小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月3日

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【割烹 春一】


がららっ

粋「ちーす。
誰か近くで子供の下駄売ってる所知らね?」

ひな「子供の?
あら やっぱり」

一二三「ぐすっ。」涙目






庵「おとうさーん!
娘さんに何かあったらしいよー」

朱禅「Σぶっは!」

ひな「賄い吹かないで。」



彬羽「で、何があった?」

粋「お父さん呼びは許容すんのか
てか実は嬉し「何があった。」



一二三「実はそのー

ダメだって言われてるけど、保護者つきならいいだろって 芝居小屋に遊びに連れて行って貰ってたんだ」


彬羽「ほう。」 

粋「Σ怖え怖え怖え!!
ちゃんと仕事の時間の前にゃ連れて帰る予定だったしいいだろ!!」

彬羽「芝居小屋に居る奴等なんざカタギじゃねえだろ」

粋「Σ偏見すっげえ!!
俺らの仕事全否定かよっ!」

庵「まあまあまあまあ。」


ひな「職業に貴賎無し
そういう発言は一二三ちゃんの教育にも良くないと思いますよー?」

彬羽「Σう」




一二三「んで、裏側とか見せて貰って
お化け屋敷みたいで面白くってはしゃいでたら

力みすぎて下駄割れただ。」

朱禅「あー。山童馬鹿力だっけか。」



粋「鼻緒とかなら直せんだけどよ。
本体バッキリはどうしようもねえって」

一二三「で、小道具の借りたけどめちゃめちゃゴテゴテしてて歩けないんで結局抱っこして貰ってただ」


ひな「そりゃ舞台用は普段使いには向きませんよ」

庵「てか子役居るのか あの芝居小屋。」



粋「んで、兄貴が新しいの買いに行こうとした所 出番の時間でつつじに強制連行されてた

で、財布預かったという。」ずっしり

ひな「子供にどんな高級品を与える気なんですか」




庵「・・いいなー」ふっ

朱禅「お前も子供になりゃワンチャンあんじゃね?」うどんずずー

庵「ワンチャン獲るために時空歪ませろってか
さっき鼻からうどん出してた癖に」けっ

朱禅「Σ一応店長!!」





ひな「この際彬羽さんのバイト終わるまで座敷にいます?
帰りにちゃんと見立てて買ってくれるでしょうし」



粋「Σえ」がーん

ひな「あれ。買いたかったんですか?」

粋「いや。べつにー」ふんっ


庵(見事にアイドルだ。)うーん。




粋「まあいいや。そんなら俺ももう戻るし

あ、そうだカラス 兄貴から伝言。」


彬羽「ん?何だ?」




粋「『くたばれ ろりこん。』

だってよ。」

彬羽「Σあんの白髪!まだ言ってやがんのかっ!!


朱禅「舞台に駆り出される直前の捨て台詞か」

ひな「吐き捨てるように言ってそうですねえ」

庵「皆して どんだけ一二三ちゃん構いたいの」




粋「じゃあ後頼むわ おとーさん。」けっ

彬羽「なんで俺に矛先が向くんだ」

粋「ヤキモチ。」きっぱり


朱禅「Σ素直かよ!!」



ひな「はっ!これはっ」


庵「ん?何々?」





ひな「一二三ちゃん、いわゆる逆ハーレム状態ではっ!!」おおっ

庵「そういうの好きなの?」


一二三「?」




ひな「え?なんとなく 端から見る分には悪くはないかと」

庵「ごめん。ひなの感性解らない
ドロドロ昼ドラとかも何がいいんだか」

ひな「Σえええーー!!」がーん。






朱禅「ヒロイン幼児の逆ハーレムって何だよ」


彬羽「そもそも、何だそれは。」

朱禅「Σうっわ!物知りの癖にっ

説明したくねええええ!!」







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