小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月16日

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【闊歩 春一】





焔「あーーーっ!
涼しいっ」ぷっはー


粋「昼間から冷酒あおんなよ」冷めた目。

焔「だってよー暑いんだもんよ

爺ちゃん年寄りなんだぞ? ちょっとした寒暖差が骨身に染みるってもんよ」ぐびーっ


白「年寄りの飲みっぷりじゃないと思う」ぐびぐび



焔「いやー 雪ん子居ると夏場ほんと天国だな
ここでバイトって 英断だそりゃ」ぷはっ

シロ「誰が雪ん子か。」むっ





庵「で、なんで一族揃って 真っ昼間から酒盛り?」

白「そこで捕まって なんか飲めって言われた」



粋「ザルの兄貴はいいだろけどよ
俺そろそろつっれえんだけど」うぷ

朱禅「店汚したら タタキになると思え」包丁キラーン

粋「Σ洒落になんねえ!!」ひいいっ


焔「タタキ・・
あー初鰹食いてえな」

白「年寄りはそういうの好きだよな」ぐびーっ


ひな「鰹ですか
仕入れられる用に努力はしてみますね」にこにこ。

焔「Σおお!よっしゃ 頼んだ姉ちゃん」おおおっ





彬羽「ありゃ儲かるからな」
庵「高いもんね 初鰹」うんうん。



白「店員 お代わり」お銚子空っぽ


シロ「なにかムカつくな」イラッ


粋「あれ?結局お前ホール担当?
愛想良くなんて出来るのかよ?」




シロ「いや。皿洗いから始めるはずだったのだが
踏み台が高過ぎて転倒して大惨事にな」ふっ

朱禅「何度もぶっ壊れちゃ作り直してるから 彬羽基準になってんだよなあ」


粋「踏み台ほぼ50センチかよ。」うわあ


シロ「で、仕方がないのでとりあえずは雑用と。

本来店内冷却係だし しばらくこれで行くかと言う話だ」

焔「ほー。子供なりに頑張ってんなあ

ほれほれ 外国で言うチップやろう」うきうき

シロ「いやいらん。
貰う程の仕事しとら「まあまあまあまあまあまあ取っとけ取っとけ」



白「じじい べろんべろんだな。」

粋「がきんちょ構えるの嬉しいんだろなー」


ひな「もっとお孫さん達が構ってあげればいいのに」

白・粋「嫌だ。」きっぱり



焔「しっかしお前伸びねーなあ
牛乳飲んでるか?牛乳?なんならおいちゃんが牛一匹買ってやろうか?」べろんべろんっ

シロ「Σ喧しわ!!だいたいあれは骨太になるだけで伸びん!!」





白「うん。ホント伸びなかったな」ボソッ


一同「Σ!!?」


ひな「あのー。周りにやたら大きい人が居るので対比で小柄に見えるだけで
白さん自体はそんな小さくないと思うんですけど?」

白「そのデカイのに負けてるのが嫌なんだ」むう


粋「あームダムダ
兄貴変な所で負けず嫌いだから」


庵「負けず嫌いって 嫌がってもコレはどうしようもないんじゃ「今年四ミリ伸びた。」



朱禅「そっとしといてやろう」うん。





粋「で、お前雑用って何してんの?
芝居小屋の雑用と同じようなもん?」

シロ「そっちの雑用がどんなか知らんがな

主に客の帰った後の食器の片付け、言われた食材を用意する、店内掃除等か」

庵「ちなみに芝居小屋のは?」


白「えっと。

まず 楽屋の茶と茶菓子のセットから 衣装の手入れ
後は 変な客の始末とか?」うーん。

彬羽「おい。最後おかしいだろ」



粋「雑用兼見習い兼用心棒でーす。」ひゃほーい

庵「あー。酔っ払い独特のハイテンション」うわあ



焔「つーかよ。

この店なんて、用心棒しか居なくねえ? 」手酌っ

ひな「私は違います」きっぱり



朱禅・庵・彬羽「Σえ」


ひな「あら?それはどういう?」




白「やっぱ怖いのか?」

