小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月9日

f:id:t00c:20200709094536j:plain





【幕府公営診療所前】





魄哉「・・・。」むう





白「遠目でも解る目立つのが居るな」

粋「この蒸し暑いのに よくまああんな厚着で居られるよなあ」うええ





彬羽「Σげ
お前この陽気にそんな格好で何やってんだ!?」


魄哉「Σ『げっ』て!?

あ、バイト帰りですか?お疲れ様です」


シロ「何を睨んでおったのだ?
ん?バカ兄弟もおるではないか」

魄哉「おや。いつの間に」


粋「あー。今日は色々あって午後の部無しになってさー」




白「稽古場風通し悪くてつつじがぶっ倒れたぞ
あいつ仕事熱心だし」

魄哉「Σ芝居小屋ツートップの片割れがっ!!」ひいいっ

粋「マジで空調どうにかしてくれよ オーナー」




魄哉「早急に手を打ちます
うっわあ。 マジですか」落ち込みっ




彬羽「おい。しばらく出張する気は無いか?」

シロ「お前ら 完全に俺を冷房器具として扱っておるな」


白「お。ムカつくとひんやりする」ひやっ

粋「Σやべえシロ逃げろ虐められ Σぐはっ!」




魄哉「あの。道端でどつき漫才やめてください」

粋「Σやってねえよ!!
つかお前は道端で何やってんだよ!」ずきずき




魄哉「んー。まあ どうせがらっがらですし

詳しくはあちらの診療所内で話しましょうか
暑いですし」


白「? 元気なのに入っていいのか?」

魄哉「幕府のパスがありますので

あ、でも ちょっと面倒なので色々すっとぼけといて下さい」しー。



彬羽「直射日光くらってるよりマシだが
お前その格好で診療所は縁起が悪くないか?」

シロ「袈裟は問題しか無かろうな」うむ。








間。






粋「うわ。ほんとガラッガラ」

白「皆元気なんだな」



魄哉「ならいいんですがね

あ、声小さく」ひそっ


彬羽「問題有りか?」


魄哉「先日までお願いしてた先生が歳で手ぷるぷるしてきちゃいましてね

老眼も進んでるしでこりゃ怖いという事になりまして」

一同(Σホントにこっわ!!)


魄哉「んで、先生交代したんですが

その新任の先生が どうも良くない噂といいますか。
しっかり試験で決まったんですが どうもそれも怪しい所があるらしく。」むう

粋「Σげ、マジかよ!!」



魄哉「で、今ちょっと 調査に行って貰ってるんですがねえ」

シロ「調査?挿音か?」





魄哉「いえ。もっと病人ぽい人です」



石燕「いやー。どうもありがとうございましたー」ぺこりっ

助手「はーい。
次の方どうぞー」



一同(Σ確かに生っ白い!!)





