小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月3日

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焔「おー。 雀飛ばされてら」おおっ

千様「はいお祖父ちゃんそこ退いてねー
雨戸閉めるそうよー」




焔「昼間っから暗くなんなあ
まあ畳やられちまうよりはいいか」しぶしぶ




コマ「カタタッ」首かしげっ

粋「うん、本気で台風過ぎるまで居座るらしいんだよな」げんなり。

焔「孫よ。台風の風雨の中 年老いた祖父が薄暗い家に一人ってのも寂しいとは思わねえか?」

粋「Σう」



白「じじいの家 マヨイガだから台風関係ないけどな。」

シロ「まず、年老いて見えん」

蒼月「びっくりするくらい若いよね」うん。

小太郎「見た目はせいぜい親戚のおっちゃんくらいだよな。」わおんっ



千様「そっか。 長寿の一族だものねー
若いまんま羨ましいわー 」

焔「おう。お誉めありがとよ。
女にトシ言うのも何だけどよ。姉ちゃんも大概凄えわ
ほぼタメでその若さとか信じらんねーわなあ」

千様「えー。アタシらはほら 『生物』とは言いがたいしー」にこにこ。




家康「もう一人のタメ歳がコレだからねえ」

魄哉「あー。雨の日は神経痛と肩凝りが」あー。


挿音「なんでタメトリオなのに 親父だけ爺むせえかな」肩揉み中。


魄哉「あちらが元気過ぎるんですよ
あー そこですそこ。」


挿音「おいシロ 上持て上。雨戸ひっかかってんだろが
ほれ。終わりっ」べしっ

魄哉「Σあだっ」


シロ(Σ届かんのだから仕方なかろうっ!)雨戸がたがたっ



彬羽「この辺を持てば上が引っ掛かる事はねえぞ?」ひょいっ

シロ「Σ届くか!!」むかっ


石燕「すんませーん。離れの雨戸ミスって飛んでったっすー」

粋「Σなんで!?」

石燕「重いんで必死こいてがたがたしてたら外れて そこに風がびゅうっと。」


挿音「あー。しゃあねえ
拾ってくらあ。」ちっ

石燕「あっしも行「飛んできたもんに当たったら即死すんだろお前。」


彬羽「重いか?」

白「石燕 基本筆しか持たないし。」

一二三「どっかのお嬢様だべか」





焔「ん?ちょい待て 全員集合か?
台風とは言え 人間の世界ってのはそうそう仕事休めねえって聞いたがよ。」



魄哉「その辺は職権乱用しました

災害時に外に出るなど言語道断。命大事にです。」


家康「徳川の治世では緊急の場合を除いて 災害時にお店開けたらしょっぴかれます。」

焔「問答無用過ぎて 文句も言えねえわなそりゃ」 納得。



蒼月「だから遊びにも行けないんだよねー 行くとこなーい」ごーろごろ。

シロ「そうか。 愚痴は鏡子にでも聞いて貰え」手鏡ことり。

鏡子「何か?」ダメ男を見る目。

蒼月「Σ何でもありません!!」ひいいっ



焔「しっかしよー

それだと台風ガンガン来る年は 民衆たまったもんじゃねえよな
この時期稼ぎ時だって奴もいるだろによ」むう。

魄哉「そこは 命令だけ出して放置はしませんよ。
大盤振る舞いとは行きませんが ちゃんと幕府から補助を出してます」

焔「お。さすが

トップが一人でやりたい放題ってのも こういう時ラクだな」おおっ



蒼月「あれ?でも事ある毎に幕府の財政ヤバイって言ってない?」

魄哉「最近災害多いんで もはや自腹切ってますよ」けっ


一同(Σ財政レベルの自腹って何!?)


魄哉「副業やっててホント良かったですねえ」お茶ずずー

蒼月「本業は天海なんだね」ああうん。

小太郎「そっか。めちゃめちゃあれやこれや経営してるもんな」

シロ「経営が副業とはいったい。」うーん、




石燕「そういや魄哉さんて 手製の御札1つでもめちゃ高価っすよね

1枚で千両箱が何個とか聞いたんすけど
あれ量産すりゃ あれやこれややらなくてもスゴい儲かるんじゃないっすか?」

魄哉「高いのにはわけがあるんですよ

1枚作るのにめっちゃめちゃ疲れるんですよね あれ。」



白「自分の羽抜いて機織りしてるみたいなもんかな?」ふむ。

粋「あー。そりゃキッツイわ」うんうん


魄哉「なんで鶴の恩返しなんですか」

千様「高値がつくもの作る鳥って言えばそりゃあね」




シロ「ん?ちょっと待て。
確かお前の札は魔物対策の為の物のはずだな?

