小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月30日

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【芝居小屋】




粋「なあなあ 表の工事何事だよ」


皐月「あれ?聞いてへんの?」

粋「?
何を?」


皐月「こらそこの兄ちゃん 見習い弟にちゃんと教えとったらなアカンやろ」



白「何を?」きょとん。

皐月「あかん。兄貴は兄貴で脳ミソもずくやったわ。」


白(俺の脳みそヌメヌメなのか。)うーん。




つつじ「えーとなあ。

春の恒例でなあ お得意さんが道端に贔屓の役者の看板つけた桜の木を植えるんどす

俗っぽく言うと『推し』へのラブを全力で形にしたもんやな」

粋「うっわー 暇持て余した金持ちの道楽感がすご
「思っても言うな。」




皐月「春になるとお客さんらも元気もて余してちょいちょい暴動起きるから これで目眩ましして発散させそうっちゅう目論見や」

粋「あ。成る程。」納得


つつじ「いやー。派手になるし看板つきやしええ宣伝になるわー」ほくほく。



皐月「ちなみにめっさ貢がれてご機嫌やで」

粋「あーうん。腕はいいんだよな 腕は」



つつじ「役者が人気あるのはエエことやん
腕認められて嬉しいのは当たり前どすえ?」

粋「いや。そうなんだけどさ
名前デカデカとかけられて恥ずかしくねえ?」





皐月「ちなみにお宅のお兄ちゃんに貢がれた桜はあっちや。」指さしっ

粋「Σうっお!くっそ派手!!でかっ」ひいいっ




つつじ「こん人はファンまでいちいちド派手やからなあ」うーん。


粋「あれほんとに桜かよ。」

皐月「なんか知らんけど ド派手感ナンバーワンの八重桜らしいわ。」

粋「うえー また高そうな」





一同(どこのセレブ転がしたんだろこのモズク頭。)

白「なんで不思議な物見る目で見られてるんだ」むう。





粋「しっかし すっげえしきたりもあるもんだよなー
そっちもちゃんと勉強しとかねえと。」苦笑。


つつじ「せやな。
けんど それよりちゃんと桜の数本貰えるような役者にならんとなあ

ゼロやったら一年形見が狭いえ?」にやっ

粋「Σうげ!今からプレッシャー!」ひいいっ



皐月「例年よりようさん貰たからはしゃいどるな。」

白「今年ゼロだったらどうしようとかハゲそうになってたもんな。」うんうん





地獄太夫「おんや。
名つきの桜とはお懐かしい」どろんっ

つつじ「あれ おこんにちはー
昼間から往来に幽霊どすか?」

地獄太夫「幽霊が夜しか出ないなんて決まりはありんせん
昼間は生きてる御人と区別がつきにくいだけにありんす」にこにこ。



皐月「あ。ビビリ固まった。」

粋「」



白「あれ?解ってなかったのか?

ほら、あそこの女とか 走ってる子供とか
よく見たら時どき透けて
粋「Σだああああ!聞こえない!!何も聞こえないいい!!」耳塞ぎっ

つつじ「やめんかい。いじめっ子。」



皐月「大概にしときや アホな事して寝小便されても知らんで」

白「有りそうでやだな。」うわ

粋「Σしねえよ!!」




地獄太夫「しかし 桜でありんすか。」ガン無視。

つつじ「この御人マイペースやな」





地獄太夫「花街でもよく見た光景でありんす
お懐かしい
贔屓に桜を送るんは万国共通でござんすな」にこにこ。


皐月「いやそれ ごっついコメントし辛いわ」



地獄太夫「・・Σはっ!」


つつじ「Σはっ やおまへん!!
確かにそういうオプションついとう芝居小屋もあるけんどな! うちはちゃいます!! 」


粋「Σえ!?えええ!?そんなん有「Σあんさんはもうちょい勉強せえ!!」くわっ







地獄太夫「主さん お人の世界では偉い苦労を。
で、身請け金はいか程」

白「?」

皐月「だからちゃう言うてるやろ」

つつじ「人の話聞かへんタイプやな」



白「相変わらず地獄太夫の言葉が解らない」うーん。

粋「うん。知らねえ方が良いってコレ」





地獄太夫「はあ。わきちの勘違いと。

これは良い機会だと思いましたんに」ため息。


一同「Σ何の!?」



白「なあ、何がどうなってるんだ?」

皐月「こんのクソタラシ ほんま怖いわ」うわあ。





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