魄哉「どうでした?」


石燕「あー。ダメっすね

事前に魄哉さんに調べて貰ったのじゃ問題無かったビタミン不足。

ついでに鉄分も足りないとか言われたっすよ
イメージでもの言ってるっすねー」


シロ「成る程 仕事以外ではきっちり飯は食っておるしな」

石燕「日焼けしてない=鉄分不足って どこの女子のイメージっすか
むしろ運動不足によるあれやこれやの方が深刻なはずっすよ」ため息。

彬羽「解ってるなら鍛えろ」きっぱり

石燕「当社比で頑張ってはいるんす」きりっ



魄哉「で、診察の内容は?」

石燕「えーと。目の粘膜見られたのと

後、手出してとかそれっぽいのされたんすけど
何が解ったのか謎っすね」


彬羽「目の粘膜見たなら貧血かどうかは解るんじゃねえのか?」

石燕「その辺で既にアウトっすよね

更に 腕の痛みについて相談しようとしたら
詳しく聞こうとしないで『寝違えたんじゃね?』で終わりっすよ
ばりっばりの腱鞘炎なんすがねー」

彬羽「腕見たんなら腫れで解るだろが」呆れっ




粋(やっべえ。微塵も解んねえ)うわあ。




魄哉「成る程


審査員に袖の下渡して合格したバカボンってのは本当でしたか」ちっ

シロ「阿呆なボンボンあるあるだな。」うむ



白「審査員 びんびんに泣かされるなコレ」

彬羽「そりゃあな。
人の命預かってんだから当然だろ」



魄哉「あーもう。
こんななら千様が言うように 僕が医者も頑張ればっ」頭抱えっ


一同「まだやる気か。」


白「その前に芝居小屋の風通しな?」

魄哉「Σく!既に手が回っていない!!」がーん。


粋「兄貴ナイス」ぱちぱち






石燕「さて、そいじゃフォローの仕様の無いヤブって解った事っすし
帰るっすか?」

魄哉「いえ。外暑いですし
悪評立って誰も来ないですしもう少し居ましょう」


粋「えー。そんな奴の居る所気分悪いって」





魄哉「暇潰しに多少虐めても多目に見ますよ?」くっくっく

一同(Σ思ってた数倍ぶちギレてる!!)



魄哉「どうせだーれも来ませんしー

あーもう 庶民の健康の為にと苦しい財政切り盛りしてるのアホらしくなるってもんです」けっ


石燕「あの。その格好でやさぐれ怖いっすよ」





白「よし。んじゃ軽くイタズラしてやろう」

粋「Σえ。マジでやんの?」


白「面倒な患者が来るってなったら 次に来る奴手抜けないだろ?」

彬羽「おい。それは次の来手が無くなるんじゃ無いのか」


白「いいからいいから。お前らも耳貸せ」ひそひそっ







ーーーーーーーーーーー






粋「せんせえええー! うちの兄貴の髪が一晩で真っ白に!!」

白「完全に白髪だ」どやっ



ボン医者「Σえっ!ええええええ!?」


粋「ほら。弟の俺は髪色普通なのに!
朝起きたら兄貴だけ真っ白
何のタタリなんだかっ」くううっ

白「いやー困った困った」棒読みっ






シロ「兄貴が凄腕役者で 弟がへっぽこ見習いと認識しておったのだが 俺がおかしいのか?」ドン引き

彬羽「甘いな。 そこも含めて全力でバカにしてやがんだあれは」

石燕「こういうしょーもない事ホント得意っすよね あの人」




ボン医者「え、えーっと なにか物凄く怖い目にあったとか?」おそるおそるっ



彬羽「は?医者がそんな迷信を口に出すのか?
確かに強いストレスを与えれば毛根は外敵から身を護る為活動を控えたり以降白髪になる等等影響は受ける事はあるが

既に表に出ている、生えている部分には即座に影響は出ない
そもそもどういうシステムなら 一気に白くなるのか説明してみ

シロ「Σお前もか!!」



石燕「あれ?怖くても一気に白髪にはならないんすか?」

魄哉「指に血豆が出来ても 爪の先まで赤黒くならないでしょう?」

石燕「あ。成る程
伸びちゃってる部分は 本体とは違うんすね」納得




ボン医者「え。えっと」たじっ





シロ「すまん。
確かにヤブかもしれんが哀れになって来たのだが」


魄哉「人の命を預かるのにヤブってのが駄目なんですよ
後 解らないのに解ってるフリはもっとダメです
解らない人は専門家に頼るしか無いんですから」※政治、経営、軍師その他プロ

石燕「プロとしての心構えがなってないっすよねえ」※プロ浮世絵師



シロ(Σ各方面のプロ恐ろしい!!)



彬羽「おい。こんなもんで良くないか?
これだけプライド粉砕したら さすがに勉強し直すだろ」ひそっ

白「んー。だな
そろそろ引き上げるか」

粋「Σえ!?そういう目論み!?」

白「何だと思ってたんだ」

粋「え?
えーと。いじめっこかなー?って Σうっぎゃああああ!!!」


彬羽「Σ診察室で絞め技やめろバカがああ!!」




ボン医者(Σもうやだコイツら!!)びくううっ






近所の爺様「あの。先生 また具合が悪いんですがのう」ふらっ

一同(Σ患者居たのか!!)




シロ「不味い! 今医者はメンタルぼろっぼろだぞ!!」

石燕「うわっ ただでさえくっそヤブなのにこりゃ不味いっす!!」


ボン医者「Σ!!!」ぐっさああ



彬羽「死角からトドメ刺すな」

石燕「Σあ」




近所の爺様「先生 足元がヨロヨロじゃあ
どうしたらええんかのう」ふらふらよろよろ


一同(Σいや歳だろ!!)





