小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月12日

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【割烹春一】



がららっ


ひな「あら シロさんいらっしゃい」

シロ「すまん。何か拭くものは無いか?」びっしょり

庵「Σうっげ! どしたの
傘忘れたの!?」





シロ「いや。傘は持っていたのだが
そこて暴漢に襲われてつい盾にした この通りだ。」

傘すっぱり


ひな「この辺の治安どうなってんですか。」うわあ



シロ「ちなみに こやつを蹴りつけて柄で殴り付けたら失神しおったので問題ない

濡れついでに番所まで引きずって行ってやったわ」ぶつくさっ


庵「なんでコレが道場剣法とか言われてんの?」

ひな「ですねー。 めちゃケンカ慣れしてますよね」ふきふき


シロ「Σだああ!頭拭かんでいい!!自分でやるわっ!」

ひな「あ、すみません。サイズ感的につい」

シロ「Σ!!」

庵「そこ。心まで冷えさせない」




朱禅「しっかし災難だったなー
ほれ。熱いもん食っとけ 驕りだ驕り」うどんとお茶っ


シロ「いや。経営ヤバイのは知っておるので そこは払わせてくれ」真顔。

朱禅「Σうどん一杯で潰れる程困ってねーわ!!」





ひな「そう言えばシロさんって

なんでシロさんなんです? ぶっちゃけ犬みたいな御名前ですよね? 」

シロ「そりゃ元ネタが知り合いの婆さん家の犬らしいからな」ふんっ

庵「どゆこと?」



シロ「なんでもあの阿呆が
適当に名前つけろと言われて思い付いたのが 知り合いの婆さん家の犬だったらしい
毛色しか似とらんわ!!」湯のみどん!


ひな「いえ。そうでなく

それまで名前無かったんですか?」

シロ「無害そうな顔してぐいぐいくるなお前。」


庵「あーうん。
その辺はね」うんうん


ひな「?
庵さんは知ってるんですか?」




朱禅「知ってるも何も。
この二人同郷の上
どっちも故郷裏切って逃走した御尋ね者だっての」

ひな「Σまさかのアウトロー!」おおっ

シロ「なぜ食いついとるのだ。」お茶ずずー




ひな「なんでなんでそんな事になったんですか?」わくわくっ


庵「ひな こう言うのホント好きだなー

えっと。 事の起こりは白でいいの?」

シロ「まあその辺だろ」うむ

ひな「はい?」



シロ「あんの阿呆が うちの一族のてっぺんと因縁が有るらしくてな

で、歓迎されてはおらん方だった為。
点数稼ぎをしたい貴族や役職持ちが子飼いの者をちょいちょい差し向けたと言う事だ」

庵「ちなみにつつじもそれね。
役者の前 暗殺者してたし。」


ひな「あら。お三方同郷でしたか。」ふむふむ

庵「そうそう
うちは亡き父上が結構偉かったから 自分の意思で突っ込んだら負けちゃった」あっはっは。

朱禅「よく生きてたよな。」




シロ「俺の場合は 元々子供のおらんかった本家に引き取られた途端、 実子が生まれたとかで持て余されて 体よく処分されろとぶつけられただけだがな。」ふっ


一同(Σ子供の癖に過去が重いっ!!)






ひな「・・ドンマイ。」肩ぽん。


シロ「いや 昔の話だからな
営業スマイルやめろ」


朱禅「あー。そう考えたら
養子になってから名前とか貰えなかった感じか?
お前も苦労したんだなあ」寿司そっ

シロ「ほんとに店潰れるから気遣いやめろ。

いや、名前はあったのだが 呼ぶ者のおらん名前なんぞ不要だしな


むしろ 面倒な者とは縁を切りたかったので
昔の名は捨てた。」どやっ

ひな「まさか新しい名前が犬とか思いませんもんね。」

シロ「思う方がおかしいわ!
しかし一度捨てた物を拾うなど侍の名折れっ!」拳ぐぐっ

庵「いやもう なんかその律儀さ犬で合ってるしある意味凄いセンスいいって。」





シロ「あの時 奴の名前を貰ったのかと少し感動したのが馬鹿であった。」ふかーいため息。


ひな「白さんとシロさん。確かに初対面名前かぶりと思いましたね」ふむ。


庵「それさ。思うんだけど

生れた子がアルビノだったからってそのまんま色の名前つける辺り 親の時点でネーミングセンス凄くない?




シロ「・・遺伝か?」

庵「だと思う。

男の子欲しかったからって男名つけるうちの父上も大概だけど。」

ひな(私普通でよかった)ほっ





がららっ





家康「うおうっつめたっ!!」ぶるるっ


朱禅「お?殿らっしゃい

なんだアンタも通り魔合ったのか?」

家康「Σ合わないよ!?どういう事!?」



シロ「家康は傘あってもびしょ濡れになるタイプだ」

ひな「あー。居ますねえ そういう人」



家康「お。シロ来てたの?
調度いい 私もご判断食べたら行くから手伝いお願い
あ、 メニューお任せで 天海のツケね」

朱禅「へいへい。
お陰で儲かりますわ」厨房ごそごそ

シロ「人のツケで高い物食っとるのかお前は」引。


ひな「手伝いって何かあったんですか?」





家康「畑中さん家のシロが難産でさー
獣医が留守だし 手先器用なの集まって子犬ひっぱり出そうとしてる」

シロ「Σ待てい!!あのシロ牝か!!」


家康「いやー こればっかりは彬羽無理だからね
力加減出来ないから怖くってさ

とりあえず医学なら飛天かなって事で 白が京まで九尾ちゃん走らせてるよ」ぐったり


朱禅「犬の出産一つで凄いなお前ら。」

家康「小太郎が頑張れ頑張れぎゃんぎゃん五月蝿くてシロに怒られてたよ」あはは。





庵「・・ドンマイ。」


シロ「もう何でも良いわ!!
役に立つかしらんが手伝いに行っ

ひな「それなら 沸騰してないくらいのお湯と乾いた手拭い
えーとそれから」うーん。


朱禅「よし。 ひな連れてけ
そっちのが絶対安心だ」

ひな「農村育ちですから」腕捲りっ


シロ「よし!母子共に助けるぞ!!」くわっ





家康「あの子なんかあったの?」はて。

庵「あーうん。
誰かさんにトドメ貰って吹っ切れた感じ?」



朱禅「あ、もいっこ。
なんでお前らんなサクッと故郷捨ててんの?」

庵「そりゃ あそこまで好き放題生きてる奴等見て堅っ苦しい息苦しいあんな里で暮らしてられないって。」


家康「少なくとも フリーダムではあるねー

わーい。お寿司お寿司っ」


庵(Σさっきシロが食べなかった奴!)



ひな「確かにフリーダムですね」うんうん






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