小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月30日

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焔「ちいーす
孫共いるかー?」


白・粋「Σ!」ぎくっ




魄哉「おや。いらっしゃ

捕獲上手いですね」

焔「毎度人の顔見りゃ逃げんだから酷いよな」


粋「Σぎゃーぎゃー 離せええ」じたばたっ

白「ちっ」ぶらーん。



小太郎「犬猫みたいに首根っこ持たれてるな」

シロ「基本が動物なのだ。そういう物なのだろう」




焔「今日は酒も飲んでねえし 虐める気もねえから安心しろ

ちょっとお前らこれ見てみろ」

ごとんっ



家康「?
弓だね しかも結構古い

でも手入れが行き届いてて綺麗なもんだねー」弦びよんっ




焔「那須与一愛用の弓だ。」

魄哉「Σ殿!びよんびよんしないで下さい!!
国宝レベルです!国宝っ!!」ひいいっ



蒼月「那須与一っていうとあれだよね
源平合戦で 船の上の相手の扇子を射抜いた弓の名手の」

焔「おう。その時の弓がコレな」あっさり。


粋「Σなんでそんな凄えもん持ってんだよ!」

焔「爺ちゃん収集癖があんだよ。
コレクションだコレクション
その内の一個だ」



家康「アレだね。
昔話なんかで出てくる竜神様のお宝だねー」

魄哉「他のコレクションがどんなかめちゃめちゃ気になりますね」




焔「て、事で誰か使わねえ?
状態良すぎて勿体無えんだ」

粋「Σだっから国宝レベルだっつってんだろ!」


焔「良いもんは使ってこそ価値があんだぞ?
俺も長年コレクションとして大事にしてたけどよ
しまっとくのも哀れに思えて来てなあ」

挿音「あー。こいつは装飾用に作られたもんじゃねえからなあ」

千様「あら。おかえり
いつの間に」


挿音「刀をはじめとした刃物ってのはよ
名品程作られた目的に忠実なもんなんでえ

人を斬る目的で作られた刀をずーっと飾っとくとその家じゃえげつねえ人刃沙汰が起こるしよ」キセルぷこー

シロ「さらっとエグい話をしておるが
そういえばお前刀も打てたな」ふむ。



蒼月「ん、ちょっと待って つまりこの弓って」




焔「最近 いい加減使え射らせろって煩えんだよ。」きっぱり

粋「Σ呪われてるよな!?絶対ヤバイよなそれ!」ひいいっ!



白「弓が喋るのか?」

焔「お前もある程度トシ食えば解るだろ 多分」


家康「よく解らないけど 無言の圧くらいかけて来そうではあるよね」ふむ。




焔「さすがかなり悪質な生霊何体か背負ってるだけあるな殿様よ
やっぱ解るか。」

家康「Σすんませんっ お化け苦手なんで取って取って!!」ひいいっ



魄哉「あーもう。また寄ってきてるんですかっ
ほらしっしっ!」

蒼月「おー。散った散った」


家康「見えなくて良かった見えなくて良かった」がくぶるっ

シロ「相当恨まれておるな」



魄哉「えー 弓の話に戻りますが

つまりその弓は己の役目を果たしたがっていると」

焔「そうなるな。」



千様「けど。うちに弓使う子なんていたかしら?」

家康「私一応使えるけど 銃のが早いし携帯しやすいからなあ

呪い怖いし。」ボソッ

焔「呪いじゃねえからな?」




魄哉「僕も使いませんしねえ。 基本術系ですし 物理で行くなら素手のが早いですし」

蒼月「俺もそうかな。そもそも弓使ったことなーい」


白「俺らは燃やした方が・・ 何してる」

粋「呪いの弓こええ」がくぶるっ

シロ「Σお前もか!!」



家康「うーん。

小太郎は武器使わないし、彬羽はうっかりへし折りそうだし
お前は?」

挿音「忍がんなもん背負ってうろちょろしてたら邪魔になんだろ」


魄哉「残念ながら この弓のお役にはたてそうに無いですねえ」


焔「やっぱ無理か
一応聞くが そこの姉ちゃんはよ?」




千様「弓って利き腕だけ太くなるから嫌。」きっぱり

焔「ああそりゃ無理だな。」納得。



白「そもそも弓ってどうやって使うんだ?