魄哉「ん? いや何か違うような」ぴく

シロ「今回だけお前が診れば良いのではないか?」

魄哉「あ。それもそうで

ボン医者「あーー!お爺ちゃんだから言ってるでしょ!!

お爺ちゃん骨が弱いからこの薬飲んでねーって」



魄哉(負けず嫌いかーーッ!!!)イラアアッ!!





飛天「阿呆かあああッ!!」

頭すぱーん!!

ボン医者「Σぐはっ!!」




シロ「Σ何処から沸いた!?」

飛天「遊びに来たら お前ら居ねえんだもんよ!
土産腐るだろ!!」くわっ


魄哉「あ。これは御丁寧に」ぺこり

飛天「おう。井戸水で良く冷やして召し上がれ」ところてん。


石燕(ところてんの名物何処っすか。)
シロ(そもそもそれは腐るのか?)うーん。



飛天「さて。
という事で


ちょい失礼」袖まくりっ

爺様「ほ?」


飛天「はいはい。ちょっと器具借りるぞ

歳寄りだから解りにくいけど、皮膚引っ張ったら戻りにくいかあーこりゃあ。うん

はい。ちょいっとチクッとな
あー血液ドロッとしてんなあ」てきぱきてきぱきっ



彬羽(めちゃくちゃ粗いが腕は確かだからな)うんうん。



飛天「結論。脱水症状
そりゃふらつくな。 」びしっ


爺様「新しい先生かの?
しかしそんなに汗かいとりゃせんよ?」

飛天「お爺ちゃん それが怖いんだよ

汗ってのは結構じわじわと出てて蒸発もするんだよ。
ほら。水って暑けりゃ蒸発するだろ?知らない間に汗かいてんだよ 時間決めて水飲もうな?」

爺様「はー成る程」手ぽん。




魄哉「代謝の悪くなったお年寄りあるあるですねえ」うんうん

石燕「あっしも気を付けた方がいいっすか?」

魄哉「あー。デスクワークは確かに知らずなっちゃう可能性有りますね」




ボン医者「ちょっ!アンタ何なんだ! 人の診療所で」

飛手「うっさい。人命第一!
何だ 骨弱いから飲み薬って」ふんっ

ボン医者「カ、カルシウムサプリ「医者が市販品に頼るな」きっぱり




魄哉「あの飛天君 それくらいで」

飛天「ん? 別にケンカする気無いから良いけど」



ボン医者「アンタも何なんだ!!坊主なんて呼んでないぞ縁起悪い!!」

魄哉「八つ当たりやめなさい

金髪碧眼のクソ坊主で解らないんですか●●藩推薦の『凄腕』新米医者さん」


ボン医者「Σ!!」真っ青





石燕「まあ その辺に天海様ウロウロしてるとか思わないっすよね 普通。」

シロ「ウロウロどころか 主婦に混ざって井戸端会議しておるがな」





魄哉「恥を知りなさい恥を!

適当過ぎて見てて恥ずかしいっ
再教育プランを手配します 覚悟なさい!!」くわっ


粋「あ。ちゃんと手配してやるんだ」

彬羽「フルボッコが過ぎて不憫になったんだろうな」



爺様「んー。そしたら
先生がここの先生になるんかいのう?」

飛天「Σえ!?」




魄哉「あの。出来たらちょっと間お願い出来ます?

今回こんななったんで すぐには次の医者手配出来ないと思いますんで」


飛天「Σえ?ちょ
俺人間世界のそう言う免許持ってないんだけど!?」

魄哉「じゃ発行します」さらり
飛天「Σそんな適当!?」



爺様「先生よろしくお願いしますじゃ」握手。

飛天「Σ断れないっ!」ひいいっ






粋「なあ。あいつって カラス天狗のお頭だよな?」

白「カラス天狗の里めちゃめちゃ平和だし 出稼ぎと思えばいいんじゃないか?」


シロ「お前ら適当過ぎんか?」




魄哉「実力が伴っていれば何でも構いませんよ

あ。患者さんで実験とかはやめて下さいね」

飛天「あのな。その注意いるなら任せるなよ」




一同(Σ病院こわっ!!)






>サイトトップに戻る