小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月1日

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魄哉「うーん。」悩。

戸棚大破っ


小太郎「ご、ごめんなさいっ」尻尾巻きがくぶるっ



魄哉「春先だからですかね
最近ちょっと野生が暴走しがちですねえ」むう


家康「野生が暴走でなんで戸棚が割れてるの?」

千様「蝶々がひらひらと家の子中に入ってきてー
それにじゃれた小太郎君が勢い余って戸棚に突っ込んだの」

シロ「じゃれると言うか 完全に狩りに行っておるな」うむ。




家康「元々この子狼なんだし野生が出ちゃっても仕方無くない?」

魄哉「狐でも人が育てれば人間にベタ慣れの犬みたいになるんですよ?」

千様「へー。そうなの?」



魄哉「あ、殿の事ではありませんので」

家康「うん。狸でも狐でもないからね。
なんでわざわざ言うの?」


シロ「飼い慣らされた殿 か。」ボソッ

家康「そりゃ育ち盛りに餌付けされたらねえ。」ふっ

千様「そこ認めちゃうのね」



魄哉「それに小太郎君は乳飲み子・・ 目もあいてるかなー?って子犬の時に保護したので そこらの犬より聞き分けが良いんですが

それでも本能には逆らえないんですかねえ」


蒼月「犬種はともかく そこで甘やかしちゃダメみたいだよ」ひょこっ

千様「あら?ごめんなさいしてるけどダメなの?」


蒼月「そこはね。反省してるならそれは良し。

けど、やらかしは更にその次のステップに繋げるべき らしいよ」ページめくりっ

家康「ん? お前何見てるの?」




蒼月「この前出版されたバカラス著の 犬猫飼育ガイド本。」

魄哉「一二三ちゃん向けにメモしたら出来が良すぎて出版されちゃったアレですか。」


千様「てか 読んでたのね。」

蒼月「Σそっ!そこらに有ったから暇潰しにだよっ」


家康「あ。『シャンプーを嫌がる場合』と『犬に距離を置かれる』にフセン貼ってある」

魄哉「気にしてたんですか。」うわあ

蒼月「Σは!? 俺のじゃないし」

シロ「いや、バレバレだぞ」




小太郎「ごめん。 蒼月気を抜くと尻尾引っ張るもんだから。

後なんか 性格的に合わない」わおんっ

蒼月「少しはオブラートに包めよ 犬っころ。」




魄哉「ふむ。 フセンの量が凄まじくて読みづらいですが

確かにコレは参考になりますねえ」ページぱらぱら


千様「次に繋げるってどうしたらいいのかしら?」

魄哉「要は人間の子供と同じですよね

ならば。 です」








間。








蒼月「で。なんでコレにしたの?」

魄哉「我慢、自制心を鍛えるには調度良いかと」



石燕「Σうっお!何すか
床に将棋の駒びっしり!!」びくっ

小太郎「Σあああ!触るなあああ!!」ぎゃいいんっ


シロ「何でも 並べた将棋の駒を倒したくなる衝動に打ち勝ち。
尚且つ倒れぬ様 見張るという修行らしい」


石燕「なんでそんなメンタルに来る修行始まったんすか」

千様「戸棚が大破したからよ。」きっぱり

石燕「見事にさっぱり解んないっす。」





魄哉「では。僕はこれからお仕事なので
夜には帰りますから 駒倒さないで下さいねー」頭巾かぶりっ

小太郎「Σええええ!丸一日!?」ぎゃいいんっ!

魄哉「いえいえ今からですので半日ですよ。
では頑張って下さいね 行ってきまーす。」

千様「行ってらっしゃい てか目立つから江戸城で身仕度した方が絶対いいわよー」




小太郎「はははは半日って。」オロオロ

蒼月「いっそ。そっとここを押せばすぐに楽になれ

シロ「そこ。早々に悪魔の囁きやめろ」



蒼月「Σだああ!ちょっとコレとってよ!!
千ちゃん酷い 御札剥がしてよっ」しびしびっ




千様「倒しちゃダメと力入れるからキツいのよー
倒さなきゃいいって軽く考えましょ」ガン無視。


小太郎「う、うん

うっかり蹴らないようにしなきゃ」どきどき

シロ「出来るだけ近寄らなければ大丈夫ではないか?」

家康「んー。後は振動も怖いかなあ」




襖すぱーん!

粋「たっだいまー! いやー午前中なのに稽古疲れた疲れたっ」


シロ「だっから揺らすなと言うとろうがああ!!」


ぱきぱきぱきーん!!




家康「倒れてない!?」

小太郎「セセセセセセーフ!!」わたわたっ





粋「」氷漬けっ



千様「粋君ごめんね。夕方には溶かしてあげるわね」南無。

蒼月「嫌なオブジェだなあ。」しびしび




白「ただいま。疲れた」よっこいしょ。

小太郎「Σ縁側から入るなああ!足元足元っ!!」ぎゃいいんっ






ばささっ


飛天「ちゃーす。 遊びに来


シロ「入るなら玄関からにしろ」くわっ

飛天「は。はーい」 びくっ





家康「どっちかと言うとシロのが番犬ぽくない?」

シロ「Σ誰が犬か!!」

白「だから犬の名前つけたんだぞ」しれっ

飛天「名前の由来もアレだけど
なんでお前頭にツララ刺さってんの?」

蒼月「動物の躾だよ。」しびしび

飛天「あー。成る程」納得

蒼月「俺見て納得すんなよ。」むかっ





白「えーと。 つまり

この駒が倒れちゃうとダメなんだな。」

シロ「うむ。小太郎が困るので絶対にやるな。
動物を虐めるのは最低だぞ」

小太郎(白に一番効く言い方してる辺り こっちが飼い主か。)ふむ。

石燕「小太郎さん。犬独特の上下関係分析してるっすね」





コマ「カタタッ?」ひょこっ

白「違う。コマじゃなく駒な」



小太郎「Σあああ!コマの足元おおお!!」ぎゃいいんっ

シロ「コマ!退けいや動くなそのままそのままあああっ!!」ひいいっ



一同(思ってたよりキッツイこれ!!)ぜーぜー




飛天「あの。茶貰って良い?」

白「いいけど駒に当たらないようにな。」

コマ「カタカタ」

白「いやそっちのコマじゃ
シロ「だああややこしい!!」イラッ


飛天「うう。当たらない様そっち廻るのすっげえ大変」おそるおそる

蒼月「いや。羽引っ込めなよ どんだけ場所取ってんだよ」



千様「夕方まで持つかしらねー」

家康「うん。主に小太郎のメンタルがねえ」







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江戸城




挿音「まーた 鬼みてえな躾の仕方を。」


魄哉「忍耐力、自制心を鍛えるにはアレが一番なんですよ

ま、『やってはいけない』を強く意識させる為の特訓なので
失敗しても構いませんからね」

挿音「あー。俺もやられたなあ。思い出したくねえわ」



魄哉「三十秒で癇癪起こして蹴散らしたのにはビビりましたよ」ふっ

挿音「将棋の駒死守なんざアホらしくてやれっかよ
まともにやる奴の気がしれねえわ」キセルふー。








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