小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月7日

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【芝居小屋】




皐月「なーんかジメッとしとんなあ。雨降るんやろか」



飛天「あー。そいやさっき日が傘かぶってたから天気は下り坂だな」うんうん。

白「傘?」

飛天「うん。絶対お前が想像してるのは違う」

粋「いやお前 なんで普通に楽屋に居んの?」

白「腹減りでその辺居たから拾ってきた。」どやっ

飛天「拾われた。昼飯ごち。」


粋「あー解ったから米粒取れ
まった賄いの米炊かねーと」ぶつくさ。


皐月「何気に面倒見ええよな。お兄ちゃん」

白「食べ物に余裕がある時は分けるの常識だろ?」はて。

飛天「兄ちゃんてか野生動物のボス?」


粋(用意すんのは見習いの俺だっての。)米ざかざか





つつじ「雨かあ
嫌やなあ。御客はんの入りが悪なってまうわ」


飛天「んー。山暮らしのカラスが言うんだから間違い無いって。」



白「なのに大概にわか雨でべっしゃべしゃだよな」

粋「ついでに突風でよく落っこちてるよな。」手ふきふき。

飛天「Σ出た こういう時ばっかし兄弟コンボ!!」



皐月「なんや。カラス天狗って結構マヌケなん?
あっきーもしっかりしてそうで 結構抜けと

がららっ

彬羽「誰が間抜けだ。」


白「お。出前来た来た。」

粋「Σ米炊いたのにーー!!」




つつじ「どうせ夕方にはお宅のお兄はんが食い尽くすわ」

粋「くっ。しゃーねえ 冷めるから握り飯にしとくか」

飛天「手馴れっぷりが悲しいな」



彬羽「マヌケなのはこいつくらいだ 一緒にするな!」
皐月「あー。はいはい
あっきーも大概落っこちとるけどな「Σ言うな!!」



白「ひょっとしてカラスって飛ぶの下手なのか?」

彬羽「そりゃでかけりゃそれだけ浮きにくくて当たり前だろ」

粋「Σへ?そういうもん!?」




彬羽「よく思い出してみろ

フラミンゴとか離陸までにどんだけ助走つけてると思ってんだ」

飛天「そんなの凝視してるのお前くらいだっての。

てかどこで見るんだよ」


皐月「相変わらず例えがマニアックやな。」

彬羽「マニアックか?」

白「うん。」きっぱり


粋「フラミンゴって あのピンクのか
えー 飛ぶ時どんなだっけなー」悩。

つつじ「真面目に考えんでええと思うわ」



彬羽「で、お前はなんでこの面子に紛れてんだ」


飛天「いやー それがさ。
これ売ってたら 昼御飯食べそびれて」ごとん。

皐月「なんや?この風呂敷」





飛天「カラス天狗の里の収入源
でんでん太鼓

誰が買わねえ?」

皐月「薬売りや。 頭でっかちやろ」



飛天「いやー。これは俺のじゃなくて里の皆のな
皆が皆薬作れるわけじゃないんだよ」でんでん。

彬羽「むしろすり鉢ゴリゴリやってんのはお前だけだろが」


飛天「基本皆山奥に篭ってるけどさ
やっぱ外に入り用な事もあるから細工で地味ーに稼いでんだよ

て、お頭人間相手上手いだろって頼まれたんだけど
今時の人間は好みじゃねえのかな」ため息。


つつじ「ちゃんと赤ん坊がいそうな客とか場所狙うたんかいな?」

飛天「Σえ。場所!?」

皐月「あ。そりゃあかんわ」うんうん。




粋「素朴なデザインとリーズナブルな価格。
これから行くと長屋とかのがいいかもな
常にガキしょったおばちゃんが洗濯してたりするし

大通りで売るにはもうちょい派手目のがいい。
そこらの店先に並んでるのに負けて まず客の目にとまらねえよ」


飛天「お。おう」たじっ




皐月「さっすが 歴戦のアルバイター」おおー

白「ベビーシッターのバイトめちゃめちゃしてたらしいからな。」うん


飛天「人は見かけに寄らねーなあ」へー。




彬羽「で、
その太鼓の対象年齢は?」真顔。


つつじ「Σ買うんかい!」

皐月「ああ 一二三ちゃん喜びそうやな」




白「・・・・。」 じーっ

でんでん。


粋「Σえ。兄貴 まさか気に入った!?」






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