それが千両クラスで売れると言う事はだ。 つまり世間はそれ程モノノケの被害に合っているという事ではないのか?」



白「一斉にこっち見るな。」

小太郎「だって白の管轄だろ」わおんっ

白「ぐれるぞ。」むっ



彬羽「残念ながら外れだ
そいつは こんなだがなんだかんだ言いながら役目はキッチリ果たしている」


焔「の はずだよな。
俺の時よか よっぽど平和って聞いてるわ」

千様(そもそもお役目果たしてたのかしら おじいちゃん。)うーん。


シロ「ではいったい 札を買っておる奴等は何と戦っておるのだ?」



家康「お前には難しいかもだけど
政治には時には嘘も必要なんだよ」真顔。

シロ「Σちょっと待てい!どこだ!?どこに嘘がある!!」



焔「ヤラセか。」ふむ

魄哉「お金ってのは ある所にはありますからね」ふっ


千様「つまりー

コイツの事だし 人としてダメでしょって 頭にバのつく金持ちの所で何か怪異を起こして

で、そこに よく効くのありますよって売り付けるとかそんなね」

蒼月「自演詐欺じゃん」うわあ。


魄哉「しっ仕方ないでしょう!! そうでもしないとホント色々回らないんですよ!」

焔「いんじゃね? コイツがそれやって心痛まねえんなら、そりゃやられた方が相当の焼け太りとかそんなだろ」

石燕「おお。さっすが大人
ドライっすねえ」おおっ

焔「長く生きてるとそりゃあな。
つか タメでこんなので動揺するとかどんだけピュアっピュアだよって気分になるわ」

魄哉「Σそれはそれで嫌なんですけど!!」


焔「汚れちまった悲しみよりはマシだっての

つーか。その仕込み? の方も外注なら気をつけとけよ。
人間にもたまに安倍晴明みたいな


お前こそこそ何してんだ?」


彬羽「狐の餌やりだ」きっぱり

九尾「ワイロなど受け取っておらんぞ?」もぐもぐ





シロ「そうか。 仕込み担当はお前か」ため息。

小太郎「そっか 何にでも化けれるもんな
そこらの人間じゃ勝てないし」しみじみ。



九尾「はあ?何の事だか解らんのう」すっとぼけ。

彬羽「やめとけ。この流れじゃ誤魔化せねえ」


粋「Σえ。ちょっと待て。 お前も手貸してんの!?真面目なのに!?」えええっ

彬羽「それで世の中上手く回るなら そりゃ多少の妥協はな。」

蒼月「ま、反対しても 妖怪側の大将がねえ」ちらっ

白「財政とか解らないし 魄哉が言うなら大丈夫だろ。」きっぱり

焔「なる程。 こりゃ裏切れねえわ」うん。




家康「て、事で皆納得したみたいだし

そんな凹まなくても」



「・・どうせ詐欺師ですよ。」じめっ



千様「あーはいはい 解ったから隅っこ行かないの。」




挿音「つーか そもそも公務員は副業禁止のはずなんだけどな」ずぶ濡れっ


魄哉「Σう。」



家康「Σおかえり。雨戸かなり飛ばされてたんだね。」

挿音「おう。難儀したわ」けっ



魄哉「えーと。そこはその」しどろもどろっ

挿音「頭が固えんだよ
俺は知らねー なーんも聞いてねえ。
おい手拭いくれー」



焔「これくらいの塩梅が調度いいのかもな」うん。

粋「ちょっと塩効きすぎじゃね?」




焔「まあ気にすんなって
アレだな 雨の日は気分沈むから 余計にくるんだろな」わははっ

魄哉「率先して沈めて来たの焔さんのような気もしなくありませんがね」どんより。




白「ん?雨の日ってそうなのか?」


千様「そうよー 気圧とかの関係でね」

蒼月「あー 特に女の子は気分沈みがちだから気をつけてあげるといいよね」

鏡子「ほう。」

蒼月「Σかっ鏡子ちゃんは 雨の日ちょっと繊細になるよねっ」びくっ

小太郎「本人含めて節操なしに口説きまくるからだぞ」わおんっ



白「つまり 女と神経痛は似たようなものか。」ふむ。

焔「違うと言い切れねえけど あんま外で言うなよ。」







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石燕(与一)「雨の日に沸きやすいのは 他にもおるのだかな。」

矢びすっ



九尾「おお。 当たった当たった
魑魅魍魎の類は普通の奴等には見えん物のが多いからのー

特に湿気が高いと沸きやすいのう。虫と同じじゃて。」

石燕(与一)「うむ。
あの金髪の札には魔除けの効果もあるのだから 高値で買っても損は無いのだがな

このレベルでは狩っても狩ってもキリがない」ため息。



九尾「これを だーりん風に言うと 女と神経痛とモノノケは似たようなもんじゃわいっ」くわっ


石燕(与一)「Σそういう事か!年期の入った女狐っ!」はっ

九尾「Σちょい待て!どういう意味じゃっ!?」







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