棒にヒモはってるだけだろ?」


焔「あー。こりゃ壊滅的だな
他当たるか」頭かきかき



どたばたどたっ





石燕「白さんのお祖父さん来てるってマジっすか!!
ちょっと描かせて下さ Σあれ?」

がしっ

焔「いいのが居た。」にやり。




家康「へ? 石燕ちゃん体力無いから弓引けないと思うけど」


焔「そこは筋トレあるのみだろ」

シロ「なぜそこまでして弓を使わせ「夜泣きがうるせえんだ。」

小太郎「弓が夜泣きって」




石燕「あっしにコレ使えって事っすか?

いやいや 弓なんてやったこと無いし そもそも使えるようになるのに何年・・」

小太郎「ん?どうした?」




石燕「なんか憑いてますよね。コレ」

焔「Σうお。バレたか」


家康・粋「Σうぎゃああああ!!」脱兎



焔「実は元の持ち主の那須与一の残留思念が微妙に纏わりついてるっつうかな」

石燕「はー成る程 いいっすねえ」ほう。


蒼月「Σちょっと乗り気になっちゃった!」

シロ「Σ大丈夫かこれ! とり憑かれておらんか!?」



焔「って事で アンタなら与一の思念の指示に従えば使いこなせんじゃねえか?」

石燕「うーん。体が持つ気がしないんすが」悩。




千様「大丈夫なのかしら。
石燕さんなら乗っ取られたりとり憑かれたりは無いとは思うけど。」

魄哉「いやこれは いいかもしれませんね。」ふむ

家康「へ?」



魄哉「ほら この家って何かと物騒じゃないですか?

石燕さんには自分の身を守る術が無いのが気になってたんですよね」

千様「あー。確かに」


魄哉「色々試して貰ったんですが 剣術は打ち合いすらすっぽぬけて出来ない、銃はぶっぱなした余波でぶっ飛び気絶する、
かといって素手の護身術はそもそも基礎体力がないので問題外と言う


白「もう弓頑張れお前。」

石燕「魄哉さん。すんません メンタルごりごり削られるんでそれくらいに」





焔「ま、大丈夫だろ
考えてみりゃー適役だ

それ使えばある程度なら与一が誤差直してくれるしよ」

シロ「Σなんだそれは!ズルではないか!」


焔「いいんだよ。撃ちたい奴が護衛についてると思えぱ。
ギブアンドテイクだろ?

ただ、一個気を付けろよ」

石燕「はい?」


焔「こいつは闇雲に射っても当たらねえんだ

ちゃんと対象の姿を確認し 狙いを定めないと当たりゃしねえ
そこは普通の弓と同じだな」



家康「つまりは 相手が見えればいいって事?」

焔「簡単に言えばそうだな。」




千様「めちゃ適役じゃない。」

石燕「あ。自己紹介が遅くなりました
『見る』能力で 人外扱いされてここにお世話になってるんす。」


焔「は?」


魄哉「見事にギブアンドテイクですねえ。」うんうん



蒼月「ねえ。弓って近距離の場合はどうするの?」

焔「あー。そりゃもう矢でぶっ刺せば良くねえか?」

シロ「適当だな。」






白「良かったな。 弓」


蒼月「話しかけても返事しないんじゃない?」

鏡子「残留思念は私達幽霊よりかなり濃度がサラッサラですからねえ」 どろんっ




粋「え。あのお化け弓 マジでうちに置くのかよ」 物陰っ

家康「大丈夫大丈夫。化けて出たりしないよ

・・多分」






石燕「よっし。与一さんに稽古つけて貰うためにも筋トレ頑張るっす!」

千様「筋肉痛に気を付けてねー」





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