら普通その分頑張るだろ?」

つつじ「そりゃなあ。
上手あなりたいわー。て思っただけやったら何も変わらんし」

白「あいつの場合は それが上手くなりたいなー。で止まってる感じ?かな」

皐月「え。やる気はあるんやろ?」



白「多分だけど、
負けず嫌いだから頑張るけど
そんなめちゃめちゃ上達したい訳じゃないとかそんなのかな?」首傾げっ



粋「あいよー。今日も皆おつかれー

ほら茶飲んでみ? 淹れ方腕上げたと思わね?」にっこにこ。

皐月「あー。こっちのが楽しそうやしな。」納得。




白「元々自分で何かするより 誰かの手伝いとかそんなのが向いてるタイプかもしれない。
バカラスが そういう性質の奴も居るって言ってたし」

つつじ「あー。あん人サポート向きなん自覚しとるんやな」


粋「へ?何の話?」

皐月「どう説明したらええんこれ。」




つつじ「成る程なあ。負けん気はあるのに向上心は無いんか。
お宅のお兄はんでもこんなに見えて向上心はあんのになあ」

粋「Σ何か知らねえけど悪口!?」



皐月「え、向上心あったん?」

白「怒るぞ」むっ

つつじ「あんさんみたいに能面ヅラやと解りにくいねん」きっぱり。



粋「何だよ 向上心向上心ってー
俺だってそれくらい持ってるっての」むっ

つつじ「ほな、聞きますが

さっきお茶淹れとる時どない思うてましたん?」

粋「へ?

えーと。だから茶淹れるのも大分慣れて来たなーと
かなり腕上げたんじゃね?って」



つつじ「そこで ええ加減お茶汲み卒業したる!とか無かったんどすか?」

粋「Σあ。」

皐月「根っからこっちが向いとるみたいやな」うんうん。



つつじ「昔はガラ悪うてもガッツはあったんやけどなあ」あちゃー

粋「いやあれは単に荒れてただけっつか
つか、黒歴史思い出させんなよ」

白「これもバカラスが言ってたけど
サポート向きのは サポートする対象が無いとどうしていいか解らないから暴走しがち らしいぞ。」

粋「あいつそれ自己紹介してねえ?」

つつじ「暴走してテロリストなってたもんなあ」うんうん。



皐月「なんや、アンタ別に一人前なりたいわけや無いの?」

粋「いや。それはなりたいんだけど。
そう見えねえ?」あれ?



つつじ「尻に火がつかなあかんタイプか」ふむ。

白「見習い楽しんでやっちゃうから 必死にならないんだろな」うん


皐月「見習いすっ飛ばしてデビューした奴等がドヤ顔で言うかそれ。」


つつじ「わては此処が開店した時からおりますからなあ」

白「俺は1発OK出たからな。」どやっ


粋「2人とも凄えよなー」関心っ

一同(Σ此処焦る所!!)




つつじ「アカン。呑気過ぎてホンマに一人前に仕上がるんか不安になってきた。」頭かかえっ

白「見習いやってないから 見習いどう使えばいいのか解らないしな。」うーん。




皐月「あー。成る程。
しゃーない!私に名案がある。ちょい耳かしてみ?」

つつじ「お!どんなどす?」

白「根性無しに根性つける方法あるのか?」

皐月「まあまあ。試しにやな ひそひそ」



粋「え?ちょ 根性つけるとか
なんか不穏なんどけど え?え?」オロオロっ





つつじ「成る程。」にやり。

粋「Σ!??」びくうっ


白「よし。休憩終わったらちょっと残ってやってみるか」

粋「Σ何を!?」ひいいっ








間。





朱禅「ちゃーす。 出前持ってきたぞー
残って稽古かよ 御疲れさん

Σえ」



つつじ「あれまあ。 湯のみに茶渋が
あんさんちゃんと洗っとんどすか?嫌やわー、食中毒なったらどないしてくれますのん?」ネチネチ

粋「Σそ、それは洗っても取れな「口答えすんやおへん
取れんのなら取れるまで研きやす」


白「あ。ここホコリ。掃除サボるなよ見習い。」黄金の人差し指っ



朱禅「えっと 次の演目が 嫁いびりテーマとか?」

皐月「どんな演目やねん。

扱い悪くしたら見習い脱却したくなるかなー?って話やったんやけどな」


白「逃げたくなるくらい扱い悪くって コレくらいしか思いつかなかった。」指のホコリふーっ




つつじ「いややわあホンマに。
掃除道具もちゃんと片付けとらんし

よいしょと。」

粋「Σホウキを逆さに立て掛けんなよ!!」



朱禅「つつじの奴 姑ってかこういうの手慣れてねえ?」

皐月「男の癖に大概ねちっこいからな。」




粋「あの兄上。 普通の稽古お願いします
真面目に 真面目に取り組みますのでっ!」ひいいっ

白「姑効果凄いな。」おおっ




つつじ「なんや根性あらへんなあ
湯のみかて。ホンマはがしがし洗わんでもちょっとしたコツで綺麗になる言うんに。
ちょっと頭も鍛えた方がよろし
皐月「もうええ 帰って来い。」







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