小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月6日

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【常春の里】





旭「お? 何だ まーた変な物持ってきたのかよ」

夕霧「警備って言っても暇なんだよ

そもそもこんな所にケンカ売る奴居ないしさ」がたごと。

旭「だなあ。
外じゃ『夏』って奴が過ぎてそろそろ去るか?ってて話だけどよ

ここは常に春だし暇だわ眠いわ」あくびっ




夕霧「今年の夏は洒落にならないから 間違っても外覗かない方がいいよ」真顔。

旭「暇持て余して覗いたろ絶対」

夕霧「人間って何?弱い癖になんであの中で生きてるの?」


翡翠「特に今は 嵐なる物が来ておるので出ない方が得策だろう

私達なら問題は無かろうが わざわざ危険と言われてる所に行く必要も無いわ」

旭「前から思ってたけどよ
ここと外ってどうやって区切られてんだ?

同じ空の下のはずなのによ 気候も天候も違うってのはいったい」うーん。



翡翠「故に ここは人間共には桃源郷と呼ばれておるのだ。」びしっ

旭「インテリでも解んねーんだな。」ああうん。

夕霧「てか 狂い咲いてるの桃じゃなく桜だけどね。」


翡翠「で、何を持ってきたのだ?
私も今は暇でな」

夕霧「おっ 珍しい ちょっと待って」いそいそっ


旭「おい。勤務中なのにいいのかよ」

翡翠「今週のノルマが終わったのでやる事もない。

まして 万一外敵が来ようとも
このメンツが揃っていて 何か驚異になるか?」きりっ

旭(むしろ建物が壊れんだよなあ)


夕霧「はい、お待たせ

外の遊びでコッ●リさんって言う」

翡翠「お前 絶対外に出ただろ」

夕霧「Σあ」

旭「どこからツッコみゃいいのか解らねえけど、里の奴が許可無しに出るの重罪だかんな?」



翡翠「・・まあ良い
面白い物なら今回は勘弁してやろう
で、何をどうするものだ?」わくわくっ

夕霧「翡翠ちゃんも大概暇持て余してんだね。」

翡翠「時間が余るのに慣れておらんだけだ」きっぱり

旭「何もかも お前に任せて王サマは何してんだろなホント」





夕霧「えーと。 ほらこの文字の並んだ所に小銭を

これも外から持って来たものだけどさ」
小銭ちゃりっ

翡翠「ほうほう」

夕霧「で、そこに軽く指を乗っけてー」







朔日「おや。皆集まって何を 」

夕霧「『コッ●リさんコック●さん 降りてきて下さいませー!』
だっけな?」えーっと




朔日「・・・・」



ぱたん。




旭「おい。王サマ無言で退場したぞ」

夕霧「Σえ。なんで!?」

翡翠「掛け声がマヌケ過ぎたからでは無いのか?」

夕霧「Σええ!? 外のガキ共普通にやってたけど!?」がーん。

旭「お前まさか混ざって教えて貰ってきたのかよ。」うわあ







旭「言っておくけど、 それは一種の降霊術だから面白半分にするべきではないよ?」こそっ

夕霧「Σえ。うっそ」

翡翠「そんな事を遊びとしてっ!?
人間共 なんという死者への冒涜をっ!」


旭「Σ落ち着け落ち着け!ワケ解ってねえだけかも知れねえだろ!!」





翡翠「何なら その一帯滅ぼして参りますが?」くわっ

朔日(だから 気軽に出るなと行ってるのに。)うーん。



旭「落ち着け頭ガチガチインテリ

えーと。んじゃこりゃ処分かな?」

夕霧「まさか降霊術とはねえ。
うちの一族でもこんなので呼び出せる奴等居ないんじゃない?」

翡翠「ん? そう言われればそうだな

冷静に考えれば かなり高度な技術なのでは」



旭・翡翠・夕霧「・・・・。」

朔日「呼び出されるのが動物霊だからね。その分簡易なー って

それより絶対やりたくなってるよね?お前達」


翡翠「死者への冒涜とは思いますが、それに勝る知的好奇心と申しますか。」きりっ

朔日「はいはい。
見ててあげるから やりなさい

王サマが見てるなら軽々しくないでしょ」

旭「すっげえ投げやりだな」



夕霧「んじゃ、 とりあえず

さっきので呼び出しは出来てるのかな?」

くいっ

旭「Σお。動いた」


翡翠「『はい。』か たいした物だな」おおっ



朔日(この子達 いわゆる霊感は無いもんなあ
狸やキツネのオバケが適当に答えてると知ったら うん、言わないでおこう)うんうん。



夕霧「で、こいつらが はい、か いいえ、で占いしてくれるって話なんだけど」

翡翠「占いか。
特に占いたい事も無いな」ふむ



一同(女は占い好きって一般論を気にしてるな。)


旭「んじゃ俺しつもーん

明日の天気は晴れでオッケー?」


くいっ

夕霧「『はい。』だってさ」

翡翠「そりゃ雨など年に数回しか降らんからな
聞く必要あるのか それは。」


夕霧「ん?でもさ
なら当たりって事だね?

つまり信憑性は高いんじゃないの?」

翡翠「Σ確かに!
いやまだ解らんっ 次質問いいか?」おおっ


朔日「楽しそうで何よりだよ」うんうん。



翡翠「Σはっ 長すみません
除け者のような真似を

おひとつお試しになりますか?」

朔日「いやいらない。 その手のお腹いっぱいだから」※特技、先読み(予知)


旭「解ってねーな。

こういうのは遊び心が大事なんだよ」

朔日「確定している未来しか見えない私にそれを言うかね。」ため息



夕霧「ノリ軽いけど 凄い重い話じゃない?これ」ひそっ

翡翠「なぜあの筋肉達磨はこうもずけずけ物を言うか。」うーん。




朔日「遊び心ねえ

そうだね気軽にひとつ」


すいっ


夕霧「お、『はい』だって」

翡翠「何を質問されたのですか?」

朔日「さあ?」にこにこ。

旭「?
なんか 良い結果みたいだからいいけどよ」




ーーーーーーーーーー





白「ん?どうした九尾」

九尾「宇迦の奴がこっぴどく胃を傷めたらしくてのう
見舞いに行かねば」うーん。

白「うか?」

九尾「平たく言えば稲荷じゃ

あやつ お人好しじゃからのう
呼び出されて行ってみたら偉い圧のある相手じゃったらしく こりゃ間違い言えんわとストレスで胃がぼーんとな。」

白「ふーん?
キツネも大変だな」






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