小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

6月30日

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〈芝居小屋〉





粋「ったく いきなりびっくりしたよなー」


白「傍迷惑だな」むすっ






家康「ちょっとちょっと!火事ってほんと!?
お前達何してるの?兄弟喧嘩?」

粋「問答無用で俺らのせいかよ」
白「寝てたから知らないけど多分ちがうぞ」




家康「あれ?火と言えば って
あははごめんごめん早とちりかあ」


白「俺は休憩で控え室で寝てたし」

粋「俺は兄貴が爆睡して うっかりツノ出してたからその辺のヅラ適当にかぶせて誤魔化してたし」

家康「ああうん。粋の慌てっぷりが余裕で想像できるよ」




粋「マジで良かった 芝居小屋で良かった。
唐獅子みたいなヅラがその辺転がってて本気で良かったとか思うの他にねえよ」ふっ

白「道理で寝てて重いと思った」




家康「ふむ。お前達で無いとすると何だろ?火の不始末かなあ」






彬羽「くおら!手前ら!
あれほど外で暴れんなって言ってんだろが!!」

白「だから濡れ衣だ バカラス」


家康「二人じゃ無いらしいよ アリバイ有りだよ」

彬羽「Σそうなのか!?」

粋「俺ら信用ねえなあ」


白「てか、バカラス バイトはどうした?」

彬羽「消火手伝いにいけと放り出された。

が、鎮火済みだなこれは。
戻るか」




がしっ


彬羽「・・何だ?」


白「この状態でそれは無いだろ」
家康「だよねえ?」にやにや

彬羽「は?」


家康「はぁーい 名探偵彬羽君の推理ショーはじまりっ!!」

彬羽「Σ待て待て待て待て待て待て!!



粋「おい。順番違う違う
推理ショーより先に 現状で何かヒントになるもん探さねーとよ。」

家康「あ。そっか」

彬羽「Σ誰がやると言った! 勝手に話を進めるな!!」




白「なんだ自信ないのか。普段賢こぶってる癖に」ふっ

彬羽「火元を見せてみろ。」


粋・家康(Σ単純っ!!)



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家康「ここから火が出たのか
うわ。結構焦げてるね」


白「焦げ臭いのに気がついた 客の婆ちゃんが気がついたらしい
老眼酷い分 鼻がきくんだそうだ」

家康「ふむ。んじゃ原因に関係する物は見てなさそうだねえ」



粋「どうよカラス?何かわかるか?」



彬羽「まず、見るからに本来火の気が無い場所だな
そして、大道具その他燃えやすい物が多い

誰かが故意に火を付けた可能性もあるな」

粋「Σげ。マジか!」

白「あ。ヤバイな」

家康「ヤバいどこじゃないよ
うわー。これ番所の出番かなあ」

白「いや、そうじゃない」

家康「へ?」




つつじ「・・そうかあ。人の職場燃やそうたあどこのバチ当たりの仕業やろなあ?」



白「ここのヌシがお怒りなんだ。」

家康「あー。こりゃ確かにヌシだ」うんうん



つつじ「彬羽はん。 犯人見つかったら即座に教えておくれやす
己がどないな事したか教えてやらなあきまへんわ」ゴゴゴゴゴ


彬羽「おい。こいつに教えて大丈夫なのか?」

粋「どう考えてもダメだろ。」

つつじ「神速は健在どす」ボソッ

家康「あ。光の早さで犯人の首が飛ぶね」



白「教えてやるから向こうに行ってろ
ほらほら現場を荒らすな」しっしっ


つつじ「Σぐ!
彬羽はん!ホンマ頼んだで!!
奥で待っとるからなっ」


粋「うわあ。どうするよ」

白「全部片付いてから忘れた事にするからいい。

んで、犯人の手がかりあったか?」


彬羽「まだ火付けと決まったワケじゃねえんだがな。


・・ん?」




家康「なんかあったの?」




彬羽「至急 飛天連れてこい
まだ春一で飯食ってるはずだ」

家康「お前のイトコ最近常にいるね。」


白「粋、ごー!」

粋「らじゃ!!」ダッシュ




ーーーーーーーーーーーーーー






飛天「この国では取れないもの。つまり舶来物だな

それの、キセル用の草
そりゃー手に入る層は限られるよなあ」

彬羽「餅は餅屋。
挿音のいきつけの煙草屋の主人に聞いたら絞り混みも簡単だ」



家康(本当に解決しちゃったよ。)






粋「お前らほんと凄いな。」感心っ

彬羽「こういうのは順を追って考えりゃいいんだ」





粋「慣れたもんだな
じゃあカラスやめて アダ名ホームズにするか!」おおっ

彬羽「Σそれはやめろ!本気でやめろっ!!」


家康「無邪気って最強だよね」

飛天「じゃ。俺はワトソンか」ボソッ

家康「お前はまんざらでも無さそうだね」




白「あ。」


粋「ん?兄貴どうした?」



白「今 屋根の上
殺意バリバリで番所の方に疾走する何かが見えた。」

粋「Σつつじの奴忘れてたああ!!!」ひいいっ




家康「ま。火付けは重罪だからね
仮に燃え広がってた事考えたら 最悪ちょんぱされても仕方ないねー

フルボッコで済めばいいけどなあ

あ、そこの影の忍君。至急お頭呼んできて」


飛天「Σうおう! 何かいた!!」

家康「殿常に誰か警護ついてんだよ

犯人には挿音が間に合わなかったら成仏して貰おう」


粋「割りきりこええよ」




彬羽「しかし、動機は何だったんだ
確か幕府の決まりで火付けは見つかりゃ極刑のはず」



白「ああ。それな」

粋「兄貴しってんのか?」



白「何でも 犯人がアタックしまくってた女がつつじのファンだったらしい。

で、フラれて ちょうどキセル持ってたし小屋ごと燃やしてやる。と」


一同「Σしょうもなっ!!」





白「つつじ本人には言えないな。
知ったら無駄に凹んで腹切りそうだ」ため息

粋「た、確かに」うわあ。



彬羽「ん?ちょっと待て。

犯人がそんなのなら あいつと鉢合せしたら不味くないか?」

白「あ。」







家康「そこの忍君。 私の警護はいいから緊急速報流して。

下手に近寄らず数で動きを封じる事
対象は人と思わない事 猛獣と思え
麻酔催涙弾その他全て許可 一刻も早く捕獲せよ」






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