シロ「うむ。良く解らん圧がある。」うんうん

焔「ある意味一番の用心棒だな」酒ぐびー



白「ますます客が減らないか心配だなこれ
潰れたら何処で昼食べよう」うーん。


朱禅「おーい。まだ潰れてねえぞー」

ひな「何を御心配か知りませんが 今年は絶対大丈夫ですよ。

これからの時期 焔さんみたいに涼しさに連られての御来店が増えるに決まってます!」びしっ

焔「だな。 冷酒多めに在庫用意してた方が良いぞこれ」ぐびー。


粋「一人で在庫飲み尽くすのじじいくらいだっての。」




シロ「ふむ。それで役に立つなら良いが

仕事である以上他にも何かはしておかんとなあ」うーん。


白「客寄せになるなら良いだろ 指ぐるぐる巻きだし」

シロ「Σう。」


庵「うん。まあバレるよね」

ひな「見るからにお家で練習頑張ってますよねえ」うんうん



シロ「Σし、仕方なかろう!! 刀は持った事があっても包丁とかその辺は」あたふたっ


粋「新じゃがなら 剥かねえでも水につけて擦りゃ皮取れるぞ」

シロ「Σへ!?」



彬羽「そうか。元各種アルバイターだったか。」


粋「つーかよ。努力は勿論良いけどよ
こいつらレベルに飯作ろうとしても無理じゃね?
才能ってのがあんだし。

考えてもみろよ 俺がいくら頑張っても兄貴の芸風コピー出来ると思うか?」ひっく

シロ「へ? ま、まあ言われてみれば確かに」びっくり





焔「前々から思ってたけど あいつ酔っ払いの方が冴えてねえ?」ぐびー

白「基本自我とか意識とか飛んてだほうが使えるぞ」

ひな「どんな生活してたら飛ぶんですかそれ」





粋「つー事で
自分にあったポジションを確立?えーなんかそんなん!!
無理してもコピー品はコピー以上にゃ慣れねえからよ」うんうん。

シロ「ふむ。成る程」おおおっ




彬羽「あんな呂律の怪しい台詞 よく真面目に聞けるな」

庵「真面目だねー」



ひな「シロさんのポジションですか

あー。何と無く解りますねえ」


白「ん?どんななんだ?」




庵「えーと。

あっつい出前から帰ったら 手洗いする水を冷やしてくれてたり
さりげに魚とか腐りやすい物の近くに居たり
さっきの冷酒、密かに急速冷却とか!」どやっ

白「細かい気遣いって話なんだろけど 全部氷だな。」ああうん。



焔「・・ 良いんじゃね?
食材が新鮮で」

シロ「その間はなんだ」むっ

白「なんとかのひとつ覚えとか思ってるんだと思う」
焔「Σしーっ!!」



シロ「Σだからその辺はこれから覚えると言っておろうがああ!!」うがあっ

ひな「私達は助かってるので充分ですがねえ」




がららっ!



客「おいこら!昨日ここで飯食ったら腹壊したじゃねえか!!
悪いもんでも出したんじゃねえか!?ああ!?」

白「だから鮮度に問題あるわけないだろ」


ずどどっ!

客「Σぎゃー!!」





焔「つるべ落としに雷獣におとろし

まーた落下系妖怪ばっかし」うわあ。



白「全部気のせい な?」くわっ

客「Σはいいい!!」びくううっ



朱禅「おーい。うちの評判に響くからやめてくれ」

ひな「まあ、いちゃもんつけて金出せや系チンピラごときの戯言、誰も信じないでしょうけど」ふっ

庵「ひな。怖い怖い」





彬羽「なんだ 結局は過保護な師匠か」

白「なんの事だ」しれっ

焔「だからじーちゃんが気を遣って よっしゃ飲みに行こう て誘ったんだよなー」にやにや

庵「あー そう言う」にまにま






シロ「おい。何をこそこそやっとる
弟酔いつぶれとるが?」


白「その辺捨てとけ」きっぱり

朱禅「Σ百分の1でいいから血縁にも優しくしてやって!!」






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