小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月30日

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江戸城



挿音「親父よー
ちょっと聞きたい事があるんだけどよ」天井からぶらんっ

魄哉「はい?」

挿音「もう御中元かなり来てるよな?」

魄哉「ですねえ
我が家の所在地 基本非公開ですし」貢ぎ物ごっちゃり

挿音「まあな。天海様に取り入りてえって奴はそりゃワッサワサ居るだろうし その辺はしゃーねえとは思うんだけどよ


いわゆるお取り寄せ系は無しって言えねえ?」

魄哉「すみません。運送関係で何かあったんですか?」


挿音「いや。運送は別にいいんだけどよ

ほれその。副産物が色々となあ」

魄哉「はい?」





挿音「ヒント。俺じゃ手に負えねえから家康に押し付けといた。」キセルすっぱー



ヤマネコ「Σシャアアア!!」ぶちギレっ

家康「Σあだだだ!いたいいたい痛いーッ!!
噛むの無しっ!!ぎゃーバリバリやめてええっ」ひいいっ

魄哉「Σすみません意味が解りま ちょっ殿ーーっ!!」ひいいっ





間。






ヤマネコ「ゴロゴロッ」マタタビへべれけっ


魄哉「白君に頼まれてた高純度マタタビが役に立ちましたね」ぜーぜー

家康「高純度とか言うと別物想像しちゃうね
Σあ。メガネばっきばきっ」

挿音(猛獣相手にしてよく生きてんな)



家康「まあアレです。
お前への御中元としてて運ばれる物の中に 現地のヤマネコちゃんが混入してたらしく」

魄哉「Σこのサイズがですか!?」ひいいっ

挿音「でかくても猫だしよ
隙間に無理くり入ってたのかもな

で、荷物が開けられると同時に逃げたっぽいのが街中の裏路地に潜伏してて それを俺が見付けたって話よ」

家康「でもって檻とか無いからどうにか手懐けろって押し付けられたよ」ふっ



魄哉「よくまあ 探し出せましたねえ
あ、殿 念のため消毒薬かぶってて下さい」

ばっしゃ

家康「Σ全身しみるうううう!!」のたうちっ


挿音「いや。俺もこいつ探してたわけじゃねーんだわ実は
マジで偶然な」

魄哉「?
指名手配の人でも追ってたんですか?」



挿音「暑かったもんで 夜勤明けの空きっ腹に冷酒これでもかとかっくらったら ちっと気分悪くなって裏路地に」

魄哉「街中汚さないで下さい」

家康「どうせ酒オンリーでしょ 若いねー」うわあ。



挿音「で、偶然コイツを見付けて暴れるから縛り上げて持ってきたと。」ヤマネコ指差しっ

魄哉「成る程。懸命ですね」ふむ

家康「で、縛られたまんま可哀想だからほどいたら齧られてたよ」

魄哉「死にますよ。」きっぱり



挿音「つー事で
元の所に帰すべきなんだろけどよ

どこのか解るか?」

魄哉「んー。動物の分布は得意ではありませんねえ
彬羽君に聞きますか
あの子夕方までバイトですから待たないといけませんが」ふむ。

家康「あ、でもさ

この辺には居ないものなんだし、地方の名産品とかピックアップして行ったら大体の見当はつくんじゃない?」


挿音「じゃ最近貰ったもんで地方のもんはよ?」


魄哉「えー。そうですねえ

どっちかと言えば菜食好みなのバレてるんで 鮮度が命って感じで近隣のものが多いんですが」うーん。

家康・挿音(味覚が完全に年寄りだからなあ)




魄哉「あ!海ぶどう頂きましたね!」手ぽん。

家康・挿音「Σ琉球ーーーっ!?」ひいいっ



ヤマネコ「Σにゃっ!?」びくっ




魄哉「そうなると 即座に帰すのは難しいですね

ちょっと間ここで預からないといけないかも。」うーん。

家康「あのここって江戸城天守閣なんだけ「とりあえず猫用のお手洗いと 水と生肉あればいいですかね」

挿音「おい。飼うなよ?」





魄哉「・・・飼えませんって あははそんなねえ?」

家康「何その間。」


挿音「こりゃ情が移る前に早く故郷に帰さねえと
飼い慣らされて野生に戻れなくなっちまわ」うーん。




ちりーん。



家康・挿音「ん?」






白「呼んだか?」ひょこっ


家康「Σヤバイの来ちゃった!!」ひいいっ!

挿音「言っとくがもう飼えねえからな!!」

白「へ?」



魄哉「あ。僕が呼んだんですよ さっき伝書鳩で。
ほら、白君 猫にやたらモテますんでヤマネコさんリラックスさせるのにいいかなー?と」

家康「Σいやいやいや!飼い慣らしちゃダメなんだよ!?」

魄哉「警戒して水飲まなかったりするとこの時期危険でしょうが」むっ



白「でかい猫 か?」じーっ


挿音「おう。

ん?どしたよ いつもなら3秒でデロッデロに慣らしちまうだろ
やっぱ野生は無理か?」




白「浮気するとねこが怖いから」ボソッ


家康「お前ひょっとして 飼い猫の尻に敷かれてる?」

魄哉「青天の霹靂ですねえ」うわあ。


白「前も 半日怒ってたし
普段あんなに喜ぶ 毛の手入れもさせてくれなかったし」うーん。


挿音「すげえな あの猫」うわあ。

家康「解りやすい本妻だねえ」




魄哉「んー。では 仕方ありません

えーと。ほらほら 猫じゃらしですよー
って ヤマネコじゃれるんで


ぞりっ




家康「Σ天海 手えええええ!!」ひいいっ

挿音「うっわ。一撃半端ねえ」



魄哉「だ、大丈夫ですっ いやー人外で良かったですよ
すぐ再生しま「Σお前そういうタイプの人外じゃないでしょ!!」


挿音「ほれ。消毒」消毒薬ばしゃっ

魄哉「Σあだあああああっ!!」ひいいっ


家康「あ。耐えきれ無かった。」





白「かなり気が立ってるな」うずうず


挿音「さて、どうするよ?殿」

家康「Σえ。私に判断しろと!?」

魄哉「そうですね。国内の種に関する事ですし
殿に判断をお任せしたいと思います」血だくだく。



家康「Σこんな時ばっかり!!

えー。えええ
このままだと他にもケガ人出そうだし
うーん。

白ゴー!
お前のにゃんこにはバレないよう 風呂入って着替えて帰って!!念のため猫のオヤツもつける
後の事は気にせず遠慮なくデロッデロにしちゃって!」

白「任せろ。」きらーん






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千様「白君。どうしたの その顔。」びっくり

白「別に。」ほっぺたザックリ。





粋「なんかさ。浮気した上隠そうとしたの 猫にバレたらしくてさ」ひそっ

シロ「何故に修羅場みたいになっておるのだ?」





ヤマネコ「にゃあああんっ」ゴロゴロッ


家康「Σうおう! まさか江戸城脱走してここまで!?」


白「Σ!?」びくっ

シロ「Σ自宅に浮気相手が押し掛けて来た様な反応するな!!」






挿音「アレ 野生に戻せんのかよ。」キセルすぱー

魄哉「大丈夫でしょう
白君以外は攻撃対象みたいですし」包帯ぐるぐる巻きっ

蒼月「あの、ジジイ。その手どうしたの?」




ねこ「フッシャアアアア!!!」ガチギレっ

ヤマネコ「Σふぎゃっ!? シャアアアッ!!」





コマ『逃げるのは男らしくありません』筆談。

白「コマ 通せんぼやめ『手を出したからには責任を取るのです